【34】緋色の一撃、白の覚醒
「リリカさんたちは武装を回収して! 敵機は私が引き付けるわ!」
野菜畑の上空で合流したスターライガの面々はそのまますれ違い、レガリアの駆るスパイラル1号機が敵編隊へと立ち向かう。
スパイラル1号機と敵編隊先頭のユーケディウムがヘッドオンで相対するものの、ターゲティングが困難だったためかこの段階ではどちらも攻撃は行わない。
数的不利を抱えるレガリアは確実に敵機を減らすため、リーダー機ではなく2番機へ狙いを定めていた。
バックパックの左ホルダーからビームサーベルを取り出すと、敵機との相対速度を大まかに計算し攻撃タイミングを図る。
強烈な加速Gに耐えながら頭の中でカウントダウンを行い、それと同時に機体の推力と姿勢を微調整していく。
「(3、2、1……ここで減速!)」
脚部スラスターを前方へコンマ数秒だけ噴射することで最終的な攻撃態勢を整え、右腕に持ったビームサーベルで敵機へ斬りかかった。
だが、斬撃に素早く反応した敵機はビームブレードで攻撃を受け止めてみせ、ビームサーベルとの鍔迫り合いによって眩い閃光が発生する。
ドライバーはヘルメットのバイザーに遮光機能があるため眼を痛めることは無いが、それでも間近で閃光を直視すると視界は悪くなってしまう。
このまま攻めるか退くか―行動の選択肢は二択だが、レガリアは一旦退いて別の敵機を狙う。
特定の敵を倒すことにこだわり、周囲が見えなくなると死角から突然撃たれるかもしれないからだ。
上手いドライバーほど「倒せる敵から倒す」を徹底しており、そうして着実に脅威を減らすことが生存率向上に繋がる。
生き残ることで得た経験は次の戦闘へ活かすことができ、場数を踏んでいくことで強さを増していくのだ。
豊富な経験はライガやレガリアといったベテランドライバーの大きな強みであり、エレナやドラオガのように才能を持ちながら荒削りな若手に対するアドバンテージにもなっている。
無論、能力はあっても経験値が無いバイオロイドに対しては「人間ならでは」の戦い方で対抗できるのである。
敵機との鍔迫り合いを止めたレガリアの視界にビームブレードを構えた別のユーケディウムが飛び込んでくる。
彼女は冷静にターゲティングを切り替え、迂闊にも仕掛けてきた敵機の斬撃をシールドで受け止めた。
「(仲間を助けるために仕掛けてきたのね……その心意気は称賛に値するけど、ここは私の距離よ!)」
格闘戦を得意とするレガリアからすれば敵機が勝手に自らの間合いへ近付いてくれたのは大変ありがたい。
そして、そのチャンスを逃さずスパイラル1号機はビームサーベルを敵機のコックピットへ突き立てる。
乗り手が蒸発し制御不能になったユーケディウムは大地へ向けて急降下し、落下地点に大穴を穿った。
その光景を痛ましく思いながらもレガリアは残っている敵機へ意識を集中させ、先程と同じくビームサーベルで迎え撃つ。
鍔迫り合いを繰り広げながらの空中戦―卓越した技量を誇るレガリアの機動は一種の芸術となっている。
彼女は敵機をオータムリンク邸の方向へ誘導するように戦っており、リリカたちと合流し3対2の有利な状況へ持ち込む算段であった。
その頃、納屋の前に隠されていた武装を回収したリリカたちはバイオロイドのリーダー機と対峙していた。
「背後は民家か……迂闊に動けないとはな」
「リリカさん、ここは動いて相手を牽制するべきだと思います!」
一応ライガからは座学で「周囲への被害は避けろ」と教えられているが、納屋のために命を投げ捨てる必要も無いだろう。
「来るぞ、避けろっ!」
リリカが叫ぶとほぼ同時にユーケディウムの放ったレーザーは彼女らの後ろにあった納屋を融解させる。
あと1秒回避運動が遅れていたら自分たちがああなっていたかもしれない。
