ゆるぎなく夏
雪。
さっきまで、半袖着てた。
なのに。
僕だけではない。
まわりも動揺している。
当たり前だ。
何枚、服の数が増えたというのか。
一時間にも満たない、短時間で。
「地球、大丈夫か?」
「地球終了の前触れってこと?」
色んな言葉が飛び交う。
ほぼ全ての人が、首を曲げて空を見る。
ため息も、空を飛ぶ。
みんな諦めモードで、時は過ぎた。
突然、明るさがやって来た。
暖かさがやって来た。
のっそり、そして堂々と。
夏は『ちょっとトイレに行ってました』みたいなテンションで、戻ってきた。
今は、ゆるぎなく夏だ。