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×7 深追いにはご用心



 レイドルの町入り口付近、シェリィ、ルキ、クイナの三人は、現在ここでメリルを待っている。

 今日は四人でランジール王国へと旅立つ日である。目的は、腕輪の呪いを解くための魔道具、解呪の石だ。


「ほっ……ほっ……よっ……」


 ポニーテールを揺らしながら準備運動をしているのは、黙っていれば美少女、クイナだ。

 ぎゃはは笑いを止めるだけでも、言い寄ってくる男はかなりいそうである。


「メリル遅いねー……むぐむぐ」


 近くのベンチに座り、パンで挟んだ肉をかじっているのはルキ。小柄だが運動神経バツグンの元気な女の子だ。恐ろしく手先が器用である。

 髪が短めで半ズボンなので、少年のように見えなくもない。


「ぺろっ……んっ、ごくん……もうちょっと待っててあげよ?」


 ルキの隣に座り、アイスキャンディーを舐めているのは黒髪の美女シェリィ。

 髪が付かないように耳にかけ、顔をやや斜めにし、下から上に舐めあげる。

 忘れてしまいそうになるかもしれないが、この物語の主人公である。


「うっし、こんなもんかな。ねぇルキ! それ一口ちょうだい!」

「やだ! これはあたしの朝メシだ! っつーかあんだけ食っといてよく入るな!」

「パンと肉と甘いもんは別腹だからね~、ぎゃはは!」


 笑いながら、ベンチに座る二人にクイナが近付く。


「クイナちゃん、私のなら一口あげるよ。ほら、ここなら口付けてないから……どうぞ」

「えっ?……いいの?(な、なんかシェリィのだとドキドキするわね……)」


 ズイっと差し出された、シェリィのアイスキャンディーに顔を近付けていくクイナ。

 何故か頬を染め、目を瞑っている。


「あ~……ん……」


 シェリィが差し出したものをパクっとくわえる。


「あっ……そこは……」


 目を閉じてかじったので、シェリィが舐めていたところまで食べてしまった。


「んっ……シェリィの……あまい……(ドキドキ)」

「クイナちゃん……」


 見つめ合うシェリィとクイナ。

 なにやってんだこの二人……という目で、真横に座っているルキが肉をもしゃもしゃと咀嚼していた。もっしゃもっしゃ。


「みんな~、おまたせ~」

「おわぁ!?」


 いきなりその場にドシュンと現れたメリルが声を掛けてきた。

 服装は法衣のようなものでは無く、動きやすそうなものに変わっている。大きな胸が余計目立つ。

 ピンク色の髪を二つ結びにしているのは、前日と変わらない。


「ななな、なに!? どうやって出てきたの?(ドキドキ)」


 シェリィと見つめ合っている時に、後ろから声を掛けられたせいで、クイナの心臓は跳ね上がった。

 いつも取り乱してるねこの子。


「ふふふ……これは操気法の奥義……『空間転移法』だよ!」


 わたしにしか出来ないんだよ? と言って大きな胸を張ってメリルはドヤ顔。


「うひょー! メリルすっげー! (デケエエエエエエエ)」

「や、やるじゃない……(あんなに揺れて……すごっ……)」

「うん……メリルちゃんは凄いね……(すごく……おおきい……)」


 相変わらず、顔からちょっと下を見て褒める三人だった。



「空間転移を使ってランジールまでは行けないのー?」


 町から出たところで、メリルにルキが聞いた。


「うん、これはね、あらかじめわたしの気を使って、印を作ってある場所にしか飛べないんだ」

「なるほど、行ったことがない場所に飛べる程、都合が良い能力じゃないってことね」


 会話に割って入るクイナ。メリルの能力について気になっていたのは彼女も同じだ。


「もしかしたら……ランジールに行ったことはあるのかもしれないけど……記憶を無くして、何処に印を張ったのかも分からなくなっちゃったんだ」


 メリルは説明を続ける。


「頭の中で飛びたい場所をイメージして、そのイメージの中で自分の印を探してから、そこに引き寄せられる感覚で飛ぶんだけど……場所が思い出せないから過去に張った印も探せないの……」

