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金の靴

作者: 葉桜 笛

 ジュエル14さいの、あき

 母親ははおやくなり、くら雰囲気ふんいきただよ子爵邸ししゃくていに、おんなとついできました。



「まぁ! なんて可愛かわらしい!!

 金色きんいろのサラサラのかみほそ手足てあし

 あなたの母親になれるなんて、しあわせだわ。

 これからよろしくね」

 


 そうってきしめてくれた継母ままははとなる女は、性格せいかくがキツそうなかおをしていました。うつくしいけれど、細いがつりがっていて、ゴワゴワしたボリュームのある髪に迫力はくりょくかんじます。

 女にはむすめ二人ふたりいました。

 うえの娘は細くてたかく、したの娘はジュエルとおなじぐらいの背で、すこしふっくらしています。

 二人とも目がつり上がっていて、継母ままははていました。

 美しい顔をしていましたが、ひんのないわらかたをする人達ひとたちでした――――――。






「ヒャーッハッハッハッッハ!」

「ヒィィッヒッヒッヒッ!」

「イッッヤッハッ――!!」






 つぎあさ

 不気味ぶきみひびわたる笑いごえに、ジュエルはきました。

 昨日きのうから一緒いっしょらしはじめた三人が、ジュエルの部屋へや突然とつぜんやってきたのです。



「ジュエル! あんたの宝石ほうせきは、すべ義姉あねわたしがもらっていくわ!!」

「ずるい、お姉様ねえさま

 だったら、私はジュエルのふくをぜ~んぶもらうわ」

「ジュエル。

 なにおどろいた顔をしてんだい?

 このいえは私がおもっていたよりおかねいようだから、まだお金があるうちに工夫くふうをするわよ」



 ジュエルは、一番上いちばんうえ義姉あねに宝石を、二番目にばんめ義姉あねには服をすべられました。継母ままはははジュエルにふる仕事着しごとぎげつけていました。



無駄金むだがねくすために、使用人しようにんを全て解雇かいこしたわ。

 わりに今日きょうから()()()はたらくくんだよ!」

「……はい。わかりました」






 朝食ちょうしょくとき、古い仕事着姿しごとぎすがたのジュエルをて、父親ちちおやおどろきました。

 すかさず継母ままはは説明せつめいに入ります。



使用人しようにん解雇かいこして、私達わたしたち頑張がんばることにしました。

 昨年さくねん魔物まもの大量発生たいりょうはっせいで、この家は破産はさん寸前すんぜんです。ほか貴族きぞく領主りょうしゅになったら、いまよりたか税金ぜいきんになるにちがいありません。

 領民りょうみんのためにも、節約せつやくですわ」


「まだとついできたばかりだというのに、領地りょうちや家のことをそこまで心配しんぱいしてくれるのか。

 きみ再婚さいこんしてかった。ありがとう」


「なぁに、女が四人よにんもいますから、なんとかなります。

 将来しょうらいのことをかんがえて、ジュエルを上流貴族じょうりゅうきぞくのもとへ行儀見習ぎょうぎみならいにすのもいと思うんです。良い縁談えんだんにこぎつけるかもしれません。

 あらかじめ家の仕事しごとおぼえておくと、きっと御婦人ごふじんからの好感度こうかんどたかくなりますわ」



 あかるく微笑ほほえ継母ままはは言葉ことばを、ジュエルの父親は素直すなおけ取り、感謝かんしゃしました。


 しかし、まるで四人で家の仕事を分担ぶんたんするようなくちぶりでしたが、実際じっさいに家の仕事をするのはジュエルだけでした。

 夜遅よるおそくに家の仕事がわり、朝早あさはやくにきなければならないため、部屋にもどるのさえ面倒めんどうです。

 ジュエルは睡眠時間すいみんじかん確保かくほのため、えてまだあたたかさがのこ暖炉だんろはいの上でるようになりました。






「あ~ら、ジュエルは掃除そうじ仕方しかたらないの?」

「ヒャッハッハッハッハッハ!! もう! しっかりしてよね?」


「すみません。お義姉ねえ様がた…………」



 継母ままはは義姉あね達も、も来る日もジュエルをこき使つかいます。

 節約せつやくのために使用人しようにん解雇かいこしたのに、継母ままはは義姉あねな夜な着飾きかざって夜会やかいに出かけてしまう始末しまつです。

 ジュエルは不安ふあんになりました。


 大人おとな世界せかいはよくわからないけれど、おくむかえの馬車ばしゃにお金がかかるのはジュエルでもわかります。貴族きぞく主催しゅさいするパーティーに参加さんかするための馬車は、見るからに立派りっぱなので高そうです。


