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4 五日目の朝 その2

 テレビモニターでライブで流れる、照富士部屋の前の、メディアに対する対応を、丸山グループの総帥、丸山春雄は、社長室で見た。


 お嬢様お二人を取材の場に同席させたい、という連絡を一時間ほど前に受け、丸山は承知した。

 沙紀については、心配ない。そういう場でも堂々と振る舞うだろう。

 利菜については、今の精神状態に不安はあるが、この新谷通枝という女性に任せておけば、大丈夫だ。

 

 モニターで会見の様子を視聴して、長女、沙紀が感じたと同様、丸山は、照富士親方夫人、通枝の手腕に感嘆した。 

 

 見事なリスク管理だ、と思う。

 

 さらには、正装した七人。そして、主に通枝が語る、今回の件に関連する様々なエピソード。

 

 この利菜の義母となる女性のプロデュース能力は、並外れている。

 ついでのように、この私のことまで、プロデュースしてくれた。


  この絶妙なパスに対して、どう応えるか。


 スーパーマーケットチェーン。

日常生活に密着した外食チェーン。

清潔でリーズナブルなホテルチェーン。


 これが丸山グループの事業の三本柱である。

ターゲットとする顧客は中間層。


 私は、堅実、着実をよしとする人間だ。

丸山グループが、今のような事業形態となっているのは、起業するにあたって、より多くのひとに、日常生活の中での小さな幸せを提供し続けたいと、志を立てたからだ。


 思えば、荒岩亀之助は、この丸山グループの企業イメージにぴったりのキャラクターであったと思う。


 丸山グループ総帥の娘婿、荒岩亀之助。


 この天から与えられた僥幸をどう利用するか。

丸山春雄は、様々なアイデアを考えていたのであった。


 しかし、事態は大きく変わった。

丸山グループ総帥の娘婿は、絶世の美少年力士、豊後富士照也。


 そして・・・・・・今、ネットで、超絶美少女。歴史的美少女と称されている丸山利菜。


 利菜。

 丸山は、次女のことを思った。これまで、次女を事業家としての眼で観察することは、自らに禁じてきた。


 だが、我が娘が、あのような容姿の持ち主だということこそ、

神から与えられた僥幸だったのであろう。

 私のような本質的には平凡な男に、なぜあのような、神々に愛されたとしか思えないような娘が生まれたのか。


 豊後富士照也。

 丸山利菜。

 そして、そのふたりの組合わせ。


 丸山春雄よ、お前は、これだけの素材を身近に与えられて事業家としての血が騒がないのか。

 平凡な男が、神に愛された人を目の前にして、畏れの気持ちしかいだくことができないのか。


 いや、今は覚悟を決めた。神に愛された人を身近に持つ。それがこの私の運命なら、それを受け入れるしかない。


 あのふたりのキャラクターは、今の丸山グループの企業イメージとは、全く相容れない。


 ふたりのもつキャラクター。そのブランドイメージを利用した事業を新たに始める。


 ターゲット顧客は、

・・・・・・最高のものを追い求める人々。


 この新規事業を誰に任せるか。

 ふたりとあまり年齢に差がない若さを持ち、飛び切り優秀で、事業意欲に溢れた人物は。


・・・・・・私のすぐ近くにいる。


丸山沙紀。


沙紀。

このプロジェクトのリーダーは、お前だ。



話がどんどん広がっていますね。

さて、どう展開させるか、か。

・・・・・・


相撲小説だったのに、いつしか恋愛小説になり、次は企業小説か。

キャラクターを造形し、それぞれの性格、行動原理、価値観を定め、このキャラクターとこのキャラクターがぶつかったら、どういうことがおこるか、このシリーズの近作では、そのように書き進めていってみたら、こんなことになってしまいました。

