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三国時代最強の女傑 チュウ・アウ

「いやぁー、なんかすごかったわね……」


 フェスタ参加の手続きを終わらせて、エイル達は街中の酒場へ入店。

 てきとうなテーブルのイスに座って、給仕ヴァルキリーへ注文を言って料理が来るのを待った。


「まっ、ヴァルバトの頂点様達だらけだしな。おいゼノビア、そういやお前女王だったのにこういう場所で食事とかするのか?」


「この世界に来て何年経つと思っていますの? もう慣れたし、たまにはこういうお店での食事も悪くありませんわ。まっ、普段は生前王族貴族だった英霊が利用する高級レストランが多いのですが」


 カラミティが、


「こいつあたしが作った飯食わないんだぜ」

「あれはディナーではありませんわ。ファーストフード以外作れないメイドは黙っていなさい」

「へいへい」


 カラミティはゼノビアに下唇を突きだした。

 その時、直隆の後ろ数メートル先のテーブル席がガタついた。


「なんだ?」


 直隆が振り返ると、どうやら男がテーブルを叩いたらしい。

 古代ローマ風の衣装を身にまとったガタイのいい男達、その一人の拳がテーブルについている。

 男達に囲まれる形で、一人の女性が座っている。

 ベトナムの民族衣装、アオザイを着ていて、



 デカッッッッ!?



 エイル、直隆、ゼノビア、カラミティの心の一つになった。

 デカイ、デカ過ぎる。


 何がデカイかと言うと、その女性のバストが極端にデカかったのだ。


 全身にぴったりとしたタイトなアオザイは、女性の首や腕が女性的で決して太くない事を語るが、テーブルの上にはスイカのような大きさの胸が乗っている。


 乗っていて、しっかりとした弾力を主張しながらもやわらかさを強調するようにして、程良く、あくまで程良くつぶれている。


 女性のアオザイは本来のアオザイとは違い、胸の部分にスリットが入っている。


 丸見えの深く大きな谷間の視線吸引力たるや……ゼノビアが目を血走らせる程だった。


「すげぇな、おいエイル、あいつお前よりデカイぞ……? おーい、エイルー?」


 直隆はエイルの顔の前で手を振るが、エイルは青ざめたまま、ぴくりとも動かない。


「な、なに食べたらあんなに……」

「? おいカティ」


 カラミティは高速の呪詛を呟きながら両目から血の涙を流している。


「お、おう、なんかこえーなお前……」


 一方、くだんの席では。


「だから俺らのギルドに入れって言ってるだろ?」

「お前フリーなんだろ?」

「わ、私は自身が認めた相手としか組まぬ」


 女性がしっかりと言い返す。でも男達は諦めない。


「てめぇ、俺らネロ様近衛兵がわざわざ誘っていやっているのに」

「無礼だとは思わねぇのか!」


 そこで、ようやくエイルが正気に戻る。


「どうやら強引な勧誘みたいね、フェスタ前に少しでもギルドの戦力を増強しようってことなんでしょうけど、許せないわね」

「え? お前が言うの? お前どうやって俺をギルドに入れたか覚えてる?」

「え? 確かあんたの方から是非とも入れて下さいと頭を下げて」

「編集するな! って、ゼノビア?」


 ゼノビアが席を立つ。


「行くわよカティ」

「おう」


 ゼノビアに続き、カラミティも意気揚々と立ち上がる。


「ちょっとそこの下郎」


 男達の目が、ゼノビアを鋭く睨んだ。


「嫌がる女性を無理矢理勧誘するだなんて感心しませんわね。今すぐワタクシの視界から消えるなら許してさしあげますわよ」

「なんだてめぇは!」

「俺らがネロ様近衛兵だって知ってんのか!」


 ゼノビアは、王者の余裕で恐ろしい笑みを返す。


「ワタクシ、貴女方のような輩は嫌いですが、ローマ野郎はもっと嫌いですの、カティ!」

「OK!」


 ほぼゼロ秒でカティは両手のホルスターから拳銃を引き抜き、男達の腹を次々撃ち抜いて行く。


 拳銃を抜くのが速過ぎて、並の英霊にはいきなり手の平に拳銃が召喚されたように見えただろう。


 カティは愉快に笑いながら躊躇いなく男たちの腹に弾丸を撃ち込み、男達は血を吐きながら前のめりになった。


「とっとと帰んな!」

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