1
初めての投稿です。よろしくお願い致します
「この子の名前はレリアナだ、明日には西の離宮に移るように。世話は全て乳母のお前に任せる」
「お待ちください陛下!!!」
――バタン――
月明かりに照らされる広い部屋のベッドの上に「私」は
1人取り残された。
そう、赤ちゃんとして――
――――――――――――――――――――
最初に言っておくが私は最近までただの23歳彼氏無しの
フリーターだったはずだ。そう「最近」まで。
最後の記憶は確かコンビニの深夜アルバイト中に
ゴミ出しをしに行って車が突っ込んできた気が...
あ、死んでるわ、これ
そんな事よりここはどこなの?どうして私は赤ちゃんになっているんだ死んだはずじゃないの?
うーん考えても赤ちゃんの身体じゃ何も出来ないし
とりあえずさっきの乳母さん?が戻ってきたら何か分かるかもしれないし…あ、眠くなってきた、やっぱり赤ちゃんてすぐ眠くなるものなんだ……
私はその日とうとう眠気に逆らえず綺麗な月が見守る中
眠りについてしまった――
――――――
心地の良い風が顔に当たりぱちりと目を覚ましゆっくりと首を動かして周りを確認したがやはり広くて豪華な、どこか中世ヨーロッパのような雰囲気の部屋は変わっていなくて、どうやら眠る前の記憶は夢では無いようだった。
なぜか自分でもびっくりするくらい冷静なのだが
おそらく私は『異世界転生』いうやつをしてしまったみたいだ。
普通ならきっと驚いて元の世界に帰りたいと思うだろう。
だが、私のおそらく前世と言うべきものは23歳彼氏無しのフリーターなのだ。特筆すると親は顔も見たことがない。
いわゆる施設出身だから。
せっかく転生したんだし今度は親に愛される子供になりたかった。でも昨日の父と思われる人の事を思い出すと期待するだけ無駄なように感じられる。
無いものは無いとしてもちろん不安もあるけど強く生きようと私はその時、決意した
とりあえずお腹が空いたけどどうすればいいの?
赤ちゃんだから泣いてみたらいいのかな?