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魔法のお庭物語ーまじまじー  作者: 朝乃 ことり
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秋の桜

 秋になったばかりだというのに庭は吹雪いていた。昨日は夏日だったというのに。

地面は一面ピンク色だった。雪って白かったよねと思い下駄で庭に降りて確かめると

桜の花吹雪が積もっていた。こんな手の込んだ悪戯をする人間がこの世にいるのかと感心したが

これ以上積もると本当に困るので叫んだ

「誰がやってやってるか知りませんが やめてくださーい お願いしまーす」

そう叫ぶと吹雪きはやみ、目の前に女の子が現れた。

赤いタートルネックのワンピースに、水色の長い髪をおだんごにして頭の上でまとめて、ピンクのリボンをしていた。

ムーミンに出てくるリトルミィみたいな小さな子だ。目は大きな青い目で信じられないくらい愛らしかった。

「この桜あなたがやったの?」

「うん めいあくだった?」

たどたどしい話かたがまたかわいらしい。

「綺麗だと思うけど 片づけなくちゃいけないから

それに桜は春に咲く花だから」

こんなかわいい子を怒ることはできなかった。

「春になったら桜は咲いていいの?」

よくわからない日本語だったが、そんなに間違っていないと思い

「うん春になったらね」

と答えた。

「じゃあこれあげる」

女の子の手の中には小さな種があった。

サクランボの種に似ている。

「これをお庭に埋めてね

春になったら会いに来れるから」

種を受け取ると女の子と桜の花びらは風に舞って消えてしまった。

とりあえず貰った種は庭の隅に埋めた。

埋めながら思ったのだけれど、ここに住みだして

変わった子ばっかり庭にやってきている気がする。

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