昔の記憶
俺は夢を見ていた。
「・・ちゃん、一緒に遊ぼ?」
「良ちゃん、何して遊ぶの?」
「・・ちゃんと遊びたいしか考えていなかったから何も決めてない」
「それじゃあ一緒に四つ葉のクローバーを一緒に探さない?」
「四つ葉のクローバー?」
「うん。お母さんが四つ葉のクローバーを見つけて持っていると良いことがあるっていってた」
「それじゃあ神社の裏手にあるお花畑に行こう」
「うん」
俺はこの光景を見ながら考えていた。
(この夢は、俺の昔の記憶なのか?でも、出てきたとしても、何で夢に出てきたんだろうな)
そう考えていると、2人は神社の方に走って行ってしまった。
俺は、この夢が昔の記憶の1部かもしれないと思ったのですぐに追いかけた。
夢の中なので、走ってもつけれることはなく、相手も子供なのですぐに追いついた。
「良ちゃん、待ってよ~」
「・・ちゃん遅いよ。早く見つけないと先に取られちゃうよ」
「う、うん。そうだけど、良ちゃん、少し歩こうよ~」
「ごめんね、・・ちゃん。神社まで歩いて行こうね」
「ありがとね」
そんな2人の会話を聞きながら夢の事について考え出した。
(良ちゃんと言われているのは俺なのか?あと、もう1人の女の子は誰なんだ?)
そう考えていると、
「・・ちゃん、神社に着いたね。早く裏手に回って、取りに行こうね」
「うん。頑張って見つけようね」
2人は神社の裏手に入って行った。
そのときの神社は俺の知っている神社よりとても綺麗だった。
(昔の神社はこんなに綺麗だったのか。いやいや、そんなことより早く追わないと)
そう思いすぐに、2人を追いかけに行った。
神社の裏手に少しだけだが、道が出来ていた。
その道を少し通ると、綺麗なお花畑が見えてきた。
色々なお花が咲いていた。
(何だよここ。神社のそばにこんなところがあったのかよ)
そう思っていたら、
「良ちゃん、見つかった?」
「う~ん、こっちも見つかんない」
「そういえば、お母さんもそう簡単に見つけられるものじゃないって、言ってたな~」
「違うところ探しに行こ。そして、・・ちゃんのために絶対に見つけるんだ!!」
「ありがとう。それじゃあ、あそこが良いんじゃないかな?」
「うん。あそこなら、絶対あるよ」
2人が次に決めた場所は、クローバがたくさん咲いている場所だった。
(確かにこんなにたくさんあんのなら見つかるだろ)
そう思いながら2人のことを見ていると、子供の頃の俺が、
「あったよ!!2つもあった!!」
「ほんとにあった。やったー」
「・・ちゃんに1つあげるね」
「ありがとう、大事にするね」
「この四つ葉のクローバがある限り僕たち友達だよね?」
「うん、どんなに離れていてもこの四つ葉のクローバーがある限り忘れないよ」
2人はクローバーを大切に持って家に俺の帰った。
そしたら、車が止まっていた。
「すみません、娘が大変お世話になりました」
「いえいえ、こちらこそ。・・ちゃんが遊びに来なくなると、とても寂しくなりますよ」
そんな会話を聞いていた2人は、
「え?嘘。今日じゃないんじゃないの?」
「お父さんが急な仕事で速くなったみたい」
「そんなことって」
「・・、早く乗りなさい。もう行かなくちゃならないの」
「良ちゃん、ここでお別れね。最後に遊べて楽しかったよ」
「うん」
「最後に大事な物を手に入れられて嬉しかったよ」
「こちらこそありがとう。・・ちゃんと居られて本当に楽しかった」
「それじゃあ、またね」
「うん、またどこかで」
そのあと子供の頃の俺は、自分の部屋で泣き続けていた。
「えーん、うぇーん」
1時間ほど泣き続けていたのだろうか。
いきなり、立ち上がりタンスの中から小さなポーチを取り出した。
「・・ちゃんと見つけたクローバーをここに閉まっておこう。そして忘れないようにしなきゃ」
その言葉を聞いた瞬間、いきなり夢から覚めた。
汗とかたくさん出ていたが、そんなのお構いなしに布団から出た。
そして、タンスを開き、ポーチを探した。
(あった!!)
ポーチを見つけ急いで、中を見てみた。
そこにはクローバーが、夢に出てきた時と、あまり変わらず残っていた。
(こんなに大事なこと、何で思い出せなかったんだ。何かクローバー以外手掛かりは・・・。あ、神社に行けばなんかわかんのかもしれない)
そのように思い、すぐに身支度をして神社に向かうのだった。
今回も読んでいただきありがとうございました。次回も頑張って書きますのでよろしくお願いします。
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