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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第一部 使い魔店の看板娘
49/243

第49話

「何度でも言うが、十分にやってくれているよ」


 ノアの生きる世界のルールは、どこの国も一緒なのか知らないが、住み込み見習いになった時点で、その主側に親権などが譲渡されるのだ。

 酷い言い方をすれば子供の売買である。

 現にノアの生活をマーシャルが見ているし、月々のノアへの給料の2割程度が、ノアの両親の下へ送られるのだ。

 レレ村を出たノアは二度と村の土を踏むことは許されない。厳しい世界なのだ。


「ありがとうございます! これからもがんばります!!」

「それで…ノアは、誰かを好きになったり、付き合ったりしたことはあるのかい?」


 顔を真っ赤にしたノア。


「あ、ありません…」

「なんだい? 顔を赤くしたから…あるのかと思ったよ。まぎらわしい子だね…」

「すいません…。好きと言われたのも初めてです…」

「それで、カストはどうするんだい?」

「プロポーズは嬉しいのですが、ノアにはやりたいことが沢山あって…」

「休みの日ぐらいデートしても構わないんじゃないかい?」

「マ、マーシャルは、ノアに付き合って欲しいのですか!?」

「いや、付き合う男は慎重に選ばないとね。下手に付き合って別れてしまうと、ノアは一生結婚相手が見つからなくなってしまうし、いきなり孕まされても困る」

「は、はらっ!?」


 あわあわと口をパクパクするノア。


「おっと、まだ早かったね。ごめんよ。まぁ、そういうこともあるさ。若いんだからね」


 動揺したノアは、ティーポットからジャスミンティーをドバドバとティーカップに注ぎ溢れさせていた。


「これこれ。私が悪かったよ、落ち着いておくれ…」

「はっ! はひっ!?」


「まぁ。これでわかっただろ? ノアはちょっとした有名人なんだよ。手紙にも書いてある通り、稀に使い魔を治癒できる能力を持つ者はいるが、ノアは滅多にお目にかかれない程の技術の持ち主であり、これから稼ぎ頭になる可能性が高く、そこそこ容姿も良い、性格も悪くない。その上、純情そうで間違いなく処女だ。こんな女の子を放っておく男なんていやしないんだよ」

「マ、マーシャル!? 先程から…少々シモネタが多いです…」

「別に悪巫山戯で言っているわけじゃないよ。これが街でのノアへの評価だよ」

「ノ、ノア…。もう…街を歩けません…」

「そのぐらいで丁度いい。タムリンが帰ってくるまで、礼拝も学校も私が同伴するからね」

「はい…ありがとうございます。そ、それでカストさんには、どうやってお断りをすれば良いのでしょうか?」

「あぁ。ノアが拒否したとなると遺恨を残す。だから『ムーンレイク使い魔店』の看板娘に手を出されること困ると私から言っておくよ」

「ありがとうございます…」


 ◆◇◇◇◇


 その夜、ギルドカードを見たノアは驚く、商人のランクが上がっていたのだ。商業都市サナーセルに来て八ヶ月のことであった。


□□□──────────────────────

●名前:ノア(人間・女性10歳)

●職業:商人(ランク:F)、スキルポイント:8

○能力:体力F 筋力G 知力G 魔力G 運気E

○評価:商才F 人脈F 財力G 知識E 健康E

○習得:鑑定A 索敵A 従属F 暗視D 隠密D

    念話C 検魔C 治魔E 回魔E 解魔G

○状態:正常

◎固有:拡張S 最適S 補正S

──────────────────────□□□


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