表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/53

ヴァルキリーたちの父親は人間?

 直隆が三人の間にチョップを差しこむ。


「そんで、ようするに俺は明日、あの南蛮人と殺し合って勝てばいいんだな?」

「ええ! 英霊は死んでも一日で復活するから死んでも勝つのよ! 大事なのはあんたの命よりあたしの名誉なんだから!」

「お前ほんとギルドマスターの才能ねぇなぁ」

「なんですって! 人間のくせに生意気よあんた!」


 ジト目で見る直隆に両手を振りあげて怒るエイル。

 その様子を、アイルとジュウイチは優しい眼差しで見てあげた。


「はいはい喧嘩はそこまで。それにエイル、人間のくせに、なんて言っちゃだめよ。そんなだから貴女はいつまで経っても専属英霊がつかないんだから」


 姉にたしなめられて、エイルは両手の人差し指の先をちょんちょん合わせながらうつむく。


「だ、だってぇ……あたし達は神に仕えるヴァルキリーで、天使とか天女とかと同じで、人間なんかよりもずっと高等な」

「女しか生まれないヴァルキリーはみんな人間の英霊と結婚して子供を残すのよ。エイルだっていつかは人間の男性と結婚するし、私達のパパだって人間なんだから、パパ悲しむわよ?」

「ぱ、パパは……別だもん……」


 エイルは頬を染めながら視線を逸らす。


「あらそう♪ パパも喜ぶわ♪ ていうかベルセルクなんてパパに頼めば家臣の人貸してくれるでしょ? 意地張ってないで早くパパに頼めばいいのに」


「あ、あたしは自分のベルセルクは自分で見つけるの! スイレーみたいにパパが武田信玄だからって武田四天王を自分のベルセルクしたりなんてしないんだから!」


 ジュウイチが頷く。


「あーそっか。オーディンの娘である第一世代のヴァルキリー以外は全員英霊の娘なんだから、父親が王様系の英霊なら父親の家臣を借りれば簡単にベルセルクが手に入るのか」


「親の七光なんてカッコ悪い真似、あたしはお断りよ」


 親の七光。という単語に、直隆はちょっと興味ありげにエイルに視線を向けた。


「あ、それと私はジュウイチのモノになる事にしたから、今度パパに報告しに行ってくるわ♪」

「はい!?」


 エイルはズガガーンと音がしそうな顔でショックを受ける。

 アイルは乙女の顔でジュウイチの手を取った。


「もうね、ジュウイチね、すっごく優しくてすっごくたくましくて、すっごくすっごくすごいの♪ ヴァルハラに来る英霊はまず全員フレイヤ様の館に行かなきゃいけないでしょ? フレイヤ様もジュウイチにめろめろで大変だったんだからぁん♪」


「俺一五人の本妻と一〇〇億の側室がいたけど、まさかヴァルキリーが嫁いで来るとは思わなかったなぁ」

「やぁん♪ ジュウイチってば本当にモテモテなんだからぁ♪」

「恋が盲目過ぎる!?」


 驚愕するエイルの肩に、直隆の手が置かれて、振り返る。


「エイル、あきらめろ」


 エイルはがくっと肩を落とす。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 【電撃文庫】から【僕らは英雄になれるのだろうか】発売中です。

 電撃文庫公式twitterではマンガ版を読めます!


https://twitter.com/tatatabaty/status/1511888218102267905?cxt=HHwWgoCswd6Up_spAAAA

 主人公合格編


https://twitter.com/bunko_dengeki/status/1512023759531950089?cxt=HHwWkoDS7aTm5PspAAAA

 魔力出力測定編


英雄に憧れた全ての少年に贈る、師との絆が織り成す学園バトル!


人類を護る盾であり、特異な能力の使用を国家から許可されているシーカー。

その養成学校への入学を懸けて、草薙大和は幼なじみの天才少女、御雷蕾愛との入学試験決勝戦に臨んでいた。しかし結果は敗北。試験は不合格となってしまう。


そんな大和の前に、かつて大和の命を救ってくれたシーカーの息子、浮雲真白が現れる。傷心の大和に、大事なのは才能でも努力でもなく、熱意と環境であり、やる気だけ持って学園に来ないかと誘ってくれたのだった。念願叶って入学を果たした大和だが、真白のクラスは変人ばかり集められ、大和を入学させたのにも、何か目的があるのではと疑われ──。


ニワトリが飛べないのは才能でも努力でもなく環境のせいだ! 無能な少年と師匠の出会いが、一人の英雄を誕生させる──。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