 父親は魔物の討伐とうばつ指揮しきを取るために、再婚さいこんしてすぐ現地げんち出発しゅっぱつしてしまったため、しばらく家にはもどりません。

 父親が家にかえってくるまでに破産はさんするのではないかと、ジュエルは思いました。






 一年がたったころ。

 おしろから舞踏会ぶとうかい招待状しょうたいじょうとどきました。 




――――舞踏会で王子おうじ結婚相手けっこんあいてめるので、独身どくしん貴族令嬢きぞくれいじょうかなら参加さんかするように




 これには、継母ままははも二人の義妹あね大興奮だいこうふんです。

 王子様と結婚できれば、もうお金の心配しんぱいなんてしなくてすむとはしゃぎ、贅沢ぜいたくらしを想像そうぞうしてり上がっています。


 “独身の貴族令嬢は必ず……”とあるので(私も参加できる!)と、ジュエルもお城でひらかれるきらびやかな舞踏会を想像してワクワクしました。



「ジュエルは参加できないわよ?」

「あなた、舞踏会にていくドレス持ってないじゃない」



 よろこぶジュエルを見て、二人の義姉あねがいいました。



「え? でも、お義姉ねえ様がわたしのドレスをっているから、してくだされば……」

「はっはっは! 何いってんだい?

 ジュエルは背がびてきたから、着られないわよ?」



 継母ままははにも無理むりだと言われました。

 そう。

 二番目の義姉あね小柄こがらだったので、ジュエルのドレスも着られます。

 しかし、ジュエルは成長期せいちょうきむかえ、二番目の義姉あねに取られたドレスが着られなくなっていたのです。ジュエルはほそいので着るだけなら着れますが、足首あしくびがドレスから出てしまいます。


 今回こんかいの舞踏会がおこなわれるのはよる

 この国のならわしにそうなら、着るのは足がつま先までかくれるドレスです。足首が見えてしまうドレスを着ていくわけにはいきません。


 ジュエルよりが高い一番上の義姉あねに、ドレスをしてほしいと言うことは出来ます。

 しかし、ドレスをりることができても、すそながすぎて歩くことも出来ないでしょう。



「だいたい、あんた、ダンスおどれるのかい?」



 継母ままははうたがうような目で、ジュエルを見ます。

 母親が生きていたころはダンスの練習れんしゅうもしていたので、ジュエルには自信じしんありました。なので、一番上の義姉あね男性役だんせいやくをしてもらって、ダンスを披露ひろうしてみとめてもらおうとしました。

 でも、なぜか足がもつれて上手くおどれません。



(しばらく踊ってなかったから、ダンスをわすれてしまったの!?)



「あ――っっ、ひゃっひゃっひゃ!

 そんなダンスじゃ、わらいものよ?」

「ひ――! 笑いが止まらないわ!!

 はじをかくまえにわかって良かったわね」

「ジュエルは留守番るすばんね? ぐっはっっはっはっは!」


「……はい。わかりました」



 ジュエルは一人、留守番をすることになりました。







 舞踏会ぶとうかい当日とうじつ

 ジュエルは留守番です。

 継母ままはは義姉あねたちの支度したく手伝てつだったあと、ジュエルはひさしぶりに自分じぶん部屋へやにもどり、一人ひとりきました。



「……わたしも……うぅ…………私もおしろに……ってみたかった。

 きらびやかな世界せかいてみたかった…………」






 ひろ屋敷やしきに一人で留守番をしていると、一人の老婆ろうばたずねてました。

 むすめ再婚さいこんしたといていに来たとっています。

 どうやら、老婆は継母ままはは母親ははおやのようでした。



「お継母様かあさまたちはお城の舞踏会ぶとうかいに行きましたから、かえりがおそくなるとおもいます」

「え? あんた、まさか……使用人しようにんじゃなくて、ここの娘さんかい?」



 老婆は、ふる仕事着しごとぎ姿すがたのジュエルをうえからしたまで見て、ビックリしました。

 そして、はなし沢山たくさんいてくれました。「かわいそうに」と言って、ジュエルの目元めもとのこっていたなみだやさしくぬぐってくれました。



「すまないねぇ。

 あれでも、わるではないんだよ。

 最初さいしょかれと思って行動こうどうしても、すぐ目的もくてきわすれて私欲しよくはしってしまう根性こんじょうなしのところ残念ざんねんでね……」



 しみじみと言ったあと、老婆はなにか思いついたらしく、両手りょうてを「ポンッ」とたたきました。



「そうだ! 魔法まほうでおまえを舞踏会にれていってやろう!!

