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ソラヲカケル。  作者: 長良英明
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3.「アカネ・ヒロトの死刑」

 今から十年前の話になる。ある一人の男の死刑判決に、世界中の人々が驚きを隠せなかった。

 その男はアカネ・ヒロトと言う。

 彼は実在する桃源郷やら、黄金の国などと呼ばれる、他の国からは生きた伝説のような扱いを受けているジパンという国家の騎士団長だった。


 騎士団とは簡単に言えば遊撃隊のことである。国家公務員となる軍隊の中でも、特別な才能を持ち合わせている者でないと、所属することが難しいものだ。騎士団制度は存在する国とそうでない国があるが、ジパン騎士団と言えば、その名前は“最強”と天下に轟いている。


 ジパン騎士団長と言えば、公の世界で一番強い人間となる。並大抵の人間じゃ彼を殺すことなど到底できやしない。そのような人間を、ジパン政府は死刑にすると言い放った。そして、その理由は釈然としなかった。ジパン政府は彼が仲間数人を殺したことを殺人罪として起訴したんだ。


 アカネ・ヒロトは彼らが謀反を起こそうとしていたと強く無罪を主張していたんだけれど、裁判官はそれを受け入れなかった。騎士団の仲間たちの証言がアカネ・ヒロトと全て食い違っていたのである。でも、それをテレビで見た当時十歳だった俺も思ったんだ。



 全ての仲間の証言が食い違っているなんて、あり得るんだろうか。

 もちろん、これは専門家や世論でも意見が割れたところなんだけれど、アカネ・ヒロト大悪人説と、今までの功績からおかしい説に真っ二つに割れた。


 そして、彼は騎士団の仲間による処刑を甘んじて受け入れた。享年三十五歳での若い死だった。

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