3回目 よくある話? つまり、それだけ売れてるってことだな!
思いつきをとにかく書き出す。
そんな楽しい無為な時間を過ごしたあと。
角造はあらためて書き出した事に向かいあう。
単なる落書きの羅列に向かい。
その中で何か使えそうなものはないかと。
落書きはそのままではただの落書きでしかない。
何かに使えるわけでもない、ただの思いつきの寄せ集めである。
しかし、そうして出てきたものは間違いなく角造の中にあったものだ。
無分別に並んだそれは、荒削りなアイデアの塊だ。
こうして出てきたアイデア
閃きや発想。
これが原材料になる。
これらの中から良いものを引き取る。
そうして抜き取ったものが、面白い話を作る原材料になる
…………という設定にしておく。
実際、それらが本当に良いものかどうか。
使えるのかどうかは分からない。
良いものだとか、面白いだとかはこの時点で分かるわけもない。
確実にいえる事は一つ。
間違いなく角造の中から出てきたものということ。
それは確かに角造の中にあったものだ。
しっかりと角造の中にあるもの。
だからいつでも思い返す事が出来る。
角造のお粗末な脳みその中にしっかり刻まれてるのだから。
自由自在に使える……かもしれない。
もちろん、それほど独創的とはいえない。
よくある、見慣れた設定がほとんどだ。
主人公がいて、ヒロインがいて、魔王がいて。
好意をよせてくれる幼なじみ(世話焼き系身の回り担当)がいて。
剣技があって、魔術があって。
小動物系ペットのような後輩(少しばかりツンデレ気味)がいて。
伝説の武器や防具や秘宝があって。
秘宝に宿った美人の精霊(お触り可能)がいて。
そして主人公と魔王の一騎打ちがあるというものだ。
あと、お姉様系先輩(クール担当枠)がいる。
ついでにいえば、ヒロインは聖女で美人で巨乳で性格が良く。
対する魔王も美人でグラマーで、体の線が思いっきり出る露出度高めの衣装装着だ。
そんなどこにでもあるようなネタばかりである。
これらを用いてもよくある話にしかならないだろう。
うらやましいほど無条件に女にもてる、チートなヒーロー英雄譚だ。
そんな作者の人生と無縁なうらやましい設定の物語である。
いうなれば次のようになるだろう。
『ぼくの かんがえた すごい おはなし』
そんなお話が出てきて角造は思った。
「よっし!」
思わず声が出る。
「これでいこう!」
迷わずそう言い切った。




