2回目 楽しんでやろう、たぶんそれが一番上手くいく
なんであれ、いきなり本格的に取り組むのは危険だ。
いきなり本番ともなれば、失敗する可能性が高まる。
だから事前に練習を繰り返すのだ。
それによって、良いところも悪いところもあらいだす。
また、確実に出来る部分と未熟な部分なども。
そもそもとして、何を書くのか。
どんな話にするのか。
それも決まってないのだ。
どんな主人公が出てくるのか。
どんな出来事が起こるのか。
それすらもまだ決まってない。
小説の本文を書き出す以前の問題だ。
なので、とにかく思いついた事を書き出していく。
登場させたい人物や、出したい道具や装備など。
そして、世界の設定。
また、書いてみたい場面など。
とにかく思いついた事をただひたすらに書き出していく。
言うなれば落書きだ。
子供が思いついた事をただひたすらに書いていくような。
そんな落書きである。
そんなものをとにかく角造は書いていった。
これが意外と楽しい。
ただひたすらに思いついた事を書いてるだけなのだが。
無性に楽しいのだ、これが。
なんでだろうとは思うが。
なんというか童心にかえったようでもある。
脳内麻薬物質が大量に放出される。
もうドバドバだ。
そんな脳内麻薬物質漬けになりなりそうな状態の果てに。
思いつきがメモ帳いっぱいに書かれる。
「すげえ……」
よくぞこんなに書いたものだと驚く。
仕事で書類を作ってる時はこんな事にはならないというのに。
それだけ楽しんでやっていたという事だろう。
時間も気づけば経っている。
既に一時間。
その間、脇目も振らずに打ち込んでいた。
人間、楽しいことをしてる時は、時間が過ぎる事を忘れる。
そんな状態に入っていた角造は、気分爽快だった。
気分は最高潮。
絶頂感をおぼえるほどだ。
ランナーズ・ハイならぬ、ライティング・ハイといったところか。
「ちょうさいこー…………」
漢字変換を忘れてひらがなでそんな事を口からもらしてしまう。
そうして出来上がったものは……まさに落書きだった。
まとまりも何もない。
そもそもお話になってない。
思いついた事を書き出しただけの、落書きでしかない。
だが、これで良い。
ここからが本番である。
「さーてと」
絶頂感あふるる恍惚状態から戻ってきて。
あらためて落書きと向かい合う。
「頑張るか」
本番はこれからだ