「だったら……記憶が戻れば、世界中に行けるのかもしれないね」


 残念そうなメリルにたいして、シェリィが励ますように言う。


「はい、その通りですね♪」


 花が咲くように、メリルは笑った。



「ああっ! ハガネスライムだー!」


 大きな声を出して何かを指差すルキ。その先には液体金属で出来たモンスターがいた。


「かっ……硬そうだね……」


 スライムにあまり良い思い出のないシェリィが少し後ずさる。あれに飛びつかれたら痛そうだ。


「シェリィ! あれは弱いから大丈夫! そ、それより倒すの手伝って! あれ倒したらいい事あるから!」


 言いながらも短剣を抜き、ハガネスライムに飛び掛かっていくルキ。

 クイナは既に必死の形相で戦っている。


「プルプル、ピキー!」


 ハガネスライムは恐るべきスピードで逃げ出していく。


「逃がすかー! 待てー!」

「待ちやがれー! オラオラオラオラ」

「あ、ちょっと、二人とも!?」


 ルキとクイナはハガネスライムを追いかけて走って行ってしまった。

 慌ててシェリィとメリルも追う。

 だが高い身体能力を持つルキとクイナに二人は追いつけない。ぐんぐん距離を離されていく。



 どれだけ走っただろうか。

 遠くに見えるルキとクイナは、ハガネスライムが逃げ込んだ洞窟へと入っていった。どうにか二人もその洞窟の前までたどり着く。


「はぁ……はぁ……ルキちゃんたち……大丈夫かな」

「ひぃ……ひぃ……わたしもう……走れません……」


 二人でしばらく息を整える。ここで待っていれば、ルキとクイナがそのうち出てくるだろうという思いもあった。しかし……


「遅いね……」

「はい……そんなに深い洞窟にも見えませんし……」

「まさか、モンスターに……」


 そう簡単にルキとクイナが負けるとは思えなかったが、万が一という事もある。


「大変! 助けに行きましょう、シェリィさん!」

「そうだね、何か出来る事があるかもしれない」


 薄暗い洞窟の中へと、シェリィとメリルは足を踏み入れる。



「おきろー、お~い! おきろー」


 誰かが彼女を呼ぶ声が聞こえる。はっきりとしない頭で、どうにか自分が呼ばれているのだと理解した。

 彼女の意識はゆっくりと――

「とっととおきろ! うりうりうりうりうり」

「あぎゃあああああ」


 ゆっくりと起きる暇さえ与えてはもらえなかった。


「くぉらルキ! アタシの……つ、つまむなぁ!」

「だって、クイナおきないんだもん」


 目を覚ましたクイナは周りを見回し状況を確認する。

 どうやら洞窟の奥の小さな空間にいるらしい。鉄格子によって閉じ込められてしまっていた。


「あ~……そうだったわね。洞窟に入ってすぐ落とし穴に落ちたんだったわ」


 盗賊の住処か何かだろうか。洞窟の中に妙な仕掛けを作ったものだ。


「待ってれば誰か来るかと思ったんだけどさぁ、見た感じ人の出入りなさそうなんだよね、ここ」


 鉄格子の向こうにあるテーブルをルキが指差した。埃だらけでクモの巣が張っている。


「ふん! こんなしょぼい檻でアタシを捕まえるなんて不可能よ! ルキ! ちょっと離れてなさい」


 鉄格子の前まで大股で近付いていくクイナ。そしてサッと構えを取り、強靭なミノタウロスですらよろけさせてしまうような、凄まじい威力の蹴りを鉄格子に放った!


