6回目 都合の良い展開をどこまでも加えていく
ご都合主義。
よく聞く言葉だと思う。
主人公に都合のよい展開というのだろうか。
こういった展開の話は多い。
「とにかく、ご都合主義にしていかないと」
とにかく角造はこの一点には気をつかっていく。
普通に考えればありえないような展開。
現実には起こりえないような状況。
それを積極的に盛り込んでいく。
どうにかしてこれを成り立たせていく。
なぜか?
その方が面白いからである。
成り上がりに向かうご都合主義な展開。
そういった話が世の中にどれほど溢れているか。
そして、それらがどれほど高評価を受けてるか。
それを見れば、ご都合主義を外す理由は無い。
むしろ、積極的に取り入れていくべきである。
主人公が一時的に不利な展開になる事はあるだろう。
しかし、それすらもご都合主義の一部に組み込まねばならない。
その一例が復讐である。
何か酷い事をした者によっておとしめられる主人公。
しかし、そこから反撃し、おとしめたものを徹底的に叩き潰す。
こういった展開は、実に多くの支持を集める。
しかし、これが主人公は一切成功せず。
奈落のどん底に陥れられたままだったらどうだろう。
そういう話が好きな人には支持されるだろう。
だが、大きな支持になる事はないだろう。
例外的な場合もあるだろうが、多くは望めない。
なので、主人公の失敗や失墜は一時的なもの。
それも後の胸がすくような展開の足がかりでなければいけない。
そして、悲惨な状況からの復活と、そこからの快進撃。
そういう展開に持ち込まねばならない。
現実ではなかなかお目にかかれないような話だ。
だからこそ、ご都合主義と呼ばれる。
現実にないものという意味もそこにはあるはずだ。
そんなご都合主義をこれでもかと盛り込んでいく。
普通ならありえないだろうというような出世。
ありえないような成り上がり。
ありえないようなハーレム状態。
そんな誰もが求めるような展開を心がけていく。
そんなの現実的ではない?
そう言うならば、現実だけ見ていればいい。
わざわざ創作物の中に求める必要は無い。
いくらでも現実に存在するのだから。
「どうすっかな……」
ただひたすら角造は考える。
主人公がこれ以上なくうらやましい展開を迎えるにはどうするかを。




