第151配信 GTR 3日目 ドメスティックな姉妹丼
五月、ゴールデンウィーク明けに教育実習生として双葉姉妹の姉、葵が登場した。
おっとり爆乳美人お姉さんという年上好きにとって堪らないヒロインだ。
この見た目で男性経験無しという設定には無理があるだろうとは思っていたが、陽菜が同じだったので世の中何が起きるか分からない。
葵が教育実習生として主人公の高校に勤務するのは二週間。この期間に彼女にアタックを続けて好感度を上げていく。
すると今度はアルバイト先である個人経営のレストランでイベント発生。
少女が男連中から軟派されていて困っていた。普通に考えて、こんな場所で軟派など起きるとは思えない。されどそこはゲームご都合主義。何でもありなのだ。
軟派男共を追い払って少女から感謝される主人公。この少女が双葉奏なのだが、この時点では彼女の素性は不明である。このイベント以降、奏はこのレストランに姿を現わすようになった。
双葉姉妹のイベントを交互に発生させてフラグを立てていく。好感度は順調に上昇していき、高校では葵の胸を鷲掴みにしたりバイト先では奏のお尻を鷲掴みしたりとそれぞれの地で姉妹に対するラッキースケベが発生する。
『葵も奏もまさか姉妹が同じ男の餌食になっているとは思わないでしょうネ』
「とんでもない奴だよ、セシオはよ」
セシオは二人にセクハラで訴えられること無く、むしろ好感度を上昇させていった。そして、葵の教育実習最終日にイベントが発生する。
これまでは主人公のアプローチに満更でもない様子の葵であったが急に距離を取るようになり、そのまま彼女は高校を去ってしまった。バイト先の奏も店に顔を出さなくなり六月に突入。ついに事件が起こる。
『ワンユウ様、六月に入ってから変なおっさんがやたら出てくるようになりましたが、どなたデスカ?』
「変なおっさん言うな。セシオの父親だぞ」
『父親いたんデスカ!?』
「驚くのも無理はない。このルートにしか出てこないからな、セシオパパ」
『二人で何を話しているのデショウ?』
「一旦スキップ解除して少し会話を聴いてみようか」
父『セシオ、ちょっといいか』
セシオ『何だよ、親父。コンビニで買ってきて欲しい物でもあるの?』
父『違う違う。実は父さん再婚する事にしたんだ』
セシオ『そうなの!? へぇー、俺は良いと思うよ。どんな人なの?』
父『優しくて朗らかで綺麗な女性だよ。うちと同じく配偶者は亡くなってしまっていてね。そういう事情もあってすぐに打ち解けて、その日のうちにホテルで――』
セシオ『そういうのはいいから!! 子供の前で親の性事情話すなや!』
父『しかもスタイル抜群でオッパイが大きくてさー。いやぁ、久々に我を忘れてハッスルしちゃったよね。父さん、まだまだイケるわ!』
セシオ『やかましいわ!! ――で、再婚するんなら俺にも会わせてくれるんでしょ?』
父『それはそう。今日、引っ越してくるから』
セシオ『――は?』
父『だから、今日からここで一緒に暮らすんだよ。ちなみにその人には娘さんが二人いてね。上の子は大学生で下の子はお前と同じ高校二年生。同い年の子はお前より誕生日が早いから、お前が末っ子な』
セシオ『なん……だと!?』
『この親父、ヤバすぎでショ。息子に相談も無く勝手に再婚決めて勝手に同居の手筈を整えるとか……無いワー』
「常識的に考えればその意見はもっともだが、この流れはギャルゲーやラブコメ作品などではよくある事なんだよ」
『よくあるコト!? これがご都合主義ってやつデスカ!』
「この程度でご都合主義とか言ってたら身が持たないぞ。本当のご都合主義はここからだ」
セシオと父親が会話しているとインターホンが鳴った。父親が玄関に走って行き、セシオがそれに続く。玄関ドアを開けると三人の綺麗な女性が立っていた。
するとセシオは驚いて立ちすくむ。何故なら三人のうち二人は面識がある人物だったから。
セシオ『葵……先生? それに奏も……な、なんで? どうして二人がここに!?』
父『なんだ、お前たち知り合いだったのか。それなら話が早い。こちらの綺麗なお嬢さん二人が今日からお前のお姉さんだ。良かったな、セシオ』
母『これからよろしくね、セシオ君。私がママよ』
葵『驚かせてごめんね。私も実習の終了間際でこの事実を知ったの。君とは姉弟になるから……その……よろしくね、セシオ君』
奏『本当に驚いたわ。まさかセシオがお姉ちゃんと知り合いで新しいパパの息子だなんて。変な縁があるわね、あたし達』
『ワンユウ様のヒロイン説明通りに姉弟になってしまいましたネ。これで家族五人で暮らすという事デスカ』
「どうだろうね」
再びスキップして日常会話をぶっ飛ばしていく。すると父親と母親が全然出てこなくなった。その事実にセシリーが気が付く。
『両親居なくなりマシタ? さっきから全然姿を見ませんガ……』
