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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第一部 使い魔店の看板娘
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第43話

「何なんだよ。こいつは…」


 森の中に潜んでいた襲撃犯の主力部隊が、たった一人の少女により半壊させられていた。


 燃えるよな怒りに満ちた赤い瞳。死を連想させる巨大な死神の鎌。通常の魔術師ではあり得ない火力と魔力量。


 何よりたった一言も発しないのだ。何も要求せずに一歩でも動けば爆炎の魔法か、死神の鎌で瞬殺されるのだ。


「い、異端者…タムリン。悪魔に心を売った…タムリン…だ!」


 中隊規模の200名からなる主力部隊の半数…100名以上が倒されている。こんな人間離れした魔術を行使できる者など、世界でも数名しかいないであろう。それも少女が…だ。ならば、この前に立ち塞がる少女が誰であるかなど、少々魔術を齧った者であれば、答えを導き出すのは容易であった。


 ただタムリンという少女は、魔術と魔力の大半を失っている…それだけが唯一の救いだったかも知れない。全盛期のタムリンは単騎で戦術級の魔術を発動可能であったが、今では…それでも強力なのだが爆炎の魔法程度しか使えないのだろうと…分析した男は…。


「全盛期なら…一瞬で全滅だったな。だが今なら…。お前ら!! 全員で馬車を目指せ!! このガキは相手にするだけ無駄だ!!」


 爆炎の魔法を放つタムリンの横をすり抜けて行く襲撃犯達。


 しかし、タムリンは冷静に、襲撃犯の背中へ爆炎の魔法を数発放ち、瞬間移動で消えてしまった。


 ◆◇◇◇◇


 レインは生き残るために、6名の護衛たちを盾として使っていた。それは彼らに指示する事なく立ち位置を利用した結果だ。聖騎士候補の選抜に落ちて冒険者をやっているとはいえ、戦闘センスは伊達ではない。この戦いを裏からコントロールしていたのは、レインであった。


 襲撃犯の数も7人。西門から出て来た騎士団も目視できていた。


「こっちの勝ちのようね」と、レインは、少しでも時間を稼ぐため、襲撃犯に話しかけた。


しかし…。


「バラけて行くぞ。誰でも良い、セレスティーヌを殺せ!!」


 戦士のボニファーツ、弓士のライナー、魔術師のゲレオン、回復薬レイン、異端審問官リオニーと黒影獣(シャドウビースト)の5名では、どうしても…突破されてしまう。


 今度は、ボニファーツたちが足止めされ、セレスティーヌを追いかける襲撃犯を追えなくなった。それでもライナーの矢が走り抜ける襲撃犯の心臓を撃ち抜く。


 しかし、あと一人。どうしても…倒しきれなかった。


「俺らの勝ちだ!!」笑う襲撃犯たち。


 ◇◆◇◇◇


 丘陵地帯でしゃがんで身を潜めていたノアだが、【索敵】スキルにより、セレスティーヌ・ヴェラーと襲撃犯が向かって来ていることに気が付いていた。


「どうしよう…ヒノデリカ…」


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