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第122配信 GTR 1日目 デンゲキ・ザ・エッチオッグ

『オタ子さんは変態さんなのね。電気かぁ……ビリッと気持ち良い感じぃ?』


『こんな変態さんには会った事ないよぉ!』


『オタ子さん、あなたは普段からそんなプレイをしているのか? 凄いな……ハァ……ハァ……!』


『最奥電撃プレイなんて薄い本でも見たことないわ。そんなアブノーマルプレイを配信の場で強要するなんて……じゅるっ! あらいけない、涎が……』


 俺はただ<パピヨンロボ>の弱点だと思う部分にハイボルトスティックで攻撃しろと言っただけだ。そこに不純な考えは無かった。

 それがどうだい。ぶいなろっ!!のメンバーさん達はエロ同人誌みたいなプレイだと言って俺を変態扱いですよ。そう思うあなた達の方がね、とんだド変態だっつーの!!


「ワンユウさんは電気を使ったプレイをしたいんですね。――分かりました。安全に出来る方法を探しておきます。ドキドキしますぅ」


「とうとうその名を口にしたな。コメント欄からして、このアバターが俺だってバレてるのは分かっちゃいたよ。皆気を遣って知らないふりをしてくれていたけどさ。それはそれとしてこれだけは言わせて欲しい。――俺は電気で相手を責めるプレイなんてしようと思った事は無いからね!! 普通に危ないからね! 第一それ仕掛けた側も一緒に感電してるだろうから自爆技になってるんだよ! 絶対やらないよ、そんなメガ〇テみたいなの!!」


「絶対やらないですか。そう……ですかぁ」


「残念がるな!!」



コメント

:ワンユウ総帥、お疲れ様でーす

:バ美肉総帥カワユス

:キレッキレのツッコミで草

:文字ではなく音声で総帥のツッコミを聴けて楽しい。テンポが違うのだよテンポが!

:ワンユウ総帥はファイプロのスタッフだったのね。これはいよいよVTuberとしてデビューするしかないね

:ふぅ、総帥のチャンネル登録を済ませてきたぞい

:はえーよ、何処にあるんだよwww

:ガブちゃんとのやり取りが正真正銘夫婦漫才で草

:ルーシーとの絡みも早く見たいなり

:ぶいなろっ!!はツッコミ担当が少ないから総帥の存在は貴重

:いやー、ガブちゃんが正式にワンユウ認定してくれたお陰で我々も気兼ねなく総帥を弄れますよ

シロップ:盛り上がってきましたね!

:シロップ!? あんたとんでもない短編小説を作ってくれたじゃないの。お陰で早朝から大笑いしたよ。サンクス

:シロップさん、こんな時間まで起きてちゃダメじゃないの。学校があるんだから寝なさい

シロップ:高校の創立記念日なので今日はお休みでーす。この記念すべきGTRぶいなろっ!!サーバーであたしの短編小説を朗読して貰えて超嬉しかったです!

:さすがはシロップ、ルーリスの中で最強クラスの闇堕ちなだけはある。ぶいなろっ!!のこの面々にダメージを与えるなんて只者じゃあないぜ!

:シロップさん、真面目な話そういう個人情報は出しちゃ駄目だよ。特定されるからね

:総帥だって気をつけていたのにガブちゃんに居場所特定されて食われちゃった事実を忘れてはいかんよ



『ライバーもリスナーも朝四時近くだというのに元気デスネー。ところでメンテ開始まで残り五分を切りマシタ。バトルの決着をつけておいた方が良いと思いマス。ワンユウ様の電撃作戦ですが<パピヨンロボ>を倒すには少々パンチが足りないカト』


「それなら<パトライバー>三機同時攻撃でイケるハズだ。<パピヨンロボ>は下半身前方のドッキリパックリメカ発進口、下半身後方の排気口、そして頭部――この三箇所の防御が薄い。ハイボルトスティックで同時に攻撃すれば一撃で終わる。申し訳ないが時間が無いからここはキャバ嬢三名に負けて貰おう……あれ?」


