第一章 霧の暴走
あぁ~…記念すべき第一章ですが
早くも波乱の予感です(苦笑)
でゎでゎ、どうぞ!!!
俺、セーシャが霧の存在に気づいてからちょうど丸一週間立った頃その事件は起こった――――。
朝、俺は不快な金属音で目を覚ました。そして、その犯人に気付く。
「またお前か。霧」
――またとはなんだ。私がセーシャモーニングコール大作戦ー♪をはじめたのはほんの一週間前だぞ!――
そう。こいつは出会ったときからこの嫌がらせを始めたのだ。全く悪趣味なやつだとつくづく思う
――嫌がらせではないぞ、セーシャモーニングコール大作戦ー♪だ!――
またこれだ。こいつは、俺の思っていることが分かる。同時に俺もこいつの思っていることが分かる。はずなのだが…。
「どうして俺にはお前の思ってることが分からないんだー!!」
――それは仕方のないことだ。なぜなら、私はお前より強いからな――
そんなことは俺が一番自覚している。霧は俺より強い。いや、俺が今まで出会ってきた人物の中で一番強いと言えるだろう。
「その精神のミストを、どうしたらはがせるのか、早く教えてくれ!」
自らの本音をこうやって素直に話すことができるのは、やはりこの霧という得体の知れない存在だけなのだと思うと、我ながら情けない気持ちになる
――私に血飛沫を浴びせてくれたら、教えないこともないぞ――
「………ふざけるな」
そういって霧との会話を断ち切ると俺は立ち上がって食堂へと足を運んだ
「珍しいですね、貴方が食堂でお食事を取るだなんて」
右腕をつっている兵士が俺に声をかけた
「たまには、な」
俺は曖昧な笑みを浮かべて、黙々と食事を取り続けた
そして満腹になり、満足したとき―――――――
―――――霧の声がした
――私は食後の運動をさせてもらう――
「ちょっ…どういうことだッ!?」
気付いた頃にはもう遅かった…
俺は体の自由を霧に奪われたのだ
霧はそこにいた兵士の鮮血を帯びた俺の神剣、セフェリールを振りかざし、人間とは思えない手さばきで、人という人を殺しまくった。
そしてついには、城にいた者全員を……殺した。
霧は、血まみれの剣を片手に、死体の山の頂点に君臨し、神々しいばかりの金髪をかきあげ、声を上げて笑っていた
俺が声をあげて泣き喚いていることも知らずに……………
――――――――人は目にして初めて
本物の恐怖を知る――――――――
(続)
さぁさぁ、霧の本性が現れました
ここからセーシャの運命が大きく変わっていくのです!(笑)