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【ギャグ満載の本格推理】瀬川歩の事件簿  作者: 瀬川歩
【解決編】鳥籠の姫君
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超ショートコメディ 「バスケの試合か……、星でもコートに落とすか」

~登場人物紹介~

瀬川(せがわ) (あゆむ):高校一年生。将棋が好き

桜井(さくらい) (かつら):高校一年生。キザなイケメン。歩と同じクラス

土橋(どばし) 香助(こうすけ):高校一年生。元不良。喧嘩っ早い

葉月(はづき) 珠姫(たまき):高校二年生。歩の幼馴染。容姿端麗な生徒会長

飛鳥(あすか) 翔子(しょうこ):高校一年生。名探偵。歩と同じクラス




珠姫「来週の球技大会、歩と桂と香助は何に出るのかしら。球技大会は全員参加。生徒はバスケットボール、サッカー、ソフトボールからそれぞれどれに出るか選ばないといけない。あの子達はどれに参加するのかしら。あ、翔子じゃない。ちょうどいいわ」


翔子「何だ」


珠姫「来週の球技大会だけど、歩達が何の種目に出るか教えてよ」


翔子「あいつらはバスケットボールに出る」


珠姫「えっ、バスケ!? あの子達がバスケの話してるの聞いたことないけど……。誰の発案?」


翔子「桂だ。桂は汚れるのが嫌だから、グラウンドでの種目には出たくないそうだ。必然的にバスケになった。歩も同じだ」


珠姫「いかにもあの子達らしい……」


翔子「桂に至っては汗をかくのも嫌と言っていた」


珠姫「あいつは……。球技大会なんだからそれは無理でしょ」


翔子「お前は甘いな。あいつはそれを可能にした」


珠姫「えっ、どういうこと?」


翔子「あいつのポジションは……監督だ」


珠姫「監督!?!? その手があったか! ってありなの?」


翔子「うちのクラスからは6人がバスケに参加する。試合は5人で出れるため、ありということになった」


珠姫「いや、その試合に出ない1人は交代要員用でしょうが……。交代枠を監督に使い切ってるじゃない!? あの子達は今日何してるの?」


翔子「今日から1週間、体育館でバスケの練習をするそうだ。1週間部活を休むと私に伝えてくれだとさ」


珠姫「熱心ね……。しかし、桂が監督……嫌な予感しかしないわね……」


〜体育館にて〜


桂「監督の桜井だ。皆、よろしくな。バスケの監督経験はゼロだ。ただ、君たちが知っている通り、俺は将棋探究部に所属し、日々将棋の駒を使ってオセロをしたり、バドミントンをしている。その経験が今回も役に立つと信じている」


香助「立たねえよ……。せめて将棋で戦略を学んでいるならまだしも……」


歩「桂は将棋をしていないし、知的要素ゼロだね」


桂「ところで歩。俺はバスケを知らない。まずは監督として何をすればいい?」


歩「よくそれで監督志望したね。うちのクラスだけだよ、監督があるの……」


香助「他のクラスからは選手の無駄遣いと言われてるぜ……」


桂「まぁ、その分俺は頭で貢献するぜ。歩、チームメンバーの情報をまずは教えてくれ」


歩「桂はクラスメイトに全然興味がないね。僕と香助以外に3人。生物部の田中君、天文部の鈴木君、歴史研究部の木村君だよ」


桂「何という文化系チーム……。これは相当奇策でいかないと勝てんな……」


歩「そうだね。まずはみんなのポジションを決めようよ。調べたところ、ポイントガード、シューティングガード、スモールフォワード、パワーフォワード、センターの5つがバスケであるみたい」


桂「ふむ……よくわからんな。学校の球技大会だ。ポジション名と役割は適当でいいだろ。まずはそれぞれ俺が割り振る」


歩「大丈夫かな……」


桂「まずは田中君、君のポジションは……」


田中君「ドキドキ…‥」


桂「竜騎士だ」


田中君「えっ、竜騎士!」


桂「ああ、時々大ジャンプをして彗星のようなダンクをか噛ましてくれ。生物部らしく、ドラゴンでも飼っていれば持ってきてくれ」


田中君「ドラゴンはないよ……。イグアナでもいいかな?」


桂「ギリギリセーフだ。かろうじてドラゴンだ」


歩「えっ、桂の中ではイグアナもドラゴンの一種なの!? 審査甘いな……」


桂「むしろイグアナがいい。想像してみろ。試合中にコートをイグアナが闊歩するんだぜ。 敵はイグアナを踏まないようにだいぶ気を使って動くだろう」


歩「そんな球技大会やだな……」


桂「田中君、君は当日までにイグアナを完全に操れるよう練習してくれ。可能なら、3ポイントショートを覚えさせて欲しい。そうすれば君のイグアナは6人目の選手として試合で活躍できるだろう」


歩「イグアナに求めるレベル高いな……」


鈴木君「僕のポジションは……?」


桂「君は天文部だったな。せっかくだから部活を活かそう。君のポジションは……占星術師だ!」


歩「それは何をするポジションなの?」


桂「試合が始まったら、机と水晶玉を持ってきてコートの一角でひたすら怪しげな呪文を唱えるんだ。可能なら星の力を使い敵を攻撃してくれ」


香助「絶対不可能だろ……」


鈴木君「できるかな……。天文部らしく、空を暗闇にするぐらいならできるけど……」


歩「えっ、今どきの天文部はそんなことできるの!? すごいな!」


桂「まぁ空を暗闇でいいか。バスケは体育館内で行われるが、突然夜になれば相手の気も逸れるだろ」


香助「それはもう天変地異だろ。バスケしてる場合じゃないぜ」


木村君「あの……僕は……?」


桂「君は歴史研究会か……。そうだな、君は当日甲冑を着て日本刀を持って試合に参加してくれ。当日は自陣のゴールの下に居合の構えで待機して欲しい。そうすれば敵は『これは……コート下に行ったら鎧武者に着られる!?』と怯え、積極的な攻めは出れないだろう」


歩「本当に自陣のゴールしたに敵が来たらどうするの……?」


桂「その時はーー斬れ!」


香助「いや斬るなよ……バスケだぜ……」


歩「それに球技大会の服装は体操着だよ。甲冑着るのは無理じゃない?」


桂「木村君、悪いが当日は体操着は忘れたと先生に言ってくれ。その後自然に「これでもいいですか?」とロッカーから甲冑を出せば先生も『まぁ、それしかないからいいか』となるだろ」


香助「ならねえよ……。甲冑持ってくるのにそいつはどうして体操着を忘れたんだよ……」


歩「僕と香助は?」


桂「お前らは普通にプレイしろ。俺は他の3人を使ってサポートしてやるぜ」


歩「わかった」


桂「それでは今日から球技大会までの1週間、とにかく練習だ。田中君はイグアナを自由自在に操る練習、鈴木君は当日使う呪文を準備してくれ。木村君は居合の構えの練習だ」


香助「大丈夫かよこいつら……」


(後編に続く)


=====

すみません、またもや唐突にショートコメディを入れてしまいました。

しかもまさかの後編に続きます。

明日も22時に更新しますので、よろしくお願いします。

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