回避運動を止めたスパイラル2号機はレーザーライフルを構え、照準をユーケディウムの上半身に定める。
一方、スパイラル3号機はビームサーベルの出力を最大まで上げ、ホバー推進ではなく駆け足で敵機へ攻撃を仕掛けた。
「リリー! 待て、早まるなっ!」
「いっけぇぇぇぇっ!」
制止が耳に入らないリリーは全力を込めた斬撃を放つが、彼女の初歩的な攻撃はいとも簡単に回避されてしまった。
それどころか、後先を考えていなかったせいで逆にカウンターを受ける危機を招いてしまうのである。
リリーの危機を察したリリカは照準していたレーザーライフルを発射し、敵機の攻撃態勢を無理矢理崩しに行く。
攻撃のチャンスを潰された敵機は一旦後退し、リリカたちと距離を置くのだった。
彼女の反応速度がもう少し遅かったら間に合わなかったかもしれない。
「なぜ無茶な行動をした!? 私が牽制しなかったら最悪の事態を招いたかもしれないんだぞ!!」
リリカの声音にはハッキリと怒りが滲み出ていたが、それと同時に心配そうな表情でリリーを見つめていた。
「……ごめんなさい」
自身の攻撃行動があまりに無謀であったのを理解したリリーはただ謝ることしかできない。
今にも泣きそうな様子の彼女を見たリリカはそれ以上の言及を避け、目の前の敵へ集中させることにする。
「何十秒も前の事を議論しても仕方ない、今はアイツをどうにかしよう」
「……はいっ!」
ビームブレードを構えたユーケディウムと相対し、リリカとリリーの操縦桿を握る手に自然と力がこもるのだった。
リリカたちの動向をレーダーで随時確認しつつ、レガリアは敵機とドッグファイトを続けていた。
前線へ出ていない間に性能向上を果たしたのか、以前戦った時よりも少しだけ手強くなったように感じる。
だが、楽しいドッグファイトの時間はもうおしまいだ。
事前のシミュレータの結果を考慮すると、リリカたちがこれ以上敵機を押さえるのは難しいだろう。
彼女らが限界を迎える前にレガリアが合流しなければならない。
シザーズ機動で有利なポジションを狙おうとする敵機が一瞬動きを緩めたのを見逃さず、スパイラル1号機は固定式機関砲を進行方向へ発射した。
小口径とはいえ装甲の薄い部分に直撃すればダメージは免れず、バックパックを被弾したユーケディウムは黒煙を噴き出しながらも飛行を続けている。
ユーケディウムの耐久性がどれほどかは分からないが、普通のMFならまだ戦闘を続行できるはずだ。
確実にトドメを刺すため、レガリアはレーザーライフルへ武装を持ち替え敵機の脆い部分を狙う。
敵機は逃げに徹しているので落ち着いて照準を行うことができる。
「(そう、良い子ね……自棄になってカミカゼをしないでよ……!)」
メインスラスターにまでダメージが及んでいるのか、敵機の飛行速度は目に見えて低下している。
コックピットへしっかりと狙いを定め、レガリアはレーザーライフルのトリガーを引いた。
不安定な姿勢からの発射ではあったが蒼いレーザーはユーケディウムを見事貫通し、真っ赤な火の玉へと変える。
「(残るは1機か……どうやら、今回は全て私で仕留める必要がありそうね)」
敵機の撃墜確認を行いつつ、レガリアはスロットルペダルを踏み込み機体をリリカたちの所へ向かわせるのだった。
レガリアの予想通り、リリカとリリーはたった1機のユーケディウム相手に苦戦を強いられていた。
攻撃を回避し続けることで大きなダメージは受けていないが、集中力が足りないリリーは明らかに反応速度が遅れ始めている。
「リリー、もっと集中しろ!」
「やってますよ!」
よりによって敵機はリリーばかりを狙って攻撃しており、リリカの牽制射撃も効果てきめんとは言い難い。
しかもリリーが乗る3号機は先日ブランデルが使ったばかりで最低限のメンテナンスしか行っていないのだ。
