魔地と書いてまじ
「でこの桜木どうするよ?」
青田坊君と桜の木を見た
もう桜に近づいても気分は悪くならなかった
「何で一日でこんなに大きくなったんだろ?」
「回復系のまじの力を吸い込んで
マジの主の生気まで吸い込んだんだからこうなるだろ」
「ねえ そのまじって何なの」
「え?知らねーの?この庭の主なのに?」
「ごめん最近の流行とかよくわかんないオカルト系のネタなの?
パワースポットみたいなこと?」
「まぁパワースポットかな?
魔道とか異界に繋がる土地のことだよ
魔法の魔に土地の地でまじな」
「オカルト系っぽいね」
「まあ何系かって言ったら回復系なんだけどさ
ここはそこそこいい土地なんだよ 聖域ってほどじゃないにしても不浄もたまってないし 主が弱善性の人間だから大抵どんな性質の者でも入ってこれるし ここに居ると疲れや傷がすぐに癒される」
「そんな都市伝説が広まってんの?変な子たちが入ってくるはずだわ」
「まあ こちら界隈ではそこそこ有名って程度かな」
「コスプレイヤーの情報網あなどれないもんね…」
「まぁ たまには変な奴も来るかもね
桜の精は夢魔のたぐいだからちょっと危ないな
相手を魅了する姿で現れて取り込もうとするんだよ」
確かに文句のつけようがないほど可愛い子だった。
思い出していると青太丸がにやにやしながら顔を覗き込んできた
「どんな容姿だったの?」
「小さな女の子だった」
「は?普通理想の異性の姿で現れるもんだけど
弱善性の人間はそうゆう欲も少ないかもな
生存能力が低いってことだから
あんまりぼーっとしてると食われるぞ」
青太坊君は難しい顔をして桜の木を見ていた。
「これ切っちまった方がいいな」
「え いやだ!」
「なんだよ まだ取りつかれてんのかよ?」
「そうじゃなくて 桜の木切ると出るっていうじゃん」
「?もしかして幽霊のこと?」
「……」
私は何も答えなかった。
「物置にのこぎりか斧あるよな貸せよ」
「いやーだー!」
「あんた 死にかけたんだぞ!」
「別の方法はないの?」
「んーあるにはあるけど 知り合いに神社の主神とかいる?
そいつに桜の木を封印してもらえば切らなくてもいいハズだぜ」
神社の主神どこかで聞いたことがある気がした。