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青空の下で青春を  作者: 中村竜野
1章 1年生編
12/16

合宿~後編~

 俺たちは今、荷物を持たされながら山の斜面を歩いていた。

 確かに、自分の荷物だけなら何故こんな事を言う必要があるのかと思うが、俺だけの荷物だけではない。

 自分の荷物+女子陣の荷物を俺と拓也が2人で持っていた。

 まぁ、さっきの盗撮がこれだけで済んだのはありがたいが、女子陣は俺たちに多めに担がせるために、わざと荷物をパンパンに入れたのかもしれない。

 女子の方はさっきから、楽しそうな話をしながら山の斜面を登っていた。

 俺は、かなりきついが、こういうのも悪くないって思う自分が、最近増えてきたのかも知れない。

 

 「みんな、ここで一旦休憩しましょう。その後、ここで写真を撮りましょう」

 

 すみれが、俺たちにこう言う提案をしてきてくれた。

 そのときの俺は、すみれの事が少しだけだが、天使に見えた気がした。


 「なぁ、良太。俺、少しすみれさんの事が天使に見えた」

 

 俺と全く同じ考えを持った人間がすぐ隣にいた。


 「でも、もう少し男子を歩かせた方が良いんじゃないですか?」

 「それも悪くないな。女の恨みは怖い事を男子諸君に教えるのも良いな」


 エリカと雫は俺たちに奈落の底に落ちろと言わんばかりの事を言ってきた。

 こいつら悪魔かよと思ったのは俺の心の中だけにしておこう。


 「も、もう良いんじゃないですか。さすがに可哀想です。後、部活の事も考えなければいけないので、そろそろここら辺にしときましょう」

 「すみれ先輩が良いってゆうのなら、仕方がないわね」

 「私は、もう少しやりたかったのだが、しょうがないね」

 「お前ら悪魔すぎんだろ!!」


 くそ、声に出しまったんじゃねーかよ

 そう思いながら、みんなの荷物を地面に置いて、休憩を取ることにした。

 俺は、休憩している時に、周りを見回してみた。

 荷物を持ちながら歩いていた時は気がつかなかったけど、この山本当に自然がいっぱいだなと思いながら何を写真を撮るか迷っていた。

 

 「みんな、休憩もう良いですか?それじゃあ、写真部の活動をしたいと思います」

 「撮った写真の中で自分の一番良く取れた写真を私に預けてくれ。そんなかで一番良かったものを写真部代表として写真コンテストに出品する」

 

 すみれと雫はこの合宿の事は、かなり本気でやっているのかも知れないと思った。

 すみれが活動開始の合図と同時に良いものが無いか探した。

 俺は、写真などやった事がなく、どれを撮ればいいのかいまいちよくわからない。

 俺は、他の奴らの写真を見に行く事にした。

 最初に、見つけたのが、雫だった。

 

 「どうした、良太君。ふふ、もしかして私がどんな写真を撮っているのか偵察しに来たな」

 「どうして、そんな事しなきゃなんねんだよ。まぁ、参考までに見ておきたいんだよ」

 「私もあまり得意ではないが、良太君にそこまで言われたらしょうがない」


 雫は自分が取った写真を見せてくれた。

 自然の中で鳥が餌を食べているシーンとか色々な写真を見せてくれた。

 俺はこれであまり得意じゃなかったら、俺なんてクソみたいなのしか撮れない事になってしまうと思うほど、うまく撮れていた。

 

 「雫、とてもうまく撮れているな。凄いな」

 「はは、あまり褒めても何も出ないぞ。それよりもすみれに聞きに言った方が良いと思うぞ」

 「すみれもうまいのか?」

 「私の知っている限り、かなりうまい部類に入っていると思う」


 俺は、雫に軽くお礼を言いすみれのもとに行こうとした。

 しかし、その道中で拓也と会ってしまった。

 