 私が得意とくいなのは変身魔法へんしんまほうでね…………」



 老婆は言いながら、お屋敷のへいっていたトカゲを器用きようつえですくい上げ、足下あしもとほうると杖をりました。すると、トカゲは立派りっぱうまに姿をえました。



「馬一匹(いっぴき)じゃりないね。

 ちょっと手伝てつだっておくれ」



 老婆はジュエルに、トカゲをもう一匹とネズミを二匹(つか)まえてきてほしいと言いました。

 ジュエルは屋敷のかべい上ろうとしているトカゲを摑まえ、つぎ台所だいどころに行き、ネズミりのわなにはまっていたネズミ二匹を老婆のもとって行きました。

 そのあいだに、老婆は「大きな野菜やさいはないかね~」と言って、はたけからおおきなカボチャをって来て、ジュエルをっていました。

 


「お~、はやい早い。

 やっぱ、わかいもんはちがうね」



 老婆は感心かんしんしたあと、ふたたび杖をりました。

 すると、トカゲは馬に。ネズミは従者じゅうしゃ御者ぎょしゃに。そしてカボチャは馬車になりました。

 はじめてにした魔法に、ジュエルは目をかがやかせました。



「では、次はおまえさんのふくだね」

「え?」



 老婆がジュエルにむかかって杖を振ると、着ていた古い仕事着が空色そらいろ綺麗きれいなドレスになりました。サラサラした手触てざわりで、キラキラかがやいて見える生地きじはとってもたかそうです。


 魔法でジュエルの髪型かみがたまで変わりました。

 背中せなかまである金色きんいろの髪はい上げられ、すこし大きめのお団子だんごを、真珠しんじゅちりばめた髪飾かみかざりでまとめてあります。



「まぁ! お婆さまの魔法って、とてもすごいのね。

 一瞬いっしゅんでお姫様のようになったわ!!」

「ヒャッヒャッヒャ。

 そうだろう。そうだろう。

 こう見えて私は、先代せんだい勇者ゆうしゃのパーティーメンバーだったんだよ。

 “うつしき変身へんしん魔法の使つか”とは私のことさ」



 得意とくいげに自慢じまんする老婆を見て、ジュエルは継母ままはは義姉あねたちはたしかにこの老婆のいていると思いました。

 わらうとほそ見開みひらかれ、三白眼さんぱくがんがハッキリと見えてとても迫力はくりょくがあります。その笑い方は独特どくとくのものでした。



「では、最後さいごに、あたらしくできたまごにプレゼントをあげようかね」



 老婆が杖を下の方にチョンとると、ジュエルがいていた〔くつ〕はかがやく〔きんの靴〕に変わりました。

 〔金の靴〕は、老婆の秘蔵ひぞうコレクションの一つでした。

 勇者のパーティーに入っていたわかころ、ドラゴンの討伐とうばつに行ったさき王様おうさまがおおれいにくれたものです。


 これをけば、きっと上手じょうずにダンスをおどれると老婆が言うので、(もしかしたら、この〔金の靴〕は魔法の靴なのかもしれない)とジュエルは思いました。

 金で作られているだけでも貴重きちょうなのに、さらに魔法の付与ふよまであるとなると高価こうかすぎて、もらっていものかとなやみました。



にせずけ取っておくれ。

 年寄としよりは、若いもんに“いきところ”を見せたいものなのさ。

 それにつながってなくても、私のまごになったんだから遠慮えんりょはいらないよ」



 老婆はジュエルと〔家族かぞく〕になろうとしてくれているようでした。ジュエルはそのことがうれしくて、素直すなおに〔金の靴〕をもらうことにしました。



日付ひずけが変わる0時のかねわるまでには帰っておいで。

 冒険者だった私の魔法は、戦闘せんとうきなんだよ。派手はでに変身できても、持久力じきゅうりょくい。だから時間じかんにはをつけるんだよ?」


「はい! わかりました!!」





 お城にくと、門番もんばんひとも、受付うけつけの人も、みんなジュエルがってきた馬車におどろきました。見たことのないデザイン。全体的ぜんたいてきまるみをびていて、さぞかし素晴らしい職人しょくにんつくったにちがいないと、感心かんしんしながら馬車を見つめました。

 そして、「芸術品げいじゅつひんのような馬車からとてもうつくしい女性じょせいてきた」「何処どこかのくにのお姫様ひめさまだ」とあわてだしました。あまりに慌てたので、招待状しょうたいじょう確認かくにんなどせず、すぐに舞踏会場に案内あんないしてくれました。


 重厚感じゅうこうかんのある“大きくて立派りっぱなドア”から舞踏会場ぶとうかいじょうはいると、そこは、ジュエルが思っていたよりもキラキラした世界せかいでした。

 まばゆいほどに輝く大きなシャンデリア。いろんな所に、大量たいりょうかざられたはなかべの上のほうには植物しょくぶつのデザインをした蝋燭台ろうそくだい。ロウソクがくきで、そのさきほのおが〔花〕に見立みたててあって、とてもひんがありました。玉座ぎょくざちかくでは二十人にじゅうにんぐらいの楽団がくだんが、綺麗きれい音色ねいろかなでてます。もう一つあるとびらの近くでは芸術品のようなデザートや、立食りっしょくでもべやすいサイズのおいしそうな料理りょうりならべられています。