完調状態の4号機と8号機を小規模改修にまわしていたのが完全に裏目に出てしまっていた。
「(なぜアイツはリリーを狙うんだ? 彼女が何か重要な秘密でも握っているのか?)」
そう考えながら牽制射撃を続けていると、突然レーザーライフルが発射できなくなる……エネルギー切れである。
「(しまった……! これが使えないと丸裸じゃないか!)」
普段装備しているビームソードは持っておらず、固定式機関砲も弾薬が装填されていないためスパイラル2号機は完全に攻撃手段を失ってしまった。
ベテランドライバーなら徒手空拳で戦えないことも無いが、リリカがやっても返り討ちに遭うのがオチだろう。
だが、ここで動かなければリリーが危ない。
意を決したリリカはスロットルペダルを踏み込み、敵機へと吶喊を行う。
「うおぉぉぉぉぉぉっ!!」
速度と質量を乗せたスパイラル2号機の右ストレートがユーケディウムに襲い掛かり、そのままの勢いで上から押さえ付けながら地面を滑っていく。
しかし、攻撃を受けたバイオロイドはあくまでも冷静に操縦桿を押してスパイラル2号機を投げ飛ばした。
宙を舞ったスパイラル2号機はバックパックから地面に叩き付けられ、ヘルメットとHANSを装着していないリリカは衝撃で一時的に意識を失ってしまう。
次に彼女が意識を取り戻した時、目と鼻の先にはビームブレードが迫っていた。
相手を投げ飛ばした後の短時間でユーケディウムは姿勢を立て直し、ビームブレードをリリカに突き立てようとしていたのだ。
機体は突き立てられた部分とその周囲以外は残るだろうが、残念ながらリリカは完全に溶けて消えてしまう。
彼女は死を覚悟した。
「(無茶をするなと言った私がこのざまか……まさか、レイナより先に死ぬとは……!)」
生まれつき難病を抱え、先は長くないと医師に言われ続けた妹レイナードよりも早死にしてしまうことを心の中で悔やんでいた。
「ルナール姉さん……メルリン姉さん……レイナ……ごめん」
死を受け入れたリリカはそっと瞼を閉じるのだった。
―大丈夫、運命は姉さんの味方だよ。
聞き覚えのある優しい声が耳元で囁き、途切れかけた意識が覚醒する。
目の前まで迫っていたビームブレードは光を失い、柄の部分だけが地面に落ちていた。
よく見るとユーケディウムのコックピットをビームサーベルの蒼い光が貫いている。
ビームサーベルが引き抜かれると、主を失ったユーケディウムはスパイラル2号機の上に倒れ込み動かなくなった。
「……うっ!?」
偶然とはいえ無残な姿となったバイオロイドを見てしまい、リリカは思わず視線を逸らす。
その直後、スパイラル3号機がユーケディウムの残骸を乱暴に蹴り飛ばしたことで彼女はようやく機体から降りることができたのだった。
「はぁ……はぁ……すまない、リリー。何と礼を言ったらいいか……リリー?」
肩を喘がせながらもリリカは精一杯の感謝の言葉を伝えるが、リリーからの反応は全く無い。
この角度では彼女の表情を確認することができない。
「……リリーッ!」
残り少ない体力を振り絞ってリリカが名前を叫ぶと、リリーはようやく声に反応してくれた。
「……リリカさん? あの状況から抜け出せたんですか?!」
「何を言っているんだ、君は? 君とレガリア以外に私を援護する人はいないだろう」
どうやら、リリー自身も何が起こったのか分かっていないらしい。
「……ごめんなさい、敵がリリカさんにトドメを刺そうとした瞬間、私の中に突然電撃が奔ったんです。今まで一度も感じたことの無い『閃き』のようなものが……なんか、少しの間意識が飛んだみたいで」
彼女の話を整理すると、リリカのピンチを見た瞬間反射的にユーケディウムの背後へ襲い掛かり、ビームサーベルで貫いたのだろう。
だが、現状の彼女の技量でそんな離れ業ができるのだろうか?