「ハイィ!」

「やめろ! クイナ――」

「んぎゃああああああばばばばばばばば」


 鉄格子に足が触れた瞬間、真っ黒こげになって倒れてしまうクイナ。


「魔法で結界か何かが張られてるんだ。これがなけりゃあんなカギ、あたしでも外せるんだけどなー」

「さ……先に言いなさいよ……がくっ」


 それだけ言うと、クイナは再び気絶してしまった。


「成仏しろよクイナ、なむ~」


 手を合わせ、彼女の冥福を祈る。


「はぁ、こりゃシェリィとメリルに来てもらうしかないかなぁ。モンスターと出会ってなきゃいいけど……」


 もう少しくらい、クイナの心配をしてやってもいいと思う。


「メリルちゃん、気を付けて。見えにくいけどそこ穴あいてるよ」

「わっ、本当だぁ。ありがとうございます、シェリィさん」


 丁度その穴の下でルキとクイナは動けなくなっているのだが、この時点の二人にそれを知るすべはない。

 警戒しながらも、シェリィとメリルは洞窟を奥へと進んで行く。


「モ、モンスター!」


 巨大なコウモリが三体現れた。

 洞窟の天井にぶら下がり、二人にたいして牙をむいている。慌てて剣を抜いて構えるシェリィ。


「メリルちゃん、下がって!」


 丸腰のメリルを守るように前に出る。この状況では剣を持つ自分が戦うしかない。


「キシャアアア」


 巨大コウモリの一体が襲い掛かった――


「やぁ!」


 飛んできた相手に剣を振るう。シェリィの剣は巨大コウモリの羽を切り裂き、地面に落した。


「や……やった!」


 思わず笑顔になるシェリィ。実はこっそり剣術の本を読み、構えや振りの練習もしていたのだ。

 しかし……


「シェリィさん危ない!」


 メリルの大きな声が洞窟に響いた。


「えっ……」


 残りの二体が既に目の前に飛んできていた。防御も回避もしている時間はない。

 覚悟を決める暇もなく、思わず目を瞑る……


「ふぅ……大丈夫ですか? シェリィさん」


 優しく、相手を安心させるような声が聞こえた。

 恐る恐る目を開けるシェリィ。するとそこには驚きの光景が……


「いやああああメリルちゃん!」

「あ、シェリィさん。モンスターを刺激しちゃいますので静かに……」


 そこには二体の巨大コウモリに飛びつかれ、頭と体をガジガジ噛まれているメリルの姿があった。

 だが血は一切出ていない。それどころか痛がってすらいなかった。

 可愛らしい笑顔のままである。少し怖い。


「えっ? あれ? ……どうなってるの?」

「えへへ~、わたしは気の操作で体をすご~く丈夫にすることが出来るんです! ハンマーで殴られてもへっちゃらなんですよ~」

「グギャギャ!? ギャア……」


 よく見るとモンスターも困惑している様子。えっ、なんで? こいつの体どうなってんの!? という声が聞こえてきそうだ。


「えいえいっ」


 メリルにしがみついている二体のコウモリを、ズバズバっと切り倒す。

 気が抜けた分余計な力も抜け、スムーズに剣を走らせることが出来た。


「わぁ! シェリィさん、ありがとうざいます」


 手を合わせ、ペコリと頭を下げるメリル。


「う、うん……私の方こそ庇ってもらっちゃって……ごめんね」

「いえいえ~」


 この子はある意味ルキやクイナより強いのかもしれない……メリルの天使のような笑顔を見ながら、シェリィはそんなことを考えていた。



「それにしても妙だね……ルキちゃんたちが先に入ったんだから、モンスターなんて全部倒されてそうだけど」


 剣を鞘にしまい、シェリィは倒れているモンスターを見ながら言った。


「分かれ道とかも、ありませんでしたよね?」


 洞窟の入り口の方へ振り返るメリル。


「そうだね、変な穴があったくら……い……」


 メリルの方を向いた途端、驚き固まるシェリィ。

