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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

「サンキューピッチ」もあるけれど、「来見沢善彦の愚行」がおもしろくなっているという話

作者: ふる
掲載日:2026/02/25

正直なところを言うと、最初に「来見沢善彦の愚行」の1話を見たときは、それほど興味は引かれませんでした。


漫画家の主人公が他人の作品を盗作して、すこしずつ追い詰められていくんだろうな。というくらいにしか思っていなかったのです。


しかしながら、最近少年ジャンプ+で更新された13話を見たら、展開が驚くほどおもしろくなっており、これは他の人にも作品を知らせなくては。と考えエッセイを書いた次第です。

 個人的なエッセイです。





 最近、少年ジャンプ+の「サンキューピッチ」が注目を集めている。


 内容は野球漫画なのだが、主人公をはじめとして特殊な性格のキャラが多かったり、作者の性癖を感じる女性監督がいるなど、普通の野球漫画ではあまり見ない作品である。


 そして特殊なキャラが多い作品でありながらも、選手の心理や試合の流れなど野球への造詣の深さを感じさせる描写も多く、おもしろい作品である。


「次にくる漫画大賞2025」でも1位に選ばれており、アニメ化してもおかしくない作品である。


 なのだが、私が今回話したいのはサンキューピッチではなく、「来見沢善彦の愚行」についてなのだ。



来見沢善彦(くるみざわよしひこ)の愚行」


 ジャンルとしてはミステリーだ。作者は「ときわ四葩(よひら)」さん。(名前が読めない!)


 最初に、この作品が合いそうな人について話すと、「ジョジョの奇妙な冒険」の第4部における、吉良吉影の話が好きな人だろうか。


 吉良吉影は殺人鬼であり、日常的に女性を殺めている。だが、普段は会社員をしていて誰も吉良吉影が殺人鬼であることに気づいていない。


 具体的な危険が見えない街の中で、そこには不穏な空気が漂っている。


 一方で、「来見沢善彦の愚行」では殺人は起きていない。(あくまでも現段階では。)


 しかしながら、殺人が起きていないにも関わらず、何気ない日常の中で異常な出来事は行われているのだ。


 この不穏な雰囲気は、他の作品では最近話題になった、「変な家」にも近い気がする。


 変な家でも、主人公に殺人の危険が迫るわけではない。


 しかしながら、主人公が調べている家……街の中に自然にある家では、意図的に作られた不自然な構造の中で殺人が行われていたかもしれないのだ。


 そこには「金田一少年の事件簿」や「名探偵コナン」のような、主人公が現場で起きた事件に立ち向かっていく緊迫感とは少し異なる、奇妙な雰囲気がある。


 そして、「来見沢善彦の愚行」でもそうした雰囲気が感じられる。


 このため、「ジョジョの奇妙な冒険」や「変な家」のようなミステリーが好きな人は「来見沢善彦の愚行」も好きになれる気がしている。



 さて、長い前置きだったがここから「来見沢善彦の愚行」の紹介をすると、まず、時代は昭和46年の話となっていて、かなり昔の時代となっている。


(第二次世界大戦から20年が経ち、日本がある程度復興しているくらいの時期なのだろうか。調べると、初代の仮面ライダーが放映された年らしい。)


 そのなかで、来見沢善彦は漫画家として活動しており、数年前にヒット漫画を描いたマンガ家である。


 しかしながら、それから数年が経過した今では、絵は上手いもののストーリーを今の時代に合わせることができず、編集部に漫画を持ち込んでみても毎回ボツを食らっている状況だ。


 今回も、来見沢善彦はボツを食らい意気消沈していたわけなのだが、偶然にも自分のファンであり、自分の画風とそっくりな絵を描く少年、畑賢作と出会ってしまう。


 そして、畑賢作は自分とそっくりな画風であるにも関わらず、自分は持ち合わせていない、面白い物語を作る才能を持っていたのである。


 さらに、畑賢作は家庭内や周囲の状況から学校にまともに通うことが出来ず、読み書きがほとんどできない状況だったのだ。今も貧乏で、工場で働き詰めである。


(畑は漫画を描いているが、そのセリフはまともな日本語になっていない。それでも来見沢が感動するくらい物語がおもしろかったらしい。)


