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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第一部 使い魔店の看板娘
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第45話

 小さな銀溶液(シルバースライム)で人間に勝てる方法は…。


 顔に張り付いて息を出来なくさせる!!


 絶妙のタイミングで飛び出したペルペトゥアは、見事に襲撃犯の顔面に張り付く。


 急に視界を遮られた襲撃犯は、剣を落とし地面に腰を落とした。その落ちた剣をジーッと見つめていたヒノデリカは、ガクブルで立てなかったのか、四つん這いで剣に近づくと、満面の笑顔で剣を拾い遠くへぶん投げてしまった。


 やがて呼吸が出来ずに苦しみ始めた襲撃犯。素手では液状の魔物を掴むことも出来ず、ジタバタともがき苦しむだけであった。


「あっ…。ノア。人殺しになっちゃう!? ど、どーしよ!? どーしましょ!? ヴェラー様!?」

「貴方は一体何者なの? そ、そうね…。そのまま殺しても構いません。私に仇なす者として当然の報いです」


 そのとき襲撃犯の男の手が赤く光る。ジュッと肉が高温のフライパンで焼かれた様な音がする。


 襲撃犯の顔に張り付くペルペトゥアの体積が小さくなった!? ペルペトゥアが焼かれている!?


「酷いことをしないで!! 【治魔】!! 【回魔】!!」


 ノアの発動したスキルにより、失われたペルペトゥアの体積が戻る。


「従属魔法!? いえ…スキル!!」


 セレスティーヌが驚いた原因は、スキルを発動させたことではない。その効果の威力にだ。


 襲撃犯が窒息する前にペルペトゥアを消滅させるか、ノアがペルペトゥアを回復し続けられるか、勝敗の行方をセレスティーヌとヒノデリカが見守る。


 そのとき二人の人影が現れ、その一人が…襲撃犯の首を刎ねた。


「守ると約束したのに、遅くなってすまない。ノア…」


 商業都市サナーセルでも有名なBランク冒険者のエフェルフィーレさんだった。その横には、転移でエフェルフィーレさんを連れてきたタムリンも安心した表情でノアを見つめていた。


「す、凄く、怖かったよ…」


 商業都市サナーセル最強の剣士とタムリンがいる安心感から、涙が堰を切ったように流れ出す。まだ戦いが続く街道を見下ろす丘陵地帯で大声でなくノアに、タムリンが近づき、いいこいっこする。


「あ、貴方は…タムリン!? どうして…ここに!?」


 セレスティーヌは目を見開いた。

 

「ぐっすん…、タ、タムリンは…声を失ってるの」


 ノアの言葉に更に驚くセレスティーヌ。


「ノアァ…私達…助かったの?」とヒノデリカが足元から声をかけてきた。


 街道を見れば、騎士団の第一陣に続き、冒険者と騎士団の混合部隊の第二陣、異端審問官たちの第三陣と、続々参戦していき、森から出て来た襲撃犯の主力部隊をものともせず、圧倒的な戦力で襲撃犯を駆逐していくのだった。


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