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私の妹シリーズ

私は転生悪役令嬢のようですが、本当の敵はヒロインではありません。

作者: 真白

お久しぶりの投稿です。


こんにちは、キャシリア・ラルフォードです。


久しぶり?


そんな俗世的な事を言うんじゃありません!

めっ!


「おかあさま!ただいまです!」


「おかえりなさい。レティ。王都は楽しかったかしら?」


「はい。とても!」


お母様とレティの感動の再会です。

お母様はお美しいし、レティは天使だし、私もう見ているだけて幸せです!

はい幸せです!


大事な事なので2回言いました!

ネタが2回目?

何度だって使いますけど何か!?


と、いう訳で、ようやく私達はラルフォード領に戻ってきました。

王子の婚約者なのに大丈夫かって?

それは、領に戻るにあたって約束事を結びましたので大丈夫です。


第2王子であるマルセル様は兄であり将来、王になるデント様の側近として公爵の位を受け、兄王様を支える事が決まっています。

それは変わることが無く、マルセル様が前世の記憶を取り戻す以前、ワガママを通していた頃も、それは決まっていました。


そして第1王子のデント様は国王様から受け継いだ青色の瞳と、王妃様譲りの黒髪、そしてその容姿も王妃様に似ていらっしゃる穏やかな表情をした方です。


ゲームの中のマルセル様は、この兄様に嫉妬をしてひねくれている所をヒロインに癒されたのです。


え?今?

むしろお兄様大好きみたいですよ?

ものすごい自慢されましたし。


私は会う機会が作れなかったからですが、せっかく来てくれているのに会えなくてごめんなさい。弟に付き合ってくれてありがとうってお菓子が届きました。

それほど本当にお優しい方です。


そして、ここからですが、マルセル様は自動的に承る位を拒否されました。


あ、お兄様を支えるのが無理とかじゃないですよ!

むしろ反対です。


ただの、第2王子の自分に渡された位ではお兄様を立派に支えていく事は出来ない。

だから、これから10年間、魔法学校を卒業するまでの自分の働きを見て、爵位を与えてほしいと国王様に訴えました。

最初は決まりを変えることは出来ないと拒否されていた国王様ですが、マルセル様の熱意に押されて最後には頷かれました。


「キャシーごめんな。けど、ただ爵位があるだけじゃ君を幸せに出来ないから……見守っていてほしい。」


謝られた私はときめきましたとも……

ううー思い出しても恥ずかしい。

頷いた時の嬉しそうにはにかむ顔も……


それで、私はそんなマルセル様を支えるためにも王都に移り住み、支えるための勉強をする事になったんです。


だから、この帰郷は移り住む前に1度家族との時間を楽しんでおいでというマルセル様からの配慮なんです。


「キャシーもおかえりなさい。マルセル様はどんな方でしたか?」


「はい。とてもお優しい方でしたわ。」


「それは良かったですわ……」


お母様は安心したように頬笑む。

うん、ワガママっぷりは有名だったもんね。


優しく微笑んだお母様は、そのままお父様に視線を移す。


「旦那様も。ご公務お疲れ様でございました。」


「いや。長く屋敷を空けてすまなかった。」


仲睦まじく話す2人に私は嬉しくなる。

前世の記憶を取り戻す前の私の記憶では、顔を合わせても会話が無かったくらい険悪だったから。


「あ。おかあさま。お外に馬車が止まっていたのですが、おきゃくさまですか?」


レティがお母様の手を握ったまま問いかける。

それに、ああと手を合わせるお母様。


「旦那様。実は今ステラさんがいらっしゃってるんですわ。」


「ステラ……トゥーリ公爵の夫人か。」


トゥーリ。

それはラルフォードに隣接した漁港を持つ領です。

現領主は、カイリ・トゥーリ様。

お父様より10才程年が上なのだけど、とても気さくな方で領民からの人気も高い。

そのカイリ様の奥さまがステラ様。

実はお母様の魔法学校時代のお友達で、今でも親しい間柄です。


ゲームの設定ではお父様は領民の事を省みないためにカイリ様からお叱りがあったりして、あまり仲良くは無かったんだけど、現在はお互いに情報交換したり、お互いの特産であるラルフォード領の青果と、トゥーリ領の魚介を流通させたりしてます。

いわゆる良好な関係です。


「それなら早く戻った方がいい。キャシー。レティ。着替えたら、ご挨拶しなさい。」


「はい。」


「はい。おとうさま。」


お父様の言いつけに従い着替えてからお母様達のいる庭に出ると、黒髪きれいに纏めた女性とお母様が楽しそうにお話ししている。

この人がお母様のご学友のステラ様。


「お久しぶりです、ステラ様。」


「おひさしぶりです。」


「あら。お久しぶりですわ、キャシーにレティ。ふふ。ローゼに聞きましたわ。。婚約おめでとうございます。」


「ありがとうございますわ。ステラ様。」


話題はやっぱり私の婚約の話だったみたいで、挨拶して早々にお祝いを言われる。

ちょっと照れ臭い……


「お母様。僕達もご挨拶しても?」


「ええ。お2人供。今日は私も息子達を連れてきていますの。仲良くしてくださいな。」


ステラ様に了解を取った男の子が私達の前に出る。

実はトゥーリ家の子息には会ったことが無かったんだけど、カイリ様もステラ様も黒髪だから、お2人も綺麗な黒髪だ。


「はじめまして。僕は長男のエンリ・トゥーリです。」


「お初にお目にかかります。キャシリア・ラルフォードですわ。こちらは妹のレティシア・ラルフォード。」


「…」


「あ、ほら、シンク。すみません、こっちはシンク・トゥーリ。弟です。」


兄のエンリ様はにこやかに挨拶してくれましたが、弟はむすっとして挨拶をしないので、慌ててエンリ様が紹介してくれる。


うん、無愛想。

うちの可愛いレティとは正反対ね。


ん?あれ?

レティの反応が無い……?


え?

白い頬っぺた染めてどうしたの?


あれ?

シンク様もレティを見つめてる?


……え?

まさか……まさか……


「……シンク。よろしく。」


「レ、レティシアです。よろしくお願いします。」


表情には現さないまま狼狽える私をよそに挨拶を交わす2人。


「……陣、興味ある?」


「は、はいっ。とても。」


「…ん。」


そのままシンク様はブレスレットを外すとレティに渡す。

うわ、複雑な陣……これって光と闇以外の全属性?


「え?シンクが……シンクが自分の陣を……?」


「あら……これは…」


え?私話が付いていけません!


お母様とステラ様が嬉しそうに話し出すし、話の内容に夢だったの、とか運命の相手とか聞こえるのがすごい気になるんですけど!

エンリ様がお父様に報告しなければとか言ってるのも聞こえるんだけど!


てき…………


敵!!

シンク・トゥーリ

私の敵!!


悪役令嬢の敵はヒロインだ?

そんなの知ったこっちゃないわ!

私の……私の敵はこいつよ!!!!!





後日、レティシアとシンク・トゥーリの婚約が決まりました。


レティはとても幸せそうに笑っています。


許せる自信がありません!

けど、幸せそうなレティは可愛い……


複雑な気持ちです!!

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