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婚約者が嘘告をするそうです。私に。  作者: もも


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8/9

8 結婚

読んでいただきありがとうございます。

次回で完結です。

 結婚式当日になった。我が家は親族が沢山だけどヴィクターの家はお義父様だけだ。貧乏になった時に誰一人手を差し伸べてくれなかったのに持ち直したら手のひらを返してすり寄って来たそうだ。縁を切ったと言っていた。

代わりに最後までいてくれた三人の使用人に出席してもらっている。皆嬉しそうだ。


貧乏のどん底だったんだよとヴィクターが笑って言えるようになって良かった。

お父様が助けてくれて今日の日が迎えられてありがたい。

最初はどうなる事かと思ったけど、そのお陰で誠実な夫が見つかったのだもの。


 最高級の細いレースを使った繊細で美しい生地が、ウエディングドレスに縫い上げられていた。

ほうっとため息が出そうに綺麗。ティアラとネックレスとイヤリングは亡きお義母様の形見の品でアレクサンドロ家に代々伝わるものだそうだ。


これを売っていれば助かっていたんじゃないのとヴィクターに言ったら、買い戻したんだよと言われた。きっと買ったのはお父様だわ。やるわね。お父様。


学院時代の同級生にも出席をお願いした。明日にはドレスの噂が広まり商会は増々潤うだろう。


朝からメイドたちに磨かれ真っ白なロングトーンのウエディングドレスを着て白の正装姿のヴィクターの元に嫁ぐ。くっ、なんて格好良いのかしら、恋愛フィルターがかかっているせいかな。はあ〜好き。あの日嘘告の話を聞いた私がこんなに幸せになるなんて誰が想像しただろうか。ギルバート様ありがとう。

ヴィクターと一緒にクロス商会一丸で、お困りの時には駆けつけますわ。


華やかなのは私の友人達とヴィクターの友人のギルバート様だわ。キラキラ集団だわ。輝きが違う。あんな場所にいたから安全だったのかも知れない。

皆様、性格も優しいし影や護衛がついていそうな方たちばかりだもの。




私のマリエッタが今日は女神のようだ。あ〜綺麗すぎる。いよいよ結婚できるんだ。この腕の中に飛び込んでくるのをずっと待っていた。相応しい男になれただろうか。母上、神の庭で見ていますか?ヴィクターは良い家庭を作ります。マリエッタに苦労はかけません。幸せにします。喜んでくれていますよね、母上。


見本が近くにいると目指しやすい。お義祖父様、お義父上、義兄上三方共良い男揃いだ。頑張るぞ。



 式が終わるとパーティーが開かれた。ヴィクターの父は涙ぐみ家令にハンカチを渡されていた。クロス家の四人は笑顔を浮かべていた。義両親に息子が一人増えたと言って貰った。これ以上ない嬉しい言葉だ。


クロス家は叙爵されると噂になっている。伯爵家になってくだされば良いと思うが、どうだろうか。


ああマリエッタがお義父上に手を引かれて近づいて来た。これから神様の前で永遠を誓う。夢のようだ。私は最高に幸福な男だ。綺麗すぎて顔が緩んでいても許してくれるよね。愛しているよ、マリエッタ。



白の正装姿で待っていてくれるヴィクターがあんなに格好良く見えるなんて、やっぱり中身が伴ってきたからかしら。それとも恋愛フィルターのせい?どちらでも良いわ、幸せだもの。



誓いの言葉を交わしキスをしてサインが終わった。ブーケトスをした。受け取ったのはローズマリー様だ。王太子様と婚約が決まっている。輝くばかりの笑顔で綺麗過ぎる。





 パーティーは商会の持つ高級ホテルを貸し切って行った。大広間が会場になった。クロス商会の最高の品で皆様をおもてなしをした。泣いているのはお義父様だけだ。お父様達に何度も頭を下げているわ。もう飲み過ぎかも知れない。


ホテルの客室係にお部屋まで送らせよう。ゆっくりお休みくださいませ。


同級生方とギルバート様ににご挨拶をした。


「おめでとうございます、アレクサンドロ伯爵、マリエッタ伯爵夫人」


「「ありがとうございます。これからもお付き合いをよろしくお願いいたします」」


「もちろんですわ、化粧品はマリエッタ様のところの物でなくては買いませんわ。新しい商品が出るのが楽しみですのよ。待っていますわね。幸せオーラで化粧品がいらないみたいですけど」


「まあ。おからかいにならないでくださいませ。今度爪染の新しいものを開発いたしましたの。一度塗ると暫くは取れませんの。説明書を付けておりますので読んで下さいませ。皆様にはお土産としてお渡ししますわね。殿方にはさっぱりタイプの化粧水と日焼け止めをセットにしてありますのでお持ち帰りくださいませ」


「化粧品の話はこれくらいにしてパーティーを楽しんでいただいてはどうかな」

ヴィクターがいつまでも続きそうな会話を遮って空気を本流に戻した。


「そうね、ごめんなさい。皆さまごゆっくりお楽しみくださいませ。またお茶会でお会いしたいですわ」


「ええ、招待状をお送りしますわ。新婚生活を楽しまれてくださいませね」





「ギルバート、ちょっと付き合って貰っていいか?マリエッタがお礼を言いたいそうだ」


「ああ良いよ」


「ギルバート様昔ヴィクターに嘘告を提案してくださりありがとうございました。お陰様で距離が縮まり今日の日に繋がりましたの」





「えっ、ヴィクター話しちゃったの?」


長くなりましたので、もう一話追加しました。

誤字報告ありがとうございました。

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