 そして、会場かいじょうあつまった人達ひとたちの美しく着飾きかざった姿すがた

 輝く宝石ほうせき。フワフワしたドレス。何時間なんじかんもかけてセットしたであろう髪型。

 男性だんせい何故なぜだか美しく見えます。

 自信じしんちた立ちい。キレイになでつけた髪型。それに、男性もさりげなく宝石をタキシードに使つかっていたりしています。



 さきに会場にいた貴族きぞく人々(ひとびと)は、ジュエルを見てあまりの美しさにためいきをもらしました。

 そして、ぐち感動かんどうしているジュエルのもとに、王子様おうじさまってきて「美しい人。どうか私とおどってください」とダンスのもうみをしました。


 ちゃんと踊れるだろうかと心配になりながらも、お婆さんがくれた〔金のくつ〕をしんじて、ジュエルは王子様と踊ることにしました。




(すごい! すごいわ!!

 一番上のお義姉様ねえさまと踊ったときとは全然ぜんぜん違う。

 あしがとてもなめらかにうごく!

 お婆さん、ありがとう!!)




 ゆめのような時間じかんでした。

 ダンスを踊ったあとも、王子様はずっとジュエルのそばにいてくれて楽しい時間をごせました。バルコニーでおしゃべりをしたり、もう一度いちどダンスを踊ったり、時々(ときどき)なかいてないか気遣きづってくれたり、ものすすめてくれたりしました。



「会場のシャンデリア、繊細せんさいな作りでとっても豪華ごうか。お城ってすごい所ですね」

「“ステキな所”とは、よく言われるけれど、“凄い所”と言われたのははじめてです。あなたは変わったかたですね」



 うれしそうな笑顔でこたえる王子様。

 ジュエルはしずかに首を横に振りました。


「いいえ。

 あのシャンデリアは、古い伝統でんとういでいるように見えます。

 お掃除そうじするのがとても大変たいへんそう。なのに、新品しんぴんのようにキレイなのは、お掃除する人がほこりを持って丁寧ていねいあつかっているからだと思います。

 給料分きゅうりょうぶんはたらけば良いと思っている人達の仕事ぶりでは、きっとこの美しさを維持いじできないでしょう。

 素晴らしい人達をやとつづけられる王室は凄いです」



 ジュエルは一人で家の掃除そうじをするようになって気付きづいたことがありました。

 それは、使用人達は見えるところは掃除をしていても、見えにくい所はやっていない場合ばあいおおいということです。



本当ほんとうの財産は〔人〕だと、あなたはおっしゃるのですね。

 なんて素晴らしい考えの持ちぬしなんだ!

 もっと、あなたのことをおしえてください。

 お名前は……」






 ゴーン






 楽しい時間はすぐにってしまうもので、もう0時になるようです。

 ジュエルはあせりました。

 かねり終わると、お婆さんがかけてくれた魔法がとけてしまいます。

 0時をげる鐘が鳴るのは12回。

 鐘が鳴り終わるまでに家に帰らなければなりません。

 ジュエルは、王子様に「すみません。帰る時間になってしまいました」とことわりをいれてけ出しました。



ってください!!」



 王子様がいかけて来たので、ジュエルはさらあわてました。

 魔法がとけた姿すがたを見られるわけにはいきません。

 王子様は、〔魔法でお姫様のようになったジュエル〕を気に入ってくれたのです。古い仕事着姿にもどったら、きっとガッカリされるでしょう。王子様から「ウソつき」とか「詐欺師さぎし」といわれたら、なおれないとジュエルは思いました。






 ……ゴーン






 ジュエルは必死ひっしはしりました。

 でも、王子様はすぐにいつきました。



「……仕方しかたい。

 左足ひだりあし封印ふういんくしかないわ」


「え?

 いま、なんて……?