 その反応が気になり、メリルは自分の体に目を下ろしてみる。


「なぁに……これ……」


 柔らかく、細長い何かがメリルの体を這っていた。

 それは粘液を分泌しながら、どんどんメリルの体に巻き付いていく。


「や……やだ……シェリィさん! 助けてぇ!」


 大きな声を出した途端、メリルの体が一気に洞窟の奥へと引きずり込まれる。


「メリルちゃん!」


 咄嗟にその手を掴もうとするも届かない。メリルの姿は暗闇の中へと消えてしまう。


「私がやるしかない……待っててね!」


 再び剣を抜き、自らを鼓舞(こぶ)し、シェリィは一人、洞窟の奥へと向かって行った。



「はぁ……はぁ……はぁ……」


 転ばぬよう足元に気を使いながらも、出来る限りの速さで洞窟を進んで行くシェリィ。

 今、メリルを助けることが出来るのは自分しかいない。その状況が彼女に強い勇気を与えた。

 先程のコウモリ型のモンスターとも何度か遭遇したが、(おく)することなく、冷静に対応することが出来た。

 相手の攻撃を見極め、確実に急所を狙う。シェリィ本人に自覚は無いが、彼女は一戦毎に大きく成長していた。

 まるで……元々あった高い戦闘能力を思い出していくかのように。



「メリルちゃん!」


 シェリィはついに洞窟の最深部に辿り着いた。

 その空間をさっと見回し状況を把握する。

 中央にいるのは大きなクラゲのようなモンスターだ。空中に浮き、無数に生えた触手でメリルを絡め取っている。


「あ、ああっ、シェリィさぁん……ふああ……」


 近くには小さな檻があり、その中には探していたルキとクイナがいた。


「やったー! シェリィだ! たすけてー!」

「シェリィ! 奥の壁に魔法のオーブが埋まってるの! あれを破壊して! そうすりゃ後はアタシらがなんとかするから!」

「分かった! やってみるね!」


 剣をクラゲモンスターへと向ける。奥の壁まで行くには、どうしても近くを通る必要があるからだ。


「じゅるる、じゅる」


 クラゲモンスターがシェリィの敵意に反応し、触手の動きを一層速める。


「ひゃあん! いやぁ……ふっ、あぁ……はぁぁ!」

「うひゃあ! エロすぎるぜー」

「言っとる場合か! (でも……すっっご!)」

「メリルちゃん……すぐ助けるからね」


 だが自分まで捕まってしまえばすべてが終わる。慎重にじりじりと奥の壁を目指し近付いていく。

 そのまま少し距離を詰めた時、クラゲモンスターは触手を一本、牽制するようにシェリィへと向けて伸ばしてきた。


「はぁ!」


 伸ばされた触手を一撃で切り落とすシェリィ。


「よっしゃー! シェリィー! がんばれー!」

「やるじゃない! この間よりずっと強くなってる!」


 だがこの反撃がクラゲモンスターを怒らせてしまう。真っ赤に変色し、先程よりも勢いを付けた触手を二本、同時に繰り出してきた。


「くっ!」


 片方は切り落とすことに成功した。しかしもう片方に足を取られシェリィは転倒してしまう。投げ出された剣が遠くまで転がる。


「ああっ! シェリィー!」

「くっっそー! この結界さえなきゃあ……」


 倒れたシェリィに止めを刺すべく、クラゲモンスターは新たに五本の触手を伸ばす、絶体絶命……

 その時だった――

 シェリィの目付きが変わり、地面に手を突っ込んだ。そこから何かを掴んで引きずり出す。

 彼女はその掴んだ何かを目にも止まらぬ速さで振るう。足に絡みついていた一本と、迫って来ていた五本の触手全てを一瞬でバラバラに切り落とした。


「うおー! シェリィすげー!」

「な、なにやったの……今……」


 シェリィは急いで立ち上がり壁のオーブまで全力で走る。

 手には既に何も持っていない。次狙われてしまえば本当に終わりだ。

 そしてオーブの元までたどり着くと、壁から外し、地面に力いっぱい叩きつける!


