表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第一部 使い魔店の看板娘
38/243

第38話

「帰りは魔物を探す必用がないから街道に出るぞ」と、戦士のボニファーツさんが街道を指差す。


 来る時は、草原でも魔物を探していたの? 探しながらでも移動速度だったのか…。普段はもっと速いのかな!? 足の遅いノアは焦る。


 銀溶液(シルバースライム)のペルペトゥアを胸に抱き「がんばろう!」と呟く。


「先頭はライナー、最後尾はレイン。俺とゲレオンが二人で平行に歩くから、その後ろを、ノアとヒノデリカ、タムリンとリオニーで」


 帰りは隊列を組むらしい。そうか、街道でバラバラに歩いていても、馬車の邪魔だし、余計なトラブルを避けるためかな。


 見た目はゆるやかな丘陵地帯だけど、足場は悪く、下りということもあり、何度も転びそうになる。


「ニヒヒ。ノアは運動音痴だな」小馬鹿にしながらも、手を繋いでくれたヒノデリカ。銀溶液(シルバースライム)のペルペトゥアは、繋いだ腕を渡りヒノデリカの頭に引っ付いている。可愛い。


「止まれ!」


  先頭を歩くライナーが、今までに無い緊張した声で、隊列を停止させた。


「街道で馬車が襲われている」


 この場所から街道まで400mくらい? 馬車にいる人の所属や名前までわかるのだ500m以内は確定だろう。


 馬車の護衛6名に対して、襲撃する側は20名だ。個々の強さにもよるが絶望的だろう。


 襲撃を受けた馬車の近くにいた…他の馬車は逃げるように離れていく。まるで襲撃する側が、誰を襲うか理解っていたような動きだった。


「街道に出るのは諦めて、このまま街の西門へ向かう。レイン! このまま一気に西門まで走る。ノア達に途中でライト・ヒールを頼む!!」


 戦士のボニファーツが指示を出す。


「あ、あの…馬車は…助けないのですか?」


「ノア。現実は絵本の物語とは違う。ボニファーツさん達の優先度は私達の安全。それに…街の近くで襲う連中は、盗賊のような物取りではないの。現に金を持っていそうな商人を狙っていないわよね? それに怨恨やお家騒動などが多く、下手に手を出せば四六時中狙われることにもなりかねない。一刻を争う事態なのよ。あまり冒険者を困らせては行かないわ」


 厳しい口調でリオニーから説教される。


「ご、ごめんなさい…」

「ノア、リオニー急いでくれ!!」


 せめて…誰が狙われたか…【索敵】スキルで調べる。


「あの…リオニー。目撃者って…殺されないかな…」

「街の前で襲撃するぐらいだから、目撃者だからといって巻き込まれることはないわ」

「で、でも…。セレスティーヌ・ヴェラー様って…。領主様の…」


 その名を聞いて、リオニーの表情が一変する。


「ノア!? あの馬車に…セレスティーヌがいるのっ!?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