4.「ショウとの大喧嘩」
あの時もそうだった。ショウと意見が割れて、大喧嘩したんだ。
よく覚えている。大人たちに連れられて喫茶店に行った時に、夕方のニュースで死刑確定と報道していた。ニュースが流れた時に、店で最初に口を開いたのはショウだった。
「どうして自分より弱いやつに殺されるんだろう」
「どうしてって、それは法律で決まっているからだろ」
「でもさ、ジパン騎士団の団長だぜ? 法律の一つや二つくらいは変えられるんじゃないのか?」
「そうかもしれないけれど、自分の為にそんなことをするのは自分勝手だろ」
「そうかぁ? まあ、空賊と繋がりがあったことみたいだし、そういうことなら潔く最強の空賊になればいいんだよ」
「また空賊を褒めるのか? 空賊は良くないやつらだって俺の父ちゃんが言っていただろ!」
「だからお前の父ちゃんがおかしいんだよ。今時、正義の空賊なんていないって言う方がどうかしている。馬鹿だよ馬鹿」
「お前……」
「なんだ? やるって言うんなら、いつだって相手になってやるぞ? また負けたいのか?」
「くっ……」
「そこで怯むから駄目なんだよお前は!」
そう言って、ショウは殴りかかってきた。大人たちの仲裁の難しいほどの力量の大喧嘩だった。まあ、あいつのお陰で今の俺があるんだろうし、俺もあいつの為になったんだろう。