「リリカさん! リリー! 大丈夫!?」
「うん……私もリリカさんも無事だよ」
ようやく合流したレガリアはいの一番に二人の無事を確認すると、安堵してため息をついた。
「はぁ……もし貴女たちの身に何かあったら、ライガからの信頼を永久に失うから……本当によかった!」
「礼ならリリーに頼む。もしかしたら彼女は『天才』かもしれないよ」
スパイラル1号機のマニピュレータに座り込んだリリカは得意気にそう語る。
レガリアはユーケディウムの残骸を見つけ、思わず目を見張った。
バックパック内部のE-OSドライヴをギリギリで避け、コックピットだけを正確に狙っていたからだ。
別にリリーを馬鹿にしているワケではないが、ド素人の彼女にエースでも難しい戦い方ができるとは思えない。
スターライガで同じ芸当を確実にこなせるのはライガ、レガリア、サニーズの3人だけだろう。
ブランデルなど元軍人たちならせいぜい70%程度と言ったところか。
「……とにかく、詳細は帰る途中で聞きましょう。輸送チームに戦闘の痕跡を処理させたら私の屋敷に戻るわよ」
武装と同じくオータムリンク邸の近くに置いていたトラックへ機体を戻そうとした時、正面ゲートの方から先程出ていったはずの車が入ってきた。
「ねえ、あれってシズハたちの車じゃない?」
「……まさか、私たちの思っていた以上に逃げなかったわけ?」
機体から飛び降りたレガリアは真っ先に車へと駆け寄るのだった。
「どうやら、終わったみたいだな」
「終わったのはいいけど、御両親はどこに降ろしてきたの?」
オータムリンク姉妹の乗っている車に彼女らの両親の姿は無かった。
「山を少し下ったところに町があるだろ? そこの親戚の家で降ろしてから私たちは引き返してきた」
「ちゃんとレガたちの戦いを見届けなくちゃいけないと思ったからね」
とにかく、依頼主とその親族が無事だったのを確認できレガリアは一安心した。
「貴女たちの家は無傷だけど、納屋は残念だったわ」
そう言いながら彼女は見るも無残な姿になった納屋を指差す。
車から降りたオータムリンク姉妹は特に気にしているようではなかった。
「……まあ、納屋なんて後から建て直せばいいから心配しないで。それよりも今日は色々とありがとね」
「報酬金の残りは後日お前の屋敷まで持って行くよ」
今回の仕事も報酬金1800万クリエンの3割―600万クリエンを前金として既に受け取っており、仮にスターライガの仕事ぶりに不満を抱かれた場合は前金を返す予定であった。
前金は受け付けていないとどこかで言った気もするが、旧知の仲ということもあり特別に認めていたのだ。
「あら? 別に私のスイス銀行の口座へ振り込んでくれても良いのだけれど」
「いや、お前に直接相談したいこともあるし……そもそも私はスイス銀行の使い方が分からん」
オリエント連邦の大手銀行は上流階級向けの高品質なプライベート・バンキングを提供しており、国外の銀行を利用する必要性が薄いためシズハが詳しく知らないのも無理はない。
「そう……じゃあ、後片付けを終えたら私たちは撤収するわ。別の日にまた会いましょう」
オータムリンク姉妹と固い握手を交わすと、レガリアはリリカたちの所へ戻り撤収作業の指示を始めるのだった。
数日後、シズハとミノリカは報酬金の残り1200万クリエンを詰めたアタッシュケースを持ってシャルラハロート邸へやって来た。
「ほら、これが報酬金の残りだよ。昨日2回確認したから金額に間違いは無いはずよ」
「……確かに受け取ったわ。ところでシズハ、私に直接相談したいことって何かしら?」
念のために金額の再確認を行いつつレガリアは尋ねる。
「私たちもお前の……スターライガの戦いに協力したい!」
シズハがそう言うと、紙幣を数えていたレガリアの指の動きが止まった。
「いいわよ」
「「……へ?」」
予想外の返答を聞いたオータムリンク姉妹はきょとんとした表情で互いに見つめ合う。
