夏休みの予定
テストも終わり、行事も全て終わり、俺たちの学校は夏休みに入った。
それなのに、今、俺たちは学校に向かっていた。
「なぁ、良太。写真部って夏休み中何やるのかね。言いたくないけど、写真部って名前だけど、今の所写真とか取った事ないよな。俺ら」
「あぁ、確かにな。不思議だよな」
「最近、良太は俺に構ってくれなくないか?何かあったのかよ」
「……いや、何もなかったが」
本当はあった。
先日俺は、智香から告白してきて俺も了承した。
それから、毎日俺たちは神社に会っていた。
あと、俺は昔の記憶がなく、俺の過去を知っているのが智香である。
最近そんな出来事が、連続していたのでつい、智香の事を考えてしまう俺がいた。
「もしかして、彼女でも出来たのか?そんな事ないか。はははは!!」
「…………」
「え?何で黙ったりすんだよ。マジで出来たのか!!」
「襟元掴むな!!そ、そんなんじゃねーよ」
「良太、少し慌てなかったか?」
「そ、そんなことねぇよ」
「くそ~!!このリア充め!!」
「あ、お前と話していたら、部活に遅れちまうから、先行くぞ」
「おい、良太さっきの話終わってねーぞって、待ってくれ、俺を置いてかないで~」
そんな声を背中から聞いていたが、あれ以上この話をされたくないので、学校までもうダッシュした。
俺は、学校に着きすぐさま、部室に入った。
「ちーす、すみれ、雫、エリカ」
「おはようございます、良太君」
「おはよう、どうしたんだい、息を荒げて」
「おはよう、私も先輩と同じこと思った。どうしたの?」
「あぁ、部活に遅れそうになったんで走ってきたわ」
「良太さんは、そんなに写真部の事を良く思っていてくれていたなんて、とても感激です」
「それよりも、正反対の拓也君はどうしたんだい?」
「知りませんよ。あんな奴」
「はぁ、はぁ。良太、早すぎ」
「拓也君。時間的に遅刻よ。ちゃんとしなさい」
「エリカさん。良太が俺の事置いてったんですよ。酷くないですか?」
「そうなの?良太」
「俺は今日、こいつにあってないぞ」
「ひど、それとてつもなく酷いぞ」
「まぁ、まぁ。みんな部室に来れたんですから、落ち着いてください」
「そうだぞ。そんな事より部活の話を、しないといけないからな」
「そんなことって、酷いですよ~。雫さん」
「今日の部活で、夏休みの事を話しておく」
雫は、拓也の事を無視して部活の話をした。
「夏休み、写真部のみんなで合宿しようと思うんだが、どうだろう」
「写真部なのに、あんまり写真とか撮っていませんでしたから。この機にたくさん撮ろうかと思うんですがどうですか?」
「私は賛成です。私もこうゆうのやってみたかったんですよ」
「俺も賛成だ。写真部に、入っていんのに何もそれらしい事やらねってのは、何かなぁーっと思っていた所だった。拓也も賛成だろ?」
俺は、拓也の方を見た。
そしたら、いつもの拓也らしくない真剣な表情をしていた。
「え?あぁ。俺も大丈夫ですよ」
「どうした?いつもならお前が一番喜びそうな企画だと思ったが」
「あぁ、めっちゃ嬉しすぎて、心の中で万歳していた所だ」
俺は一瞬だけだが拓也の悲しそうな顔が、見えた気がしたが、雫が話を再開したので、意識をそっちに向けた。
「場所は、ここから近い青空山で行う」
「どこで寝泊りすんだ?」
「学校だ、許可は取ってある」
「さすが、会長と副会長だな。時間は何時集合だ?」
「来週の金曜日で8時集合だ。遅れるなよ……拓也君」
「俺への当てつけですか!?」
「嘘だ、嘘だ。後は頼む。すみれ」
「それじゃあ今から部活始めます」
それから、部活が3時間やってみんなと解散したが、俺とすみれは、部室のあとかた片付けをしていた。
みんなは、用事があるとかで帰ってしまった。
「さっきは、ありがとうございました。合宿の事」
「俺自身、自然の写真撮ってみたかったし、この合宿の件はありがたかったぞ」
「そう言ってくれると嬉しいです」
俺は、すみれが顔を赤くしながら掃除をしている所を少しだけ可愛いと思っていた自分がいた。
後片付けが終り、俺は帰りの支度をしている時、すみれが話しかけてきた。
「良太君は、私の事どう思いますか?」
「……すみれ、それは告白なのか?」
「ちちちち違います。そ、そう言う事じゃありません。生徒会長としてどう思いますか?」
すみれは顔を赤くしながら俺に質問をしてきた。
「最初の頃は本当にこんな奴が務まるとは、思えなかったな」
「うぅ~」
「待て待て。泣きそうになるな。まだ続きがあるんだから」
「何ですか?」
「今は、そう思っていない」
「何でですか?こんなにあがり症なのに」
「確かにすみれは、人前に出ると凄く緊張しているのは、バレバレだったが、それを上回るほどの責任感があるんだ」
「責任感ですか?」
「お前と俺が始めて会った時、部活チラシ配っていたよな」
「はい。アレがなければ、良太君とはたぶん会っていませんでしたからね」
「そうだな。俺もあの頑張っている姿を見て、俺は納得したのかも知れないな。すみれが部活動の後片付けも、1人でやっている時あったが、次は俺を呼んでくれ」
「見てたんですか、私は当然の事をしているだけですよ」
「その当然の事をし続けて倒れたら意味ないだろ。次から無理にでも手伝うからな」
「勝手な人ですね。ありがとうございます」
満面の笑顔でそう言ってくれた。
「もう帰るか」
「はい、鍵を閉めるので先に出て行ってくださいね」
「あぁ、悪いな」
すみれは最後に部室の中を点検して扉に鍵をかけた。
俺とすみれは校門の所まで一緒に並んで歩いた。
「それじゃあ、すみれ、またな」
「はい。良太君も気おつけてくださいね」」
そう言い俺たちは互いの自分の家に帰った。
その時、俺は『ずっとこの生活も悪くない』と思っていた。
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