 左足の封印??????」



 混乱こんらんしている王子様にかまわず、ジュエルは左足の〔金の靴〕をてました。“封印とはいったい何なのか”と、王子様が戸惑とまどっている間に、ジュエルは走って馬車にみます。

 そして馬車は、こわれてしまうのではないかというぐらいれながら走り、途中とちゅう山道やまみちで、ジュエルは馬車からげ出されました。

 魔法がとけてしまったのです。


 き上がると、馬車はカボチャにもどっていました。近くにトカゲとネズミがいます。

 ジュエルはもとの〔古い仕事着姿〕で、手元てもとには〔金の靴〕の右足だけがのこりました。〔金の靴〕の右足を大事だいじにかかえて、山道を子爵邸ししゃくていまでジュエルは走りました。



 やっとのことで屋敷やしきいても、まだ継母達ままははたちかえっていないようでした。

 ジュエルは急いで、片方かたほうだけの〔金の靴〕を自分じぶん部屋へやにしまい、ベッドによこになってているフリをしました。それからしばらくして継母達が帰ってきたので、いまきたかのようにむかえました。



「今日の舞踏会は、とても素晴すばらしかったわ」

「みんなステキなドレスだったのよ」

なかでも、一番キレイな御令嬢ごれいじょうに王子様はつきっきりでね…………」



 継母ままはは義姉あねたちは、ご機嫌きげんで今日の舞踏会の様子ようすはなしました。

 聞いているうちに、話に出てくる“一番キレイな御令嬢”は自分のことだということにがつきました。魔法で変身させてもらった姿だったけれど、めてくれるのがうれしくて、ジュエルは継母ままははたちの話に笑顔えがおうなずきました。


 舞踏会で王子様とおどった経験けいけんは、ジュエルにとってステキな思い出になりました。






 しばらくたって、まちになるウワサをみみにしました。

 王子様おうじさま舞踏会ぶとうかい出会であった女性じょせいさがしているらしいのです。「なんでも、〔金のくつ〕がける御令嬢ごれいじょう結婚けっこんするというウワサよ」と、ばなしをしているおばさんたちっていました。






(王子様がわたしさがしているの!?)






 ジュエルの予想よそうしなかった事態じたいでした。

 王子様はジュエルにとってくもうえ存在そんざいです。

 魔法まほう変身へんしんしたって、きっと王子様はジュエルのことなどすぐにわすれて、気品きひんのあるステキな女性じょせいと結婚するものだとおもっていました。

 おもとして、こころささえにしてきていくつもりが、なんと、王子様がジュエルをさがしまわっているというではないですか。

 それがうれしくて嬉しくて、ジュエルはとにかくいえかってはしりました。






(どうしたら良いのかしら!?

 わたしの持っているもう一つの〔金の靴〕をお城に持って行けばいいの?

 でも、古い仕事着姿の私の言葉ことばしんじてくれるかしら?

 ぬすんだと思われない?

 ……いえ、大丈夫だいじょうぶ

 〔金の靴〕を見せれば、持ち主は私だってわかってくれるわ!!)






 家にくと、ちょうど王子様が7人の騎士きしれて継母ままははと話をしていました。



「この〔金の靴〕をける御令嬢ごれいじょうさがしている。

 たしか、この家には娘が3人いたな。

 ちょっといてみてもらえないだろうか?」



 継母ままはははすぐに、王子様が舞踏会ぶとうかいあらわれたうつくしい御令嬢ごれいじょうを探していることに気付きづきました。

 もしも、自分の娘のどちらかが〔金の靴〕をけたなら、あの日にあらわれた一番美しい御令嬢のかわりに、自分の娘が王子様と結婚できるかもしれません。継母ままははいそいで娘をよびました。


 その様子ようすかげから見ていたジュエルは、自分の部屋へ〔金の靴〕を取りに走りました。



(本当に王子様が私を探しに来てた!!)



 ジュエルが〔金の靴〕を取りに行ってる間も、王子様と継母ままははの話はすすんでいて、まずは一番上の義姉あねが〔金の靴〕をけるか挑戦ちょうせんすることになりました。

 大きくて体格たいかくのよい強そうな騎士が、あつめのクッションにのせられた〔金の靴〕を大事そうに持って前に出てきました。



 一番上の義姉あねは、“これは私の靴です”と言わんばかりに、ゆっくりと優雅ゆうがに〔金の靴〕に足を入れました。しかし、一番上の義姉あねたかいぶん足も大きくて、かかとが入りませんでした。


 次に、二番目の義姉あねの番になりました。

 二番目の姉も“これは私の靴です”と言わんばかりに、ゆっくりと優雅に〔金の靴〕に足を入れました。しかし、二番目の義姉あねはポッチャリとしてるので、横がキツくて入りません。

 そこで、二番目の義姉あねはグリグリと足の贅肉ぜいにくを〔金の靴〕に押し当てながら、肉を少しずつ移動いどうさせて、少しずつ足を入れる作戦にでました。

 優雅にゆっくりときはじめたぶん、まわりから見ても違和感いわかんなく〔金の靴〕を履いて見せることが出来たのでした。

 


「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「やったわね!!!!」

「でかしたわ!! が娘!!!!!!!!!!!!!!」



 三人は大喜おおよろこび。

 もう片方の〔金の靴〕を部屋から取ってきたジュエルは、屋敷やしきから出てきてびっくりしました。

 嬉しそうにおおはしゃぎする継母ままははたち。

 それをおだやかなみで見ている王子様の姿すがた

 ジュエルは見ているのがつらくなりました。



(…………どうすれば良かったの?)



