彼との付き合いが長いと? 家族のように感じてしまう。
私は、10年付き合っている彼がいる。
ただ、10年も付き合っていると? 彼氏というより家族みたいで。
彼と一緒に居ても、ドキドキもしないし好きかどうかも分からない。
何度も、彼とは別れようと思っていた。
ダラダラ結婚もせず、付き合っていても仕方がないのではと。
私たちは、何のために一緒にいるのかな?
私は、彼の“お母さん”じゃないし。
料理や掃除、洗濯をする為に私は居るんじゃない!
・・・だから。
私は、思い切って彼に別れ話を切り出した。
『・・・ねえ、話したい事があるんだけど?』
『えぇ!? 何?』
『テレビ消してよ! 大事な話なんだから!』
『・・・何、怒ってんだよ? 今日、“アレ”の日?』
『違うわよ! 私達、結婚もしないんだったら? 別れない!』
『・・・えぇ!? 急になんだよ!』
『急じゃないでしょ! いつも言ってるじゃん! 征也がちゃんと
私の話を聞いてくれないだけでしょ!』
『・・・なんで、今更、別れなくちゃいけないんだよ! 今の関係で
いいじゃん! 10年も付き合ってんだし!』
『征也のそういうところが嫌いなのよ! 彼氏がいるのに結婚もしな
いなんて! 親も征也と別れた方がいいって言ってるのよ! こんな
関係がずっと続くなら、別れましょう!』
『俺と別れてどうするの? お前も、34歳だぞ! 俺の後に直ぐに
彼氏が出来るとは思えないよ! 俺で、手を打っておけって!』
『・・・征也のそういうところも嫌い! 34歳になって独身なのは
誰のせいよ! あんたのせいでしょ! 責任も取れない男にそんな事
言われたくないわ!』
『・・・じゃあ、別れるか!』
『うん!』
『分かったよ! 後で後悔して俺に泣きついてきてもヨリは戻さな
いからな!』
『もちろん、分かってるわよ!』
『じゃあ、荷物まとめて出て行くよ。』
『・・・ううん。』
・・・彼は直ぐに、荷物をまとめて出て行った。
彼の実家は、私達の住む家から30分ぐらいの所にあって歩いて
実家に彼は帰ったのだろう。
こんな事は、初めての事じゃない!
何度も、“別れてはヨリを戻す”を繰り返してきたからだ。
でも今回の、私は本気だった!
彼に私と、【結婚】をするという考えが全くないと知ったからだ!
ずっと、彼と一緒に居ても本当の家族にはなれない。
勿論! 彼を嫌いになって別れた訳じゃないから面倒くさいところ
でもあるのだけど...。
何度も別れてはヨリを戻すのは? 本気で私は彼を嫌いになれないからだ。
私は彼に完全に、“情”が移ってしまっている。
それでも、私は幸せになりたいだけなの。
普通に結婚して、旦那と愛する子供達に囲まれて小さな幸せでいい。
それだけが望みなのに、、、。
彼では、私のそんな小さな望みも叶えられない。
・・・そんな時に、久しぶりに女友達の飲み会に誘われた。
今までは、彼がいたし! 知らない男がいる飲み会に参加
するなと、強く言われていたからだ。
『久しぶり~理生! 飲み会なんて、全然行ってないでしょ?』
『・・・ううん、彼がいたしね!』
『征也さん、ヤキモチ妬きだったしね! 飲み会なんか行けないじゃん!』
『そうそう! やっと解放されたわ~』
『今日は、楽しく飲もうね!』
『うん!』
『それに、イケメン男子も呼んでるからさ~』
『・・・えぇ!?』
『いい出会いがあったら? 直ぐに行きなよ!』
『うん!』
久々の飲みかで、私の心はドキドキしていた。
彼以外の男性となかなか? 飲む機会もないし
ワクワクもしていた。
お店に入ると? 既にイケメン男子が3人もいたわ。
そのうちの一人が、私に話しかけてきたの!
『初めまして! 福井 アキと言います!』
『・・・あぁ、初めまして! 私は、菅野 理生と言います。』
・・・そこから、お酒を飲みながら彼との話も盛り上がったわ。
お互いのLINE交換もして、その日は何事もなく家に帰った。
直ぐに、彼からLINEがきて、また一緒に飲みたいと誘われたの。
34歳の私を、24歳の彼はいいと言ってくれた。
年下彼氏も、いいもんだなと思えたわ!
若い彼は、10年も付き合っていた彼と違って無邪気で好奇心旺盛な
男性だった。
いつも、前向きで! 私を引っ張って行ってくれるひとだった。
私は直ぐに、彼に夢中になったわ。
彼も、私の事を好きと言ってくれた。
それにね? 私達は“共通点”も多く、気が合ったの!
・・・でもそんな時に。
元カレから、私のところに連絡がきたわ。
【癌】になったんだって! 心細くて私に一緒に居てほしいって。
私どうしたら、いいのかな?
“今彼か? 元彼か?”
私の心は、ふたりの男性の間で、揺れ動いているわ。
最後までお読みいただきありがとうございます。