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底知れぬ力

「あああああああああ、あたしのゲッツがぁ!」


 バラバラ死体になってしまった自分のベルセルクを見て悲鳴をあげるヴァルキリー。


 スイレーの仲間である残り三人のヴァルキリーは我に帰ると、近くに待機させていたベルセルク達を呼ぶ。


 すぐに七人の西洋騎士や海賊、中東風の戦士が集まって来る。


『こんなの無効よ! やっちゃって』


 ギルドマスターの指示に、七人のベルセルクが一斉に直隆に襲い掛かる。

 完全な逆恨みによる、ルール無視の殺戮事件が起ころうとして、銃声がそれを止めた。

 ベルセルク達の足下を斬るようにして芝生に撃ち込まれた銃弾。

 見れば、ジュウイチが軍隊で使われる小銃を手に持ち、銃口からは煙が上がっている。


「居合撃ちってやるだ。やるなら俺が相手になるぞ」


 ジュウイチは遊ぶ子供のような表情で誘う。

 相手のヴァルキリー達は激昂して怒鳴る。


「あんたは関係ないでしょ!」

「ていうかその銃、あんた近代の英雄ね!」

「銃がなきゃ何も出来ない奴が偉そうに!」

「そうかい? じゃあ」


 ジュウイチの手から小銃が消え、次の瞬間にはジュウイチの姿も消えた。


「素手でやろう」


 瞬間移動したジュウイチの回し蹴りが、ベルセルク達の得物を真横からへし折った。


「ほらよ!」


 目にもとまらぬ拳と蹴りの四連撃。

 間髪いれず一人の騎士の手を取り一本背負い、海賊の頭に高速で叩きつけて撃沈。

 最後の一人は慌てて新しい剣を召喚して構える。

 ジュウイチも小銃を召喚し構えるが撃たない。

 引き金に指はかけず、銃口の下についている銃剣を相手の騎士に突きつける。


「古代中世のほうが強い? 現代人は武器に頼るから弱体化した? 漫画の読み過ぎだろ。これが最新最高の戦闘技術」


 ジュウイチの銃口が騎士の剣を絡め取り頭上で飛ばし、ゼロ秒で銃剣の切っ先を相手の喉に突き刺した。


「銃剣術だ。時代の流れと共に失伝する戦闘技術があればあらたに生まれる最新技術もある。現代人ナメんなよ?」


 銃剣を引き抜き虚空へと雲散霧消させるジュウイチ。

 相手のヴァルキリー達は何か他に手はないかと考えて、


「もうやめなさい」


 スイレーが止めた。


「見事よ真柄直隆、それにエイル。貴女が立派なギルドマスターになってて嬉しいわ。じゃ、デビュー戦もまだのエイルじゃあたしのリーグまで上がって来るのに時間かかるだろうけど、コロッセオで当たる事があったらよろしくね。あたしの武田四天王がお相手するわ」

「あ、う、うん」


 エイルが呆気に取られながら頷いた。


「じゃあみんな、行きましょう」


 スイレーが背を向けると、とりまきのヴァルキリー達は輸送魔術を発動。

 倒れたベルセルク達がふわりと浮かび、ヴァルキリー達の横に並んで行った。

 直隆は一言。


「まっ、これで一件落着かな」

  

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