ボロアパートに住んでいる俺の部屋の隣にミスキャンパスの美女が引っ越してきた
俺はボロアパートに住んでいる。
お金のない普通の大学生だから仕方ない。
壁が薄いので隣の声がよく聞こえる。
こんなボロアパートに誰も住もうとは思わないだろう。
『ピンポーン』
俺の部屋の呼び鈴がなった。
俺はドアを開けて驚いてしまった。
そこにはこのボロアパートには似合わない美女が立っていたのだ。
彼女はキラキラしていて眩しい。
俺は彼女を知っている。
彼女は俺の大学のミスキャンパスだ。
「今日から隣に引っ越してきました。宜しくお願いします」
彼女はそう言って俺に綺麗に包装された挨拶の品物を渡してきた。
「あっこちらこそ宜しくお願いします」
そして俺は挨拶の品物を受け取り彼女は自分の部屋へ帰っていった。
彼女がくれた挨拶の品物はお洒落なデザインの袋に入ったバームクーヘンだった。
次の日、俺は大学へ行く。
今日はお昼からだ。
大学の中を歩いているとミスキャンパスの彼女がいた。
彼女は俺を見て驚いている。
「どうしてあなたがここに?」
「俺もここの学生だからね」
「そうなの? これから宜しくね」
「うん。こちらこそ宜しく」
彼女と話しているだけで周りの目が気になる。
そしてコソコソと話をしている。
大学から戻り俺は家でのんびりしていた。
すると彼女の部屋から声が聞こえる。
男の声?
壁が薄いから声は聞こえるが、今日の声は非常に声が大きい。
「やめて」
彼女が嫌がっている声がした。
俺は壁を叩いた。
すると声は聞こえなくなった。
少し静かになって次は何度も壁を叩く音がした。
これは彼女に何かあったのかもしれない。
俺は彼女の部屋のドアを叩いた。
「ねえ、大丈夫?」
俺がそう言った後すぐに彼女がドアを開け、俺に抱き付いてきた。
「助けて」
彼女は泣きながら俺に助けを求めた。
部屋にいた男は俺と彼女を突飛ばしボロアパートから去っていった。
「何があったの?」
「知らない人が私の部屋にいたの」
「えっ」
「怖かった」
彼女はさっきよりきつく俺に抱き付く。
「もう、大丈夫だよ」
俺は彼女の頭を撫でた。
「ねえ、一緒に住まない?」
「えっ」
「あなたがいれば私は安心なの」
「君と俺は恋人でもないのに一緒に住めないよ」
「それなら恋人になろうよ」
「君は冗談を言ってるの?」
「本気よ」
「俺みたいなやつが君の恋人になんてなれないよ」
「私の恋人になる人は私が選ぶのよ?」
「でも」
「あなたは私と恋人になりたくないの?」
「なりたいよ」
「なら決まりね」
「何で俺なの?」
「最初、見た時に運命だと思ったからよ」
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