「ああ、それなら父親が外国に単身赴任になって母親が付いて行ったからな。同居二日目に二人は海外に行っちゃったんだよ。もう出てこない」
『エエッ!? 年頃の子供たちを残して両親が居なくなったんデスカ? 放任主義すぎるデショ』
「常識的に考えればその意見はもっともだが、こういう展開はギャルゲーやラブコメ作品などではよくある事なんだよ。両親が一年ぐらい旅行に行っちゃうとか普通」
『それさっきも聞いたヤツ! 姉弟になったばかりの若い男女を一つ屋根の下で生活させる恐るべきご都合主義。パネェ……』
両親が居なくなり三人で暮らす事が確定すると突然画面が暗くなり、タイトルが『上級生』から『おねがいシスターズ』に変更され続きが始まった。
『ゲームタイトルが変わっちゃったんですケドーーーーーー!!』
「これ以降、自宅で色んなラッキースケベイベントが発生する。学園ものからファミリーものに物語が変わったという訳よ。今までとはストーリーの流れが全然違うから新鮮だろ?」
『双葉姉妹の待遇が良スギル。別ゲーになるなんて予想できるかこんなモン』
この劇的展開に戸惑っているセシオを嘲笑うように双葉姉妹はマイペースに生活していく。二人共、母親譲りの抜群のスタイルの持ち主な上に家では薄着で過ごしているので胸の谷間は見放題。このルートではまだ童貞のセシオにとって刺激が強すぎる。
通常一番落ち着けるであろう自宅は一番刺激的な場所へと変貌してしまった。それ故バイトに精を出し自宅に遅く帰ってくるセシオ。そんな彼を心配した双葉姉妹はあの手この手で彼と立派な姉弟になろうと誘惑してくるのだ。
下着エプロンで料理、水着で一緒に入浴、ノーブラTシャツで添い寝、休日は三人で買い物に行き他の野郎共から羨望の眼差しで見られる等々、よく理性を保っていられるなーと感心しながら日常会話をスキップしていく。セシリーは俺の説明を聞いて益々興奮していた。
七月も下旬になり夏休みに突入。三人で海に行き重要イベントが発生する。セシオが飲み物を買いに行っている間に二人が軟派されており、それを助けるのだ。
このイベントを機に双葉姉妹の理性は崩れ、自宅に帰宅すると男女の仲に発展。
これ以降、自宅では姉妹による更に過激な誘惑合戦が開始され、毎日セシオ達はエッチに励む。
葵『ハァ……ハァ……セシオ君、お姉ちゃんの言う事は絶対なんだから、良いって言うまでちゃんと耐えるのよ?』
セシオ『う゛ぁい』
奏『ひゃんっ! ちょっとセシオ、その状態で声出さないでよ。んっ、んん……息を吹きかけられて……はぅん……。お姉ちゃんばっかりズルイよぅ。あたしもそろそろそっちがいいんだけどぉ』
葵『だーめ。もうちょっとで……もうちょっとだから……も……ちょっとでしゅごいのがキそうだからぁ! あ……も、イ……!』
画面には三人姉弟の仲睦まじすぎる様子が映っている。
積極的な姉妹の誘惑によってセシオが攻略される形になり、双葉ルートは基本的に最後まで一本道。シークレットエッチも無条件で行われるので、俺がする事と言えばマウスの左ボタンをクリックするだけだ。
『それにしてもマジでスゲーですね、この姉妹。夏休みが終わる頃にはセシオは腹上死していてもおかしくナイ』
「そしたらサスペンスになっちゃうだろ。この後は花火大会、クリスマス、年末年始の姫納めと姫始め、バレンタインデーとかイベントが沢山あるから。その他にもエログッズ屋で購入できるコスプレ衣装エッチも全部網羅してる。死んでる場合じゃねぇ」
『ワンユウ様がこの姉妹をオススメした理由が分かりましたヨ。双葉姉妹は圧倒的にスケベデス!』
こうして双葉姉妹ルートを終え全ヒロインの攻略完走を成し遂げた俺とセシリーはハイタッチをした。上級生をプレイし始めて五時間後の事だった。
『予定通りに終わりましたネ。いやぁ、エロゲーって中々面白いデスネ。興味が湧きましたヨ。今日の配信が終わったら上級生を購入して自分の手で嫁たちを攻略してミマス。今度はちゃんと日常会話も楽しみマスヨ』
「そりゃ良いね。他にも色んな作品があるからメルア姫やサターナにお勧めを訊いてみるといいよ。俺よりずっと詳しいだろうからね」
エンドロールが終わりタイトル画面に戻るとゲーム終了をクリックする。
『終了するよ、お疲れ様』
ゲーム終了のボイスが流れ画面が暗くなる。それと同時に壁の一部が変形し扉が出現した。どうやらあそこから出られるみたいだな。
「現在は午前三時四十五分。GTR三日目終了のメンテナンス開始まであと十五分か。皆は無事だろうか? 配信は……」
『それではシャバに戻りまショウカ。あのグラサンが健在なら予定通りにぶっ殺すまでデス』
「容赦ねーな」
皆は大丈夫かという不安とエロゲを散々プレイした事による疲労と眠気を抱えながら、俺とセシリーは部屋を出る事に成功した。