 きっと王子様は、〔金の靴〕を履けた“二番目の義姉あね”と結婚するのでしょう。



(舞踏会で王子様とダンスをおどったのは私なのに…………)



 しかし、舞踏会の日、ジュエルが帰ったあと王子様は誰と踊ったのか、誰とも踊らなかったのか、途中とちゅうで帰ったジュエルにはわからないのです。もしかしたら、義姉あねとも踊ったかもしれません。

 それに、二番目の義姉あねはジュエルの服を着られます。足の大きさがおなじでも、不思議ふしぎではありません。



証拠しょうこくつなんて取りに行かずに、すぐ名乗なのり出れば良かった…………)



 絶望ぜつぼうしたせいか、全身ぜんしんの力がけていきました。



(……いいえ。

 〔金の靴〕を取りに行くのがどうこうと言うより、そもそも舞踏会で王子様からげなければよかったのよ。

 魔法がとけて、ふる仕事着姿しごとぎすがたを見られるのを怖がらずに、本当のことを言えばよかった。

 たとえ幻滅げんめつされても、そのほうがずっと良かった。

 ……でも、あの時の私は、王子様とのステキな時間を、ステキなまま終わらせたかった………………ステキなよるおもにしたかった)



 すべては自分の弱さがいけなかったと思ったとき、ジュエルのほほ一筋ひとすじなみだながれました。



(私は王子様をしんじることが出来なかったんだわ――――――)



 涙が止まらなくなり、ジュエルはその場にくずれ落ちました。

 それでも、王子様との想い出の〔金の靴〕は大事だいじかかえています。






「では、あるいてもらえますか?」






 継母ままははたちがよろこ姿すがたを笑顔で見ていた王子様がいいました。






「え゛?」






 王子様の言葉を聞いて、なぜか二番目の義姉あね顔色かおいろわるくなりました。



「王子様がおのぞみよ?

 はやく歩いて見せなさいよ」

「どうしたんだい? 早くお歩き!」



 継母ままははと一番上の義姉あねが「歩け歩け」と、二番目の義姉あねかします。

 ですが、二番目の義姉あねの顔色は悪くなるばかり。

 そのうち、青いかおをした二番目の義姉あねが言いにくそうに口をひらきました。



「…………無理むり……」



 ただ歩いて見せるだけなのに、何をもったいぶっているのかと継母ままははおこり出しました。



「なに言ってんの!?

 その〔金の靴〕にのろいでもかかってんのかい?」


「お母様。そうじゃないの!

 無理なのよ!!

 この靴、とてもおもくてびくともしないの!!!!!!!!」







 きんは重たいです。

 23㎝のパンプスがだいたい200~230グラムと言われています。それは、サツマイモ一本分ぐらいの重さ。それにたいして、金で出来ているジュエルのくつは、片方かたほうだけで約46㎏もありました。

 だから、二番目の義姉あねがいくら頑張がんばっても、歩くどころか足をげることすら出来なかったのです。重さ5㎏のてつアレイ9個分より重い靴と考えると、想像そうぞうしやすいかもしれません。

 

 ジュエルはお婆さんが〔魔法が付与ふよされた靴〕をくれたのだと思っていましたが、そうではなかったのです。


 ネズミをりに行かせたとき、ジュエルの異常いじょうなほどの脚力きゃくりょくにお婆さんは気付きました。

 一番上の義姉あねと踊ってうまく踊れなかったのは、ジュエルが足の力をあましているからと推測すいそくし、おもりをつければ普通ふつうに踊れるだろうと、重たい〔金の靴〕をくれたのです。

 一人でお屋敷の家事かじをこなしているうちに、手だけでなく“足も使わなければ仕事が終わらない”と思って頑張りつづけたジュエルの足は、異常いじょうすぎるほどにきたえられていたのです。






「〔金の靴〕をまもるため、つよそうな騎士に持たせていたんじゃないのね!!