「クイナちゃん! ルキちゃん! 後はお願い!」

「ぃよっしゃあ! 助かったわシェリィ!」


 大きな音を立てて鉄格子が吹き飛ぶ。次の瞬間、そこからルキが風のように素早く飛び出し、クラゲモンスターに迫って行った。


「ちょっとだけ勿体ない気もするけどねー」


 飛び出したルキは短剣を何度も振るい、触手を切り刻んでいく、一瞬でメリルを救出した。


「ナイス! ルキ! 後は任せなさいな!」


 クイナが勢いをつけてクラゲモンスターへと飛ぶ。空中で拳を構え、ありったけの力を込めた!


「くぉんのセクハラモンスターがぁ!」


 勢いを付けた正拳を全力で叩きこむ。クラゲモンスターは衝撃で大きく変形し、壁に叩きつけられ、そのまま動かなくなった。


「ふぅ~……二人とも流石……」


 緊張の糸が切れ、シェリィがその場にへたり込む。そのまま意識を、失ってしまった。



 シェリィが目覚めると、そこは何処かの部屋だった。ベッドに寝ていたようだ。


「あ、シェリィさん。気が付いたんですね」


 近くにいたのはメリルだ。小声で話し掛けてきた。


「メリルちゃん、怪我はない?」

「はい、シェリィさんのおかげで無事でしたよ」


 ありがとうございます、と手を合わせて頭を下げるメリル。洞窟にいた時と同じだ。


「そう、よかった……」


 体を起こして辺りを見ると、別のベッドではルキとクイナがいびきをかいて眠っていた。


「ごめんね……私が強かったら……もっと早くに助けてあげられたんだけど……」

「えへへ、そんなことないですよ? シェリィさんはとっても強くてカッコよかったです」


 両手の指を合わせながら、メリルは嬉しそうに言った。


「……ねぇメリルちゃん、少し不思議に思ってたことがあるんだけど」

「なんですかぁ?」

「どうして、私にたいしてだけ敬語なの?」

「え、だってシェリィさんってどう見ても大人の方じゃないですか。落ち着いてるし、美人だし、カッコいいし」

「う~ん、私ね。実は自分の年齢まで忘れちゃってて……」


 そこから少し笑顔に変わって、シェリィは続けた。


「だから、今は普通にみんなの仲間でいたいの。無理にとは言わないけど、ルキちゃんやクイナちゃんと同じように扱って欲しいなって……」

「え~と、じゃあ、普通に……話すね? こうでいいかなぁ?」


 少し恥ずかしそうにしながら、メリルは聞いてきた。


「うん! あらためてよろしくね、メリルちゃん!」



 そして翌日……


「はぁ~、まさか昨日一日で一歩も進まないとは思わなかったわ」


 レイドルの町入り口付近、現在四人は再びこの町から旅立とうとしていた。

 昨日、気絶したシェリィを連れて、メリルがレイドルに転移。

 そのまま宿に担ぎ込んで、一晩経ってしまったのである。


「あははは! まぁいいじゃん! シェリィのカッコいいとこも見れたしさ」

「そうだ、あん時シェリィなにやったわけ? 一瞬だけとんでもなく強くなったような……」

「う~んそれが……体が勝手に動いてたから、自分でも分からないの」

「えへへ~、シェリィさんはぁ、わたしのために一生懸命戦ってくれたんだもんね~」


 そう言ってシェリィの腕を抱き寄せるメリル。そのまま二人で町の外へ歩いて行ってしまう。


「……ねぇクイナ、あの二人何があったの?」


 珍しく真剣な顔つきになっているルキ。


「わ……わかんないわよ……」


 困惑しながらクイナが答えた。


「ちょっとまってよシェリィ! メリルー!」


 慌てて追いかけて行くクイナとルキ。四人は今度こそ本当にランジールへと旅立っていく。





「ああっ! ハガネスライムだー!」

 もういいって。


 



 








 

 





 





 

 



 








 







 




 


















 


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