第23話
日曜日の朝、タムリンに起こされる。
(今日は日曜日。教会へ朝の礼拝に行く日だよ?)
(えーっ。今日なの? それに何時? まだ眠い…)
(何時って、いつもよりも遅いぐらいよ?)
開ききっていない目を擦りながら一階で朝食を用意するタムリンに抱きつく。
(おはよーっ。タムリン…)
(もう…礼拝のこと仕事じゃないと思ってるでしょ? これも仕事のうちだよ)
(そ、そうなの?)
(そうよ。考えてみて。新しい出会いは新しい仕事を生むのよ)
(はい…)
マーシャルさんがコーヒーを飲みながら、ジト目でタムリンと戯れている様子を見ていた。全くマーシャルさんがいることに、気が付きませんでした。
(うっ。タムリン教えてよ…)
(言う前に抱きついてきたのはノアでしょ!?)
「お、おはようございます!」
「朝から元気だね。今日はノアが礼拝に行くから、私が厩舎の仕事だよ」
「す、すいません!」
「ノアが謝ることじゃない。友達の一人でも作って来な」
◆◇◇◇◇
結果的に二人の友達が出来た。と言うのも、時間に余裕を持って教会へ向ったのだが、他の参加者が異常に早く集まったため、先に礼拝堂へ入ってしまい後から来た三人が鉢合わせして知り合ったのだ。
新しく友人になったのは、鍛冶屋の娘のヒノデリカと異端審問官の娘リオニーです。
ごめんなさい。何かを感じたノアは、つい…【鑑定】スキルを勇者の【拡張】スキルで上位スキルの【看破】にした上で、握手のタイミングで…二人のステータスを覗いてしまったのです。
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●名前:ヒノデリカ(人間・女性11歳)
●職業:鍛冶屋(ランク:F)、スキルポイント:7
○能力:体力F 筋力F 知力G 魔力G 運気G
○評価:職人G 武器G 防具G 知識G 健康G
○習得:炉熱G 鍛造G 成形G 焼工G 仕上G
○状態:良好
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●名前:リオニー・シュルツ(人間・女性10歳)
●職業:異端審問官(ランク:G)、スキルポイント:3
○能力:体力G 筋力G 知力F 魔力F 運気F
○評価:教義F 正義G 審判G 巡礼G 聖戦G
○習得:洗礼G 聖歌G 異端G 糾弾G 烙印G
斬首G 聖火G 神罰G
○状態:良好
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ヒノデリカのスキルは問題ないけど、リオニーの方が【斬首】とか【烙印】とか…怖そうなスキルが目立ちます。
「商人? お店は『ムーンレイク使い魔店』ですか。ノア…。ノア…あぁ、何処かで聞いたことがあると思えば、セレスティーヌが怒っていたノアですか。貴方少しだけ有名ですよ?」
「ノ、ノアが?」