 屈強くっきょうな騎士でないと、()()()()んだわ!!!!」






 二番目の義姉あねさけびました。


 そう。

 大変たいへん重たい靴なので、体格たいかくのよい騎士でないと〔金の靴〕を持ちはこぶことが出来できなかったのです。

 しかも、各地かくちまわってぬしを探すとなると、交代こうたいで持たないと途中とちゅうで騎士がたおれてしまいます。

 王子様が連れている騎士たちは、“王子様の護衛ごえい”というより“〔金の靴〕を大事だいじはこぶための交代要員こうたいよういん”だったのでした。


 二番目の義姉あねの言葉に、継母ままははと一番上の義姉あね顔色かおいろも青くなりました。

 王子様は、ためいきまじりにこたえました。



「〔金の靴〕をけた女性はね、何人かいたんだ。

 だけど、だれ一人として〔金の靴〕を履いたまま歩くことが出来なかった」



 本当の〔金の靴〕の持ち主なら、履いて歩けるはずです。

 王子様は“靴が履けるか”だけでなく、“履いて歩けるか”まで見ていたのでした。


 ジュエルは顔を上げました。

 今こそ、名乗なのり出る絶好ぜっこう機会きかいです。

 かかえていたもう片方かたほうの〔金の靴〕をにぎりしめ、こえり上げました。




「それは、私の靴です!!」




 王子様は、ジュエルがにしているもう片方の〔金の靴〕を見て、目をかがやかせました。

 二番目の義姉あねは、大人しく〔金の靴〕をぎ、小さく悲鳴ひめいをもらしながらうしろへがります。

 ジュエルはそっと〔金の靴〕を両足りょうあしそろえていてから、足を入れました。ゆっくりと歩いてみせると、王子様とその家来達けらいたち歓声かんせいげました。



「あなたこそ、僕が探していた“舞踏会で出会った女性”だ!!

 どうか、僕と結婚してください」



 王子様からの求婚きゅうこんに、ジュエルは「はい。よろこんで」と答えました。

 継母と一番上の義姉あねは、とてもくやしそうにうなりました。

 そして、二番目の義姉あねふたた悲鳴ひめいを上げました。






「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっえぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!」






 ジュエルは不思議ふしぎに思いました。



(あれ? なぜ二番目のお義姉様ねえさまよろこんでいるの!?!?

 てっきり、お義姉様ねえさまは王子様と結婚したいのだと思ったのに、こんなにも喜んでくださるなんて…………?)



 じつは、今まで義妹あねの悲鳴を聞く機会きかいがありませんでした。

 継母ままはは義姉あねはよく「ひぃゃっはっは」とわらっていたので、二番目の義姉あねの悲鳴も“よろこんで笑っている”とジュエルは勘違かんちがいしたのです。



「!? なんでお前は悲鳴を上げているんだい?」

「〔金の靴〕の重さをわかってないから言えるのよ!!

 あの子、本当はバケモノなみ力持ちからもちよ!!」

「まちなさい!

 一緒いっしょみ始めた時は、ちっともそんな感じしなかったじゃないか!!」



 たしかに最初さいしょ普通ふつうひとおなじぐらいの筋力きんりょくしかありませんでした。

 しかし、一人でお屋敷やしき家事かじをこなしてみて、手だけでなく“足も使わなければ仕事しごとわらない”と思ったジュエルは、まるで曲芸きょくげいのように足もしっかりとうごかすようになり、異常いじょうすぎるほどにきたえられていたのです。



「私達が家の仕事を全部ぜんぶしつけたから、筋力きんりょく異常いじょうに上がったとでも言うの!?」

常識じょうしきで考えて、そんなことってある!?

 ウソでしょ!?」

「私達……復讐ふくしゅうされるのかしら…………」

「ひぃぃぃぃぃっっ!!」

「ひゃぁぁぁぁぁぁ!!」

「ひぅあぁぁぁぁぁ!!」



 継母と二人の義姉あねは、ジュエルからの復讐ふくしゅうおそれて悲鳴を上げました。

 しかし、ジュエルには祝福しゅくふくの声にしか聞こえません。



(お継母様かあさまと一番上のお義姉様ねえさまも喜んでくださるの?)



 何故なぜなんだろうとかんがえているうちに、ジュエルは三人に出会であったばかりのことを思いだしました。




――――将来しょうらいのことを考えて、ジュエルを上流貴族じょうりゅうきぞくのもとへ行儀見習ぎょうぎみならいに出すのも良いと思うんです。




(そういえば、お継母様かあさまは“良い縁談えんだん”が私にるようにと言ってたわ。お掃除そうじは“行儀見習ぎょうぎみならい”にまえ練習れんしゅうだと……)



 思いだしはじめると、つぎから次にになりました。




――――あ~ら、ジュエルは掃除そうじ仕方しかたも知らないの?




(私に仕事しごとが出来てないと言ったあとかならずお手本てほんを見せてくれたわ。

 お義姉様達ねえさまたちは掃除の仕方をっている……。私とちがってにつける必要ひつようは無い。

 そもそも、この“ふる仕事着しごとぎ”ってだれのもの?

 すぐに出てきたけど、屋敷やしきつとめていたメイドの制服せいふくのデザインとはちがうし……古いもののようだわ。

 まさか!

 お継母様かあさまわかころていたふく!?

 初心しょしんを忘れないように、大事だいじに持っていたものを私に!?)



