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4月13日(一人で人生切り拓かなきゃいけないんだから)

昨日からオムライスが食べたくて仕方がない。


卵を買ってきて作るか、できてるものを買うか。

暇だし、お母さんが持たせてくれた「はじめてのお料理」でも読んでつくってみるかなあ。


とにかく買い出しに行かないと。

スーパーより、コンビニの方が空いてるかな。

できるだけ人がいないところを選ぼう。密にならないように。



1人暮らし。

病院の場所は確認したけど、できるだけ病気にはなりたくない。

こんな疫病が流行ってるときに一人なんて!



でも実家にいたらどうなってただろう。

高校卒業して働くか、近くの短大に行くか、高い学費を支払って、できたばかりの山奥の私大にいくか。

どれを選んでも、たぶんゴールは同じ。



就職先は八割がた工場か、イオン。

そこで運が良ければ知り合った人と結婚する。

その人の実家は、5割くらい農家の可能性があって、八割くらい近くに住んでる。

どこにいっても知り合いに会うような小さな町の中に、全てが一見平和的に収まっている。

(言い方を変えると、お互いに監視しあいながら暮らしている。村社会だ)

それが幸せだと感じる人もいるし、そうでない人もいる。




私にとっては、それは一人で遠くにいくよりも怖いことだった。

出てこられて助かった、と思っている。



いや、助かったと思うのはまだ早い。

助かるように、ここで生きていかないと。


1人なんだから、病気にかかったり、危ない目に絶対に遭わないように、最大限気を張って、生き抜かなきゃ。



花粉用の眼鏡とマスク、手袋を装備。

髪にもウイルスが付着するらしいので、帽子をかぶる。

祖父が「いいやつだから。」と持たせてくれた登山帽だけど。

しかもおさがり。(洗ったけど、なんかな・・。)

色は深緑色。だからカーテンを選ぶときに深緑色にしたのかも。


バッグは布製のトートバッグにした。帰ったら衣服と一緒に全部丸洗いするため。ポケットに携帯用除菌スプレー。玄関にもスプレーと除菌シートを置いておく。

帰宅後玄関で、買ってきたものや財布に付着したウイルスを拭きとろう。


これだけしても完璧ではないけれど、これ以上できないくらい気を付けないと。


暑いな、と思った。

眼鏡は、マスクから洩れる息で白く曇るし。

そういえば、今19歳。

人生で一番いい時なんじゃないのだろうか。


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