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第135配信 GTR 2日目 ガトガトガト

 六期生の天使と悪魔が操縦する<パトライバー>と<ライジン>によるロボバトルが始まった。相手はバグによって造り出された十機以上の作業用ロボット。

 多勢に無勢なのでどうなるもんかと思っていたら内容は一方的なものだった。


 <パトライバー>は警棒タイプの武器――ハイボルトスティックを敵機に突き刺し内部に電撃を流して戦闘不能に追い込んでいく。

 <ライジン>は背部から日本刀タイプの武器――雷神刀を引き抜き敵機を次々に斬り捨てていく。

 

「おいおい瞬殺だよ」


『NPCが搭乗していない無人機相手とはいえ容赦ないデスネ~』


 三分後には敵機は全滅しガブ達の機体はほぼ無傷という圧倒的勝利で終わった。


『全滅……? 十機以上もいた作業用ロボが全滅ダト!? 三分も経たずニ……? バ、バケモノカ……!?』


『ワンユウさ~ん、こっちは終わりました。これからどう動きますか?』


「バグロボを生み出しているゲートを速攻で壊さないといけない。すぐに移動しよう。コフィン借りるよ」


『無視スンナヤ』


 <コフィンキャリアー>の運転席に座り発進準備に入る。GTRではどんな状況にも対応出来るように各種職業、乗り物の練習を行ってきた。大型トレーラーの運転も問題ない。


「ガブとベルフェは機体に搭乗したままコフィンに乗ってくれ。それでゲートまで直行するよ」


 コフィンの直立していた荷台を元の状態に戻し車両の固定を解除すると二機が乗る。


『今気が付いたんですけど、これってドライブデートですよね? えへへ、嬉しいなぁ』


『ロボットに乗りながらのドライブデートなんてGTRならではだね』


「昨日はガブの運転でドライブしたけど、俺が運転するのは初だな。飛ばすから二人共しっかり掴まってて」


『女性が三人も乗っていますカラネ。安全運転かつスピーディーに、そしてスマートな運転をお願いシマスヨ』


「注文が多いな。急いでるから少々荒っぽくなるのは勘弁して欲しい。それじゃ出発するよ」


 コフィンを発進させ『ネオ出島』を横断する最短コースを走っていく。この島は設定では開発中の場所なのでそれほど建物が密集していない。そのため視界良好で運転しやすいので大型トレーラーでも遠慮無く爆走できる。


『いいゾー! 飛ばセーーーーー!! アハハハハハハハ、もっとスピードを上げたら時すらも越えられる気がスルゥゥゥゥゥゥゥゥ!!』


『時速九十……百……百十……百二十……あともうちょっとでイケる! 跳ぶ……跳ぶ……跳……あ……!』


『ワンユウさんの運転、ちょっと荒々しくてパワフルで……私も跳びそ……あふぁっ!』


 三者三様ドライブを楽しんでくれているみたいで結構なのだが、このトレーラーはタイムマシンではないし興奮されても困る。

 

「そう言えば、バハームとフェネルは何処にいるんだ? ベルフェと一緒に行動してるんじゃなかったっけ?」


『二人は今ユニ先輩の所でロボを造って貰ってるよ。完成次第合流する事になってる。ベル様は<ライジン>が完成したから先に総帥を助けに来たってわけ。あとギャングチームのロボもそろそろ完成するハズだから途中で合流できるかも』


「各チームのロボットってメカニックのユニが一人で造ってるんだよね? 凄まじいペースで完成させてるな……」


『メカニックはユニ様とナーシャ様の二人だけですが、ナーシャ様は主に雑務を担当していマス。それ故にユニ様はGTRにおけるア〇ハイム・エレクトロニクスと言っても過言ではないデスネ』


 ロボ造ってあらゆる組織にばら撒いて戦わせるアナ〇イム。ユニはそんな死の商人の再来だ。食堂チームと同様に裏でGTRを支配する人物と言っていいだろう。

 彼女はロボ好きで有名でプラモデル作成やロボゲー配信が多い。特にプラモはフルスクラッチでオリジナルロボを作ったり、ジオラマ作りまでする本気度だ。だからこそ今回メカニックに立候補してロボ造りを心底楽しんでいるんだろう。