 「良太じゃん。何か良い写真取れたか?」

 「まだ撮っていないからすみれの所に行く所だ。お前は?」

 「俺は、女子陣の写真を取りまくっているぜ!!」


 さも当然のように、言う拓也であった。


 「ほどほどにしとけよ。さすがに、次にばれたらマジでやばそうだぞ」

 「あぁ、分かっているって。それじゃあな」


 拓也はそう言い残して去っていった。

 俺も、早くすみれに会って写真の撮り方の講義を受けなければな。

 俺は、少し散策していると、すみれを見つけた。

 その隣には熱心に写真を撮っている襟かも居た。

 

 「すみれ、俺にも教えてくれないか。写真の撮り方」

 「私で良ければ手伝いますよ。ちょうどエリカさんにも教えていた所なんです」

 「あれ、良太も教わりに来たの?」

 「あぁ、あんま写真とかした事がなくてな。だから教わりに来たんだ」

 「私の事を信頼してくれてありがとうございます。それじゃあ、早速始めますね」

 

 すみれの教え方は雫の言っていた通りうまかった。

 俺と教わっていたエリカもどんどん上達していった。

 俺も頑張らなくてはと思い俺も一生懸命やった。

 それから2時間ずっと大自然の写真を撮り続けた。

 

 「もう、お昼の時間ですね。荷物の置いた場所まで戻りますか」

 「そうだな。まだ、午後もあるしな」

 「写真いっぱい撮っていたら、お腹ペコペコ」

 「そうですね。早く荷物の場所まで戻りましょう」


 俺たち3人は、荷物の置いた場所まで戻った。

 荷物の場所には雫と拓也が居た。


 「ここから山頂まで上るんですよね。辛いな~」

 「すぐ近くなので大丈夫です」


 すみれの言ったとおり荷物を置いていた地点から約2分ぐらいで山頂に着いた。

 山頂からの眺めを見た俺は、結構感動を覚えていた。


 「さぁ、みんなで昼食を取りましょう」

 

 すみれは大きなバックからそれまた大きなお弁当箱次々に出した。

 最初は、こんなに食べられるのかと思っていたが以外にも全部平らげてしまった。

 みんなは山頂で休憩した後、またみんなで写真を撮る作業に戻った。

 それから5時間たった今、部室にみんな戻っていた。

 それから、夕食作り、学校の近くの銭湯をみんなで行った。

 いちいち拓也が何か騒いでいたが、女性陣をあまり刺激したくないので黙らせたりした。

 そんなこんなで就寝の時間になった。

 みんなで部室に寝る事になるので、順番が決められた。

 拓也、俺、エリカ、雫、すみれの順番になった。

 まぁ、男と女の間には結構隙間が開いていたりするけど気にするまい。

 俺たちは、疲れていた事もあってみんなすぐに寝てしまった。

 12時、誰か部室の扉を開ける音がしたので俺は起きた。

 俺は、すみれだけ布団に居ない事を確認すると、静かに部室を出た。

 すみれは学校の中庭のベンチに座っていた。

 俺はこっそり近づいて、さっき買っておいた暖かいココアをすみれのほっぺたにくっつけた。


 「わぁ、え?良太君?」

 「よ、どうした?すみれ」

 

 俺は2つ持っていたココアを1つすみれに渡した。


 「今日の活動の事を思い出していました」

 「今日は凄く疲れた一日だと思ったけどな」

 「ふふ、そうですね。でも、楽しかった」

 

 俺は、すみれの横顔を少し見た。

 月に照らされた横顔はとても綺麗に思えた。


 「私は、今日の事は忘れないと思います。ずっと」

 「また、来年もやるか。合宿」

 「え?良いんですか?」

 「俺も楽しめたし。まぁ、毎日は、きついから勘弁だけどな」

 

 そんな事を言ったら、すみれはとても喜んだ。


 「ありがとうございます。ありがとう……」

 

 俺は素早く残りのココアを飲みきると立ち上がった。


 「それじゃあ、俺も寝るわ。すみれも早く寝ろよな」

 「良太君、ありがとう。また、明日」


 部室に帰ってすぐに俺は寝た。

 

 この先、みんなと楽しく出来るように思いながら。

 


 

 

 前編と後編に分かれてしまい申し訳ございませんでした。

今回は、合宿の事を書かせていただきました。私もこんな事が起これば良いのにと言う思いがあります。ここまで読んでいただきありがとうございます。この先頑張りますので応援よろしくお願いします。

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