 作戦を説明していたらガブやモニターに映る皆が驚いた顔で俺を見つめコメント欄も動きが止まっていた。

 

「ワンユウさん……今何て?」


「いや、だから<パピヨンロボ>の弱点三箇所に同時攻撃をするって……何かおかしい事言った?」


「その三箇所ってつまり<パピヨンロボ>の下半身の前と後ろと口ですよね? そこに同時にハイボルトスティックを……棒を突っ込んで電撃するんですよね? ……ごくっ!」


 ガブに言われて気が付いた。幾ら相手がロボットとは言え、アイドルVTuberが搭乗している機体に三点責めをやれと言っていたらしい。これはとんでもない失言!


『メルアでもセリーヌでもネプーチュでも誰でも良いから今回だけ席を譲ってくれ、後生だから!! 電撃三点責めなんて激レアプレイ、この先きっと味わえない!!』


 サリッサが必死になって席を交換してと言い始めた。ドMの本能がこれから行われる攻撃を受けたいと訴えているらしい。


『サリッサには悪いですが、これは怪盗であるわたくし達の宿命ですわ。電撃三点責め……わたくし、興味あります!!』


『今回ばかりはワタシも席は譲れないかな~? ドMではないけどぉ、何事も経験って大事よねぇ』


『ネプの準備は出来てるからいつでもどうぞぉ。バッチこ~い!!』


 キャバクラ怪盗三人娘は電撃三点責めという未知の刺激に興味津々、断られたサリッサは心底残念そうな表情をしていた。そんな彼女は間もなく気持ちを切り替えて攻撃態勢に入った。


『こうなったら徹底的にやってやる!! わたしが前の穴をヤる! クロウは尻穴を、ガブリエールは口に突っ込め!!』


『あらあら、攻撃表現が完全に生身のそれになってるわね。でもま、あの三人に心置きなくぶち込む機会なんてそうそうないし思いっきりやりますか!』


「口って何処に!? あ、ここかな?」


 <パトライバー>三機は素早い動きで<パピヨンロボ>を包囲すると、俺が指定した三箇所の部位にそれぞれハイボルトスティックを容赦なく! 根元まで! ズッポリ突き刺した。


『メルア……セリーヌ……ネプーチュ、この刺激の感想を後で詳しく話して貰うぞ!! これでイケぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』


 サリッサに合わせてクロウとガブリエールがハイボルトスティックの電撃を発動した。体内に直接電撃を流された<パピヨンロボ>の内部は電気まみれでえらい事になっていた。


『あばばばばばば!! しししし痺れますわわわわわわ! あ、あ、お、お、お、オッグぅぅぅぅ!!』


『こここここ、これ結構クセになるかもももも!! い、ぐ、ぐ、ぐ、イッグぅぅぅぅぅぅ!!』


『なななな何か目覚めそそそそそそそそぉぉぉぉぉぉ!! ングぉぉぉぉぉぉぉん!!』


 アイドルVTuber三名から聞こえてはならないくぐもった声が聞こえてきた。こんな事態になったのは元はと言えば俺の発言が原因だ。

 俺はもしかしたら取り返しのつかない事をやってしまったのかも知れない。心臓がバクバクする中、限界に達した<パピヨンロボ>は中から汚い絶叫をあげながら爆発した。

 その残骸の中には布地の少ない衣装がボロボロになってほとんどまっぱ状態のキャバ嬢三人が横たわっていた。

 命に別状は無いようだが意識朦朧で時々身体をヒクつかせているのは電撃を浴びたからなのかそれとも……うん、深く考えない事にしよう。


「――さて、それじゃワンユウさん行きましょうか」


「行くって……何処へ?」


 戦闘が終わるとガブリエールは上気した顔で俺を見つめながら言った。


「もちろん、愛の監獄(ラブプリズン)です」


 こうしてGTRぶいなろっ!!サーバー初日の最後、俺は出島署の留置所へぶち込まれたのであった。

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