4話 新たな仲間
昔、昔、ある森の奥深くに、代々聖剣を持つ家系がありました。
その家系は、神堂家
森の奥底、木と竹に包まれたこじんまりした家に剣聖はいるのであった。
「お主、なにものじゃ?」
白髪にロングの毛をひとつで結って、いきなりやってきた男を少し警戒し腰の剣に触れながら話しかける。
着物に、腰には聖剣【霧雨刀】を所持している。
「怪しいものじゃないんだ。予言世界本についての話がしたい。」
両手をあげ、何も持っていないことを証明し、彼から距離をとる。
彼は、神堂家の現当主<神堂 雨之>〈しんどう あめの〉
わずか16歳という若さで、全当主の<神堂 きり丸>から当主の座を奪った。
剣技はまるで美術品のような美しさで世界を圧巻させ、そして予言本の所持を明らかにしている1人だ。
「お主、もしかして予言世界本を所持しておるのか?」
その事に驚きつつも、剣から手を離す。
「そうだ。俺は予言世界本の予知攻略本を持っている!」
俺はダンジョン攻略本を神堂雨之に見せる。
「うむ、お主が嘘をついてないことは目を見てわかる。だが何故オレの元に?」
「神堂、俺とギルドを作らないか?」
突然の話に少し驚く雨之は、少し経ってから笑顔で頷き了承した。
「でもお主は、エアロにいたのでは?」
驚いた泉は雨之の事を見詰めることしか出来なかった。
「この山奥までエアロの話は届いていた、というよりオレもスカウトされていたからな。聖剣使いの少女にな」
丁重にお断りしたがな、と付け足して言われた。
「それより、神堂はなんの予言世界本を持ってるんだ?」
「オレは、剣技予言書を持っている。」
剣技予言書
その名の通り、ありとあらゆる剣技が記されている書である。
昔の失われた剣術から、新しくできたものまで種類は様々なのだとか。
「オレは、興味本位で全ての技を習得し…全当主である父上に勝ってしまった。本の使い方によっては人の人生を左右するかもしれぬ、それを心得ているのなら聖剣使い神堂、旅に正式についてゆこう。」
「俺は、エアロを本の使い方を失敗して追放させられた。だから、心得てるしお前がもしも間違えてもなんの責任も追わせねぇーよ。」
夕暮れ時、木々から少しの陽の光が差し込む頃
予言世界本というただの本に人生を狂わされた。2人と1つの家族、そして1つのギルド
狂わせた人の関係は違えど、同じ人狂わせなわけだ。
「だから、大丈夫だ。雨之」