 そこで、再びヒット漫画を生み出したい来見沢は漫画が上手いが読み書きができない畑を利用して、畑の漫画を自分の名義で出してしまったのである。


 もちろんそんな「愚行」が順調にいくわけもなく、来見沢の犯行は周囲にばれていってしまう。



 これが「来見沢善彦の愚行」の簡単な紹介である。こういう話を聞くと、おそらく主人公の来見沢が嫌な悪役で、ヒット作がなくなりお金に困って盗作をしたのだろう。と考える人がいると思われる。


 だが、この作品はそうではない。


 そもそも、来見沢はお金に困っていない。むしろ裕福な人間なのだ。それだけでなく、善意で人に親切にしているほどだ。


 生活に余裕があり、周囲の人間から見たら満足した生活を送っているようにしか見えない。それにも関わらず、来見沢は再び漫画でヒット作を作ることを目指している。あるいは執着している。


 そこには、来見沢と知り合いの女性が関係しているようであり、おそらく死期が近いその女性が亡くなる前に、なんとしてでも漫画を世に出したいという想いがあるようだ。


 そして、盗作をするというのは明らかに犯罪なのだが、来見沢は悪魔に魂を売ってもいいという決意で盗作を決心する。


 その行動は犯罪であり、やっていい事ではないのだが、意外にも来見沢に対する嫌悪感はあまりない。


 これは、来見沢が基本的に善人であり、そして、その行動があまりにもお粗末ということがあるのかもしれない。


 そう、来見沢は盗作をするのだが、その盗作の仕方はなんと、畑賢作の作品をそのまま使用して作者名だけ来見沢に書き換えるのである。


 本当にそれだけなので、仮に畑が見たら一目で来見沢のやっていることがバレる状況なのだ。


 不自然な説得で畑を来見沢の家に軟禁しているが、仮に畑が街の本屋に行きたいと言ったらそれだけでも盗作がバレてしまうのである。


 そして案の定、盗作をしてから間もなくして、来見沢の盗作は関係者の一人にバレてしまう。


 さらには、続けるようにして別の人間にも盗作がバレ、挙句の果てには畑にも盗作をしていることがバレてしまうのだ。


 だが、


 ここがこの漫画のおもしろいところだと感じているのだが、盗作がバレたにも関わらず、その事実は公表されていないのだ。


 来見沢の担当者は、はじめは盗作の事実を知り保身の行動をしていたはずが、来見沢や畑の熱意に感化されてしまった結果、いつのまにか来見沢の片棒を担ぐ形になってしまっている。


 また、畑にとっては自分が尊敬している先生が、住む場所と漫画を出版する機会を与えてくれたと思ったら、実は自分の作品を盗作していたということを知るのだが、畑はそれを知ったとき絶望と怒りと共に、自分がいなければ来見沢の漫画家としての生活が成り立たないという状況に言いようもない興奮を感じている。


 そういう状況になっているのは、来見沢や来見沢の周囲の人間がおおむね善良な人間だからと考えられる。(善良というのはいい人というわけではなく、悪人ではないという意味で。)



 そして、だからこそ来見沢の異常性が際立つのだ。


 作中の描写では、根は善人なのだが、うかつな盗作を犯してしまった人間として映るこの人物が、あるいはもっと別の「愚行」を犯してしまっているのではないか。


 そんな情報が断片的に出てくるのである。


 数年前に来見沢が描いたヒット漫画は、本当に来見沢が描いていたのか。畑の前に来見沢の家に住んでいた人間が描いていたのではないか。


 昔馴染みの女性にいつも渡している手紙には何が書かれているのか。


 来見沢が電話で話している謎の人間は誰なのか。


 周囲の人間の善良性に対して、来見沢は明らかに異常なのである。


 そこにはどんな真実があるのか、また、これから来見沢や畑など登場人物がどうなっていってしまうのか、とても気になるところだ。



 そんなわけで、「来見沢善彦の愚行」がおもしろい展開になっているという話でした。


 ヘタな紹介ですみませんが、ミステリーはリアルタイムで追うのが一番おもしろいので、もし気になった人がいたら読んでみてください。


 そして他の人が読んだ感想など教えてもらえたらうれしいです。

エッセイを読んでいただきありがとうございます。


すいません、一度作品設定を誤って投稿してしまったため、再投稿いたします。

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