表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第六部 強くてニューゲーム!!
228/243

第228話

「皇位継承第4位のセレスも11歳だと可愛いのね。英雄スキルを奪われ、各国を虱潰しに探していて、偶然…私を見つけ【隠密】スキルを使い近づいたけど、バレて驚いたってところかしら?」

「な、な、な…なんなんだ…お前は!?」


 セレスは、教会の屋根の上にいた。何故、そんなところに? と言いたかったが、恐らく格好いいからとかそんな感じなんだろうと思い、聞かない優しさを発動させた。


「でも軽率よセレス。貴方から英雄スキルを奪えるのだから…弱体したセレスが勝てるはずがないじゃない」

「あれは…戦いなんかじゃない! 不意打ちだ! それにセレスとか馴れ馴れしいぞ!?」

「そう…。でも、ノアが敵だったら…セレス貴方は死んでいたわよ?」

「ノア? お前の名はノアか? 俺よりも年下っぽいが…お前は何者なのだ?」

「うーん…。そうだなー…。セレスって、暇なんでしょ?」

「ひ、暇言うな!! 俺は…」

「いいから、いいから、あのね。丁度、これから10日後ぐらいに、ノアが何者かを…特定の人物に説明する機会があるから…それまで、家に来ない? 家と言っても…ノアは住み込み見習いだけど…」

「住み込み見習いだと!? そ、そんなわけあるか!」

「じゃ…ノアを信じて付いてくるなら…英雄スキルを奪った犯人は…知らないけど主犯を教えてあげるけど?」

「しかし…」

「あら? 英雄スキルを奪い返そうとしているのに、こんな可愛い女の子が怖いの?」

「可愛くない…ぞ」

「むきーっ!!! ノアは…傷付きました…帰ります…」

「あっ! 待て! 外見じゃない! 外見は…可愛い、可愛すぎる!」

「可愛すぎる!? 良いでしょう…。なら、ついてきなさい」


 ◆◇◇◇◇


「最近寝付きが悪くて、やっと寝たというのに…で、誰だいその子は?」


 寝ていたところを起こされ、マーシャルさんは、ちょっと不機嫌だ。


「この子は、メンディサバル帝国、皇位継承第4位のセレスティノ・ヘルメスベルガー様、11歳です」

「……本当かい?」

「紛れもない真実だが、今は…一介の旅人だ。ただの子供と扱ってくれ」

「調べようにも調べられないからね。そういうことにしておくよ。ただ、もう今日は遅い。しかし…11歳の男の子とノアを一緒のベッドで寝せるわけには…」

「ノアは平気だよ。それにセレスは立場があるし、騎士道ってのもあるから、ノアを襲ったりしないよ」

「だから…こそなんだけどね」

「私は、ソファーでも床でもかまわない」

「はいはい。大丈夫。一緒に寝ようね」

「「だから!!」」


 結局、タムリンの部屋にセレスが、ノアはマーシャルと寝ることになった。


 ◇◆◇◇◇


 翌朝、目覚めたばかりのジュディッタは、相変わらず猫亜人(ゴロゴロニャー)のアネッテにべったりと付き纏い。アネッテの背中に隠れながら、「このお兄ちゃん誰?」と聞いてきた。


「うーん…皇子じゃなくて…セレスお兄ちゃん! 沢山遊んでくれるよ?」

「えっ!! お兄ちゃんも、遊んでくれるの?」


 おい、どーしてくれるんだと、セレスに睨まれる。


「ノ、ノアは…お仕事があるから、朝ゴハンを食べたら三人で仲良く遊んでいていてね」


 こうしてセレスは、タムリンが帰ってくるまで、一般的な? 庶民の生活を経験して「庶民は、庶民で大変だが…庶民ならではの幸せってものがあるのだな」と感心していた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