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序章
私は最近、変な夢を見る。
夢と夢の話が一つの物語のように繋がっているのだ。もともと夢なんて見ないタイプだと思っていたが、最近、夢の中の出来事があまりにもはっきりとしているから、変に現実味を感じて気味が悪い。
朝目覚めたときに眠っていたという感覚が無いせいか、睡眠不足気味で精神的なストレスを感じる。
回らない頭でスマホを取り出し、SNSを開く。
『最近夢見が悪すぎて眠れないんだよね〜夢占いとか詳しい人いない?』
そう呟く。まあ、私みたいな知名度のないただの一般女子高生が呟いたところで、誰かから返事があるなんて思ってもいないが。気休めだ。
正直、日記みたいにコツコツと継続的に物事を綴るのは得意ではない。だからこそSNSというスマホで自由に書き込める場所についつい呟いてしまう。どうせ誰も見ていないだろうし。
そんな事を考えつつ好きな小説家を一人だけフォローしているだけの自分のアカウントを見つめる。
アカウント名は華夏 海月。自己紹介の欄にはたった一文。
夢の話、聞いてくれませんか?