もう収拾つきませんね


あとキャラクターが・・・

特別な才能を持った人物。優秀な人物。性格もいい。そういう人物を書き続けるのは精神的にきついです。


美少年、美少女を書くのもつらいです。


上記のようなキャラクターは、テンションをあげないと書けないので、ひどく疲れます。すぐにそこから逃げたくなります。


もうやめよう、と思っているのに、ついつい、そういう種類の人物を書いてしまいます。


この小説、元々の大雑把な構想はありました。

金の玉征士郎は、伝説の力士として神聖視される。

羽黒蛇六郎兵衛は、その相撲を完成させ理想の力士となる。

近江富士明は、公約通りに横綱になる。

近江富士対豊後富士。三兄弟の優勝決定戦も、三兄弟同時横綱も実現。

近江富士は栄光に彩られ、かっこよく相撲界を去る。


時間をかけ、ハイテンションを保ったまま、そんな、いかにもいかにもの予定調和の話を書くのは、たまらんなあ、気が重い。

それで、金の玉も、羽黒蛇も、近江富士も、そのキャラクターから、「理想」につながる要素を取り上げてしまいました。


(注、この小説投稿サイトでは、シリーズ3 四神会する場所 第二部までは、元々の構想通りに、上記三力士を理想の力士としたまま、あらためて書き継ごうとの意図で投稿しておりました。

ですので、途中、金の玉征士郎は、その生命を終えたということを示唆するような書き方をしております。

が、結局

上記の力士から、その理想に繋がる要素をなくした、この小説のオリジナルのかたちに戻しました。

オリジナルのほうは、この投稿サイトで言えば、シリーズ4 に当たるところまで、及び6に当たるところを友人が運営しているサイトに収載いただいています。そのサイトは、「羽黒蛇」で検索したら、出てくると思います。

主に、シリーズ1に当たる小説のラストの部分と、シリーズ2に当たる小説の冒頭の部分が若干異なります。

征士郎は、再起不能になったが、生命を終えた訳ではない、ということは、直ぐに分かる書き方をしております。


作者の性格、行動原理、元々の価値観を考察すると、この小説、このまま書き進めていったら、次は、豊後富士照也と丸山利菜ちゃんから、「理想」につながる要素を取り上げてしまうことでしょう。 

(   具体的には、例えば

 照也から毛髪を30%程度取り上げる。


「照也、照ってるやん」


 照也に愛された利菜ちゃん、安心してしまったということで、20キロ程度増量させていただく。


 頭髪が乏しくなった照也から、「セキトリーナ」と呼ばれるようになり、それに対して利菜は、「照照くん」と・・・


 照也は、

「結婚詐欺だよなあ・・・まあ、俺も同じか」

と思いつつ、増量とともに性格も逞しくなった利菜と仲良く夫婦をしている。


 荒岩は、いささかふくよかすぎるとはいえ、「綺麗なお姉さん」ではある利菜と、旦那さん公認で、年に二、三度はふたりで会って、思い出話や、現状報告をしながら、お茶を飲む。


 沙紀がリーダーとなったプロジェクトは、当然、途中で頓挫すると。


 照也と利菜をイメージキャラクターとした、新規プロジェクトのコンセプト、当初は


「最高を求めるひとへ」


だったのが、


「美しき思い出とともに・・・今を生きる」


に変更。


こんなところでしょう         )


作中のキャラクターに対して、神に愛された人、といった類いの、大袈裟な形容詞を使い出したときは、私の中にそういう気持ちがウズウズと・・・沸き上がってきてしまっているのです。


そういうわけで、ひとまず完結とさせていただきます。


理想なき穏やかな日常が、落ち着きます。


数日前から、SNH48に、はまっています。

秋の夜長。

これから、今夜も動画見よっと。



SNH48 の動画は、今もほぼ毎日幅広く見ています。


リー・イートン(カチューシャ)、ファン・ティンティン(テテちゃん)の2トップをはじめ、チャオ・ユエ(ユーミ、AKIRA )、ツァン・ユーゲー(タコちゃん)、ファン・シントゥオ(ななし)は、見て分かるようになりました。


ルー・ティン(リサ)もだいたい分かるかな。


あとは、モー・ハン(MOMO)、シュー・シャーチー(キキ)、ダイモンも、はっきりと分かるようになりたい、と思っています。

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