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1日目(1)

「海月〜!また明日ね〜!」

「うん!今日もキャリーしてくれてありがと!」

 そう言って友達との通話を終えた。私は夜、通話を繋いで友達と一緒にゲームをするのが好きで、今日もハマっているゲーム内で友人と協力して勝利を掴み取り最高の気分だった。

イヤホンを外しながら好きな小説家のSNSをチェックする。日々ゲームとSNSが楽しすぎて、これがなければ生きていけないのではないかと思うほどには習慣化していた。

 上機嫌で鼻歌を歌いながらお風呂に向かい、温かいお湯に浸かると、あまりの心地よさに思わず眠気が襲ってくる。ここで寝落ちるのは危ないな、と思って足早に風呂をすませて布団に入る。

 エアコンもつけて快眠間違いなしのなか、静かに意識を手放した。


 ふと、目が覚めた。

「・・・ここどこ・・・?」

木造建築の大きな建物の中。というか何かのイベント会場のような賑わいの中、目が覚めた。

何処なのか、何でこんな所にいるのか、夢ではないのかと、はっきりとした意識に混乱する。

バザーのようなたくさんの出店、人集り、明るくよく通る旋律を奏でるマーチングバンド・・・

眼の前の光景に驚くどころか固まってしまう。

「え、私寝てたはずじゃ・・・なに、どうなってるの?」

とりあえず何もわからないままフラフラと歩いてみる。出ている店はいろいろだった。見たことがある食べ物や流行りのもの、画集や作品を売っている人もいた。ほんとに何かのイベントのような、そんな空間に私は立っていた。

どうしてこんなところにいるのか何もわからないまま、ずっと彷徨い歩いた。

 何時間かたった頃、不意に体が上にぐん、と引っ張られるような感覚に陥った。混乱しつつも意識を保つのが難しくなり、ガバっと力任せに体を起こした。

急に静まり返り、エアコンから冷たい風が放たれる音と、私の荒い息遣いだけが聞こえてくる。

心拍数が上がっているのを感じる。

「私の・・・部屋・・・」

帰ってきたのか。というか夢だったのか。

あんなにはっきりとした夢は初めて見た。

一体あれは何だったのか、どこだったのか。何もわからないまま太陽の光がカーテンの隙間から私を照らしていた。

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