 ジュエルの推理すいりが止まらなくなりました。




――――はっはっは! 何いってんだい?

 ジュエルは背がびてきたから、着られないわよ?




(三人とも私の背がびたことに気付いてくれてた)




――――あれでも、悪い子ではないんだよ。

 最初はかれと思って行動しても、すぐ目的もくてきを忘れて私欲しよくに走ってしまう根性こんじょうなしの所が残念ざんねんだけどね……



 

(てっきり、私はきらわれているのだと思ってたけど、そうじゃないのかも。

 だって、あの親切しんせつなおばあ様のいていらっしゃるのよ?

 お義姉様達ねえさまたちはよく夜会やかい参加さんかされてたけれど、あたらしい宝石ほうせきやドレスをってない。私のをたまに使つかうぐらい。

 お義姉様達ねえさまたち節約せつやくをしていたのだわ!!

 私より家のことを考えてくださっていたのに、私ったらなんて勘違かんちがいを――――!!)



 両手りょうて指先ゆびさき口元くちもとさえふるえるジュエルに、王子様は心配そうに「大丈夫ですか?」と声をかけました。

 


「王子様。心配してくれてありがとうございます。

 みんながとても喜んでくれているので、感動かんどうしただけです」

「え? あれは悲鳴ではないのですか?」

「私の家族は、ちょっと変わった喜びの声を上げるんです」



 とても幸せそうに言うジュエルの姿すがたを見て、王子様もニッコリと笑顔になりました。



「お義姉ねえ様。

 この靴を履いて歩くにはコツがいるんです」



 ジュエルは〔金の靴〕を二番目の義姉あねゆずろうと思い、説明せつめいを始めました。



「つまさき支点してんにして、かかとを上げれば重さを感じることなく――――」


「出来るかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 そんな問題じゃないのよぉぉぉぉぉぉ!!!!」


「え? でもお義姉ねえ様!

 私は王子様と結婚することになりましたから、今度こんどはお義姉ねえ様がこの〔金の靴〕を履いてステキな男性だんせい出会であってほし――――」


無理むり無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理」


遠慮えんりょなさらないで。

 お義姉ねえ様もしあわせになってほし――――」


「悪かったわ!!

 私達が悪かった!!!!

 あんたをそんなからだにした私達をゆるして! ジュエル!!!!」



 ここで騎士きし達が話に入ってきました。



「なんと! あなたがたが、特訓とっくんを!?」

「〔金の靴〕は本当に重たかったです」

「あれを履けるように、ご教授きょうじゅされたのはあなたがただと!」

我々(われわれ)のことも、ぜひ! 特訓してください!!」

くにまも最強さいきょうけんになりたいのです!!」

「ぜひ! 私と結婚して四六時中しろくじちゅうきたえてもらえませんか?」

「いいや! 私と!! 結婚して下さい!!!!」




 二人の義姉あねは、たちまちモテモテになりました。

 ジュエルは“当然とうぜんのこと”と思いましたが、義姉あね達はこまりました。

 家の仕事を全部ぜんぶしつけただけと知れたら、きっと、いろんな人からおこられます。それだけなら良いですが、ジュエルは今や“王子様の婚約者”です。未来みらい王妃おうひひど仕打しうちをしたと、牢屋ろうやれられたり、重いばつあたえられるかもしれません。そう思うと、王子様()きの騎士達に求婚きゅうこんされても喜ぶ気にもなれず、また悲鳴がもれました。



「ひ、ひぃぃぃぃ!」

「ひぃやぁぁぁぁ!」


「まぁ! お義姉様達ねえさまたちが喜んでます!!」


「「「そうですか!! では、我々(われわれ)なかからぜひ婿むこえらんでください!!」」」






 結局けっきょく、二人の義姉あねは騎士達のもうことわることができず、それぞれ王子様付きの騎士と結婚することになりました。

 魔物の討伐とうばつに行っていた父親は、ひさしぶりに家に帰ると娘が三人とも結婚することになっていてビックリしました。


 そして、三姉妹さんしまいの結婚式は同時におこなわれました。

 意地悪いじわるだった二人の義姉あねこころを入れかえ、みんな仲良なかよく、末永すえながく幸せにらしました。

お読みくださり、ありがとうございました。


〔金の靴〕の重さは、だいたいの面積で計算しています。デザインによって重さはかなり変わりますが……計算が間違えていたらすみません。


誤字·脱字報告ありがとうございます!!

初めて頂いたので、とても嬉しかったです!


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― 新着の感想 ―
[良い点] シンデレラの舞台を異世界に変更しただけではなく、まさかガラスの靴を金の靴に変えるという一見すると些細な変更がこんなに終盤に大きな影響を与えるとは思わず、驚きました。 勿論、言われてみれば確…
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