『ワンユウさん、レーダーに反応です。前方にバグロボが何機も待ち構えているみたいです』


「こちらでも確認した。道路上にもいるな。仕方ない、ここは迂回して――」


『大丈夫です。私が蹴散らしますから!』


 そう言って何やら準備を始めるガブリエール。金属音が響いてくるので何をしているのだろうと思っているとセシリーがその様子をモニターに出して見せてくれた。

 運転に集中しながらモニターを見るとガブの<パトライバー>がとんでもない物を装備していた。


 ガトリング砲――某なんとか観柳や重火器ダイスキー達が魅了されて止まない兵器である。砲身が回転しながらえげつない量の弾丸を発射し敵を蹂躙する浪漫武器だ。


「何処からそんな物を取り出したんだ? ってか、ガトリング砲なんて事前に提出されてた<パトライバー>の武器リストに載ってなかったぞ!」


『コフィンは<パトライバー>の移動基地みたいなものですからオプション武器が載せてあるんです。ちなみにガトリング砲はGTRが始まってユニ先輩が趣味で追加してくれました』


「ホントに何なのあのショタロリコーンは? マジで一人アナハ〇ムやってるよー!」


『いいなぁー、<パトライバー>は追加武器がたくさんあって。<ライジン>は刀だけしか武器ないもん』


『マシンガンもあるけど使う?』


『マジで? やったー! 使う使うー。ありがと、ガブーーーー!』


 ショタ……いや、女子だからロリか。そんなロリ悪魔にマシンガンを渡す天使……もうどっちが悪魔なのか天使なのか分かんねーよ!


 コフィンの荷台で二機がガトリング砲とマシンガンを構える。無人の敵機が射程範囲に入ると間もなく射撃が始まり一瞬でボロ雑巾みたいになって吹き飛んだ。


『ガトガトガトガトガトガトガトガト!!』


『すげーーーーーー! 火力が……火力が段違いだぁぁぁぁぁぁ!! 楽しすぎるぜ!』


 次から次へと現れるバグロボは何も出来ないまま蹂躙されていき、気が付けば周囲から敵影が消えていた。


『……ワンユウ様、今思ったんですけど私たち……必要ないのデハ? こんな圧倒的な暴れっぷりなら、バグ処理も楽勝デショ。我々は隠居してGTR飲酒巡りの旅にでも出まショウヨ』


「確かに……って、お前は適当に理由つけて酒飲みに行きたいだけだろ。危ねえ危ねえ、同意するところだったわ」


 裏方としての自分たちの存在意義に悩んでいるとモニターに映るガブとベルフェの様子がおかしい。二人共頬を赤く染めて陶酔しているように見える。


『『は……ふぅ……ん。カ・イ・カ・ン……!』』


「二人共どうした!?」


『重火器ぶっ放して気持ちよくなっちゃったみたいデスネ』



コメント

:よおおおおおおおおおし!!

:ガブちゃんとベル様の「カ・イ・カ・ン」いただきましたーーーーー!!

:かぁー、やってんねぇw

:たまらんwww

:キターーーーーーーーー!

:色っぺーーーーーー!

:ガブちゃんの色っぽさは殿堂入りとして、普段クソガキムーブのベルフェが色っぽさを見せるのは貴重でござる

:今週の『アイドルVTuberと機関銃』、おもしろかったなぁw

:いやー、配信って本当にいいもんですね

:次週『ワンユウの機関棒』にご期待ください

:それではサヨナラ、サヨナラ、サヨナラ……!



「機関棒ってなんだよ、機関棒って……」


『え……下ネタデショ……? いまさら何を言って……調子が悪いんデスカ?』


「分かってるよ、今のが下ネタなんてのは! ナチュラルに下ネタぶっ込んでくるリスナーに呆れてるの!」


 久しぶりにコメント欄を表示したらこれだよ。全員元気良すぎだろ。

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