表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第六部 強くてニューゲーム!!
241/243

第241話

「おはよー。そろそろリリアナの体を返す気になってくれた?」

「愚か者。返したら我は…」

「大丈夫、ちゃんと考えてあるから」

「ほう…。だが、お主のこと、まだ信用したわけではないぞ」

「はいはい。で、今日はどうする?」

「うむ。そうだな…。また公園に行きたい」

「一緒にお弁当作る?」

「う、うむ…」


 あれからどれぐらいの月日が経ったのだろうか? ノアはヴァルプルギスの夜会のリーダー達と一緒に暮らしていた。彼の求めるものは日常的なものばかりだ。朝起きて、一緒にご飯を作って、食べて、片付けて…。


 人間より上位種であるから仕方ないのかも知れないが、タムリンやリーダーに言えることは、自分勝手というか人間の命を軽んじていることだ。


 ノアの出した結論は、タムリンとリーダに仲直りしてもらい。この人間界で争わないこと。


「ノア、おはよー」元聖女サトゥルニナ・レーヴェンヒェルムも、リーダーの呪縛から解放され、ただの一般人として生活していた。ボタンを掛け違い片肩が出ただらしない格好だ。とても元聖女とは思えない。


「今日はね。公園に行くんだよ」

「ふぁぁぁぁぁ…。なら…お弁当作らないとね」

「うん、リーダーじゃない…タムリンも作りたいって」

「顔洗ってくる…」


 三人でお弁当を作る。タムリンは、不意に「我は思う。このまま…ずっと三人で…」と言い出したので、「駄目だよ。ノアはノアで他にも沢山やることがあるの。タムリンの心の隙間を埋めるだけが、ノアの人生じゃないんだよ」って言ってやる。言うべきことは言わないと駄目なのだ。


「ふむ…。そうなのだが…」


 確かにタムリン(リーダー)に出来ることはない。タムリン(ジュディッタ)とタムリン(リオニー)が、タムリン(リーダー)を許し受け入れるしか無いのだから。


 お弁当を作り終えた三人は、お茶を飲んでしばし休憩する。そして、アンブロス王国の王都で、デザートを選びながら、北門を目指す。北門を出れば小さな丘があり、そこが目的地の公園だ。


 公園に到着したノア達を待っていたのは、セレスティノ・ヘルメスベルガーに連れられたタムリン(ジュディッタ)とタムリン(リオニー)だった。


「ど、どういうことだよ、ノア…ノアは我を裏切ったのか!?」

「し、知らないよ…。聞いてないし、どういういことなのセレス!?」

「これはだな…。タムリン(ジュディッタ)とタムリン(リオニー)が…ノアに会いたいと…」

「畜生!! ノア!! 裏切りやがってぇぇぇ!!」


 始まったか…。ノアが危惧いしていた事は、三人のタムリンを引き合わせるタイミングが間違っていれば…このような結末になることだ。


「我がただ黙って…日々を過ごしていたと思うなよ!!」

「それは…こちらとて同じこと!! リオニー! 結界を!!」


 リオニーは、世界の叡智(オルビシフィア)の杖を振りかざす。元から結界を詰め込んできたのであろう、瞬時に結界が展開される。


「ノアが王都を選んだ理由は…所謂人質作戦だろう? ここならば…王都の民へ被害もない」


 セレスは私が敵対しようとも…戦いを始める気だ。


「何故そこまで…リーダーを恨むのだ!?」とノアは叫ぶ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