「ちょうど2人ほど求人をしようと思っていたのだけれど、その手間が省けたわね。貴女たちにはリリカさんやリリーのようなMFドライバーになってもらうわ」
「ちょっと待ってよ! 車しか運転できないのにMFなんか乗れっこないわ!」
まさか最前線に駆り出されるとは思っていなかったミノリカは声を荒げる。
それを聞いたレガリアはミノリカをキッと睨み付けた。
「……やってもいないのに弱音を吐くの? その程度の覚悟なら今すぐ帰りなさい。戦場に『甘ったれ』は必要無い」
親友のことを気遣うあまり、レガリアの言葉はついつい厳しいものとなってしまう。
「……おい、口の利き方に気を付けろ」
やり取りに不快感を抱いたシズハはついにソファから腰を上げ、レガリアの胸倉を掴み上げ無理矢理立たせる。
「ちょっと……二人ともやめなよ……!」
「ミノリカ、こいつはお前を侮辱したんだぞ! 私の目の前でな!」
ケンカ腰の姉を制止しようとしたミノリカは一蹴されてしまった。
「妹を馬鹿にする奴は例えお前だろうと許さん……歯ぁ食いしばれっ!!」
次の瞬間、シズハは強烈な頭突きをレガリアの眉間目掛けて炸裂させる。
「っぐ……! ふふっ……!」
相当な衝撃があったはずだが、身体をしっかり鍛えているレガリアは不敵な笑みを浮かべていた。
「怒りを力に変えたわね……貴女、ドライバーとして大成できる才能を持っているわ」
「……私をダシに使ったってワケか。相変わらず妙にイヤなところがあるよな、お前って奴は……」
シズハは頭を掻きながら呆れたように呟く。
「ごめんね、ミノリカ。私の演技に付き合わせてしまって……いたたっ」
「体を張った迫真の演技、完璧だったよ! よしよししてあげるね!」
真っ赤に腫れたレガリアの額をナデナデしながら、ミノリカは満面の笑みを浮かべていた。
実は才能を秘めていそうなシズハをスターライガに迎えるという構想は比較的初期から存在していた。
ただ、筋が通らないことを嫌う彼女が簡単に首を縦に振るとは考えにくかったのだ。
そこで、少々申し訳ないがレガリアとミノリカは共謀してシズハをスターライガに押し込む作戦を密かに立てていたのである。
まさか、フルパワーの頭突きをぶちかまされるとは思っていなかったが……。
「……要するに、私はお前たちの手の平で踊らされていたのか。普通に説得すりゃ良かったろ?」
氷袋を横たわるレガリアの額に当てながらシズハはそう愚痴る。
彼女が誰かを膝枕してあげる光景は極めて珍しい。
「私も今更ながらそう思うわ……慰謝料を請求してやろうかしら」
「それは勘弁してくれ……! 何でもするから!」
ぶっちゃけ慰謝料ぐらいなら普通に払える気もするが、問題は「請求される」という事実だろう。
「ん? 今何でもするって言ったわね? じゃあ、次の日曜日にデートに連れて行ってくれる?」
「デートぉ? 別にいいけど、私たちってそういう仲だったか?」
まるでケンカし終わった後の恋人のような微笑ましい光景を見て、ミノリカは笑いを堪えることができなかった。
無論、姉から睨まれたのは言うまでもない。
数日後、家の事を両親に任せたシズハとミノリカは正式にスターライガの仲間入りを果たした。
彼女らの加入によりようやくMF隊のフル稼働が現実味を帯びてきたのだ。
HANS
「Head and Neck Support」の略称で、元々はモータースポーツのドライバーが着用する救命デバイスの一つ。
頭部が前方に動くのを抑制し、強い衝撃を受けた際に首が損傷するのを防いでいる。
オリエント国防空軍では創設当初から軍用に改造したモデルが使用されており、MFドライバーの負傷防止に少なからず貢献している。
構造上ヘルメットの着用が必須であり、身体もシートベルトで固定しなければ効力を発揮しない。
スイス銀行
「スイス銀行」という名称の銀行は存在しない。
劇中レガリアが指しているのは「スイスに本店を構える銀行」である。




