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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第六部 強くてニューゲーム!!
233/243

第233話

「はぁ…。これだからノアに任せられない。あれだけ痛めつけられた相手なんだよ? もっと…絶望を味あわせるなり、嵌めてから倒したりしないと!! 何で場を盛り上げないかな!? ノアは!!  読者もがっかりだよ!!」


 商業都市サナーセルの『ムーンレイク使い魔店』に帰ったノアは、猫亜人(ゴロゴロニャー)のアネッテに説教を喰らっていた。


「あっさりと倒すのは物語にインフレを起こしやすいんだよ?」

「アネッテの知識って、ヒガシヤマさんの世界のマンガの話しだよね…」

「違う、世界共通の話し!」

「アネッテ! あそぼー!」リリアナとジュディッタが部屋に入ってきた。

「うん。待ってて、このお姉ちゃんが悪い子だから、メッってしてたの。良いかな…ノア、次は私も連れていくこと!!」

「は、はい!!」


 ふぅ…。とため息を突き立ち上がると、今度はセレスがジト目で見ていた。


「こ・ろ・す・なって言っただろ!!」


 側頭部をグリグリと拳で締め上げられた。


「いたーーーーーっ!! し、しかた…なかったの!!」

「う・そ・つ・く・な!!」

「ぎゃーーーーーっ!! ご、ごめんなさい!!!」

「煩いっ!!」


 マーシャルさんの一喝により、その場は収まった。


「全く…未だに信じられやしないよ。無視も殺せないような顔をして…この娘は…」

「ノアは快楽殺人鬼ではありません!!」

「で、ノア。未来が読み難くなった訳だが…どうするつもりだ?」

「聖女サトゥルニナ・レーヴェンヒェルムに会いに行きます。彼女は…気まぐれかも知れませんが、何度も私やリオニーを助けています」

「今度は俺も行こう」

「でも…リリアナとジュディッタの護衛は?」

「私が…」

「リオニー? まさか…そんなに早く!?」

「『世界の理から外れた世界』の時間の流れを、こちらの世界と切り離しました。あちらでは数年立っています」

「んー…」まるで成長の見られない…特にリオニーの胸を凝視する。


「ベースは…リオニーの肉体ですが、タムリンの肉体に引っ張られてて、肉体年齢はあまり変わっていません。こっちの世界で数日慣れれば問題ありません」

「本調子じゃないのね。なら真・冬狐姫(ヒエムスクィーン)のカルメンシータ、灰狼侍・改(サムライウルフ)のアウギュスタ、鋼巨兵カリブルヌスジャイアントのラヴレーンチェフ、それと猫亜人(ゴロゴロニャー)のアネッテを護衛に付かせます」


「とんでもない使い魔だね」と、マーシャルさんは感嘆の声を上げた。


「ふふっ。ノア自慢の使い魔たちです」

「それで、聖女サトゥルニナ・レーヴェンヒェルムは何処にいる?」

「工業都市ヨレンテです。もうすぐ暗殺者に命を狙われます」

「ノア…お前、それで…聖女を助けるのかい?」

「あっ!? 聖女を暗殺者に殺させれば…とか、マーシャルさん鬼畜です!!」

「助けた後、殺す方が酷いと思うけどね」

「あぁ…ノアは…どっちを選択するのが良いのでしょうか!?」


 ブシューッと、頭から煙が吹き出す感じだ。


「ノア、リオニーも力を得たんだ。ヴァルプルギスの夜会を壊滅させる時が…来たんだ!!」とセレスティノ・ヘルメスベルガーが高らかに宣言した。

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