序章
一番強い武器は何か?
殺傷能力の高い武器?
性能差に優れた武器?
最も大量生産された武器?
否。
勝利を齎す武器こそ最強である。己を勝利に導かずして何が最強か。仲間を、味方を、家族を、友人を、我が軍を、同胞を、大将を勝たせてこそ武器である。
武器を制するものは世界を制す。
刀剣。銃器。神器。呪具。
たとえ最新鋭の戦闘機を与えられたところで、使い手が訓練を受けていなければ宝の持ち腐れ、猫に小判豚に真珠兎に祭文馬の耳に念仏、制するとは決して手に入れるだけに在らず。
貴様にマシンガンが在れば織田信長に勝てるのか?
貴様にF-16が在ればナポレオンに勝てるのか?
否。
金棒は鬼が持ってこそ金棒である。有史以来、武器を制し、戦場を支配し、時代の勝利を手にしてきた豪傑たち……ではその中で、一体誰が一番強いのか?
ナポレオンと織田信長が戦ったら?
チンギス・ハンと呂布が戦ったら?
曹操とアレクサンドロス大王が戦ったら?
ハンニバルと始皇帝が戦ったら?
最強の武器を手にした英雄同士が、
金棒を持った鬼同士が、
もし本気で激突したら、果たしてどちらが強いのか?
もし、そんな古今東西の”伝説の武将”達が、一堂に会することがあったなら……。
これはとある”事件”をきっかけに妖刀”村正”を手に取った、14歳の少女の物語である……。