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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第六部 強くてニューゲーム!!
226/243

第226話

「うーん…。容赦ないな」と感心し、自分で命令しときならがよく言えったものだとまた感心する。


 一応、盗賊に生きるチャンスを与えてあげたのだから、それを有効的に活用でき無かったのは、ノアの所為ではない。【看破】スキルでジュディッタの情報を集めながら、ノアは洞窟内の盗賊たちを月弓(ムーンアロー)で葬っていく。


 盗賊の頭を銀溶液(シルバースライム)のペルペトゥアで縛り上げ、攫われたジュディッタの前に突き出した。


「こんにちは、ジュディッタ。痛いところはある? お腹減ってない?」


 知らない人に話しかけられて、ジュディッタは、黙り込んでしまった。


「ノア、怖がらせては駄目だ」


 血まみれの猫亜人(ゴロゴロニャー)のアネッテに言われたくない。


「ジュディッタ、ここからで出てお家に帰ろう! 帰るときはお空も飛べるよ? ニャン?」


 耳をぴょこぴょこ、尻尾をフリフリ、ニャンニャン言語で、子供のハートをガッチリと鷲掴みにしたアネッテ。


「うん…。帰る! お空も飛ぶ!!」


 わーい! と足にしがみつくジュディッタを肩車すると、アネッテは頭を指差して聞く。


「ジュディッタ。このおじちゃんは、ジュディッタのパパ?」

「ううん。知らない人」

「そっかー」


 馬鹿な…。ノアは…これでも孤児院を作ったんだぞ? アネッテなどに負けるのはおかしい…。いや、そういう場合ではない。


 冷静になれ!! ノア!!

 そうなんだよ…。

 頭によるジュディッタの洗脳を初回では疑うこともしなかった…。

 だから、何も確認しなかった。


「アネッテ、ジュディッタと先に表に出て遊んでて」

「「はーい!!」」


 【看破】スキルにより盗賊の頭の記憶を探る。危険を犯してバルテに住むジュディッタを誘拐する。何のために? 血脈を守りし者ユースティティアグラナトゥム? 初めて耳にする単語だ…。


 縛られている盗賊の頭に質問を投げかける。


「何故、ジュディッタを狙った?」

「…」

「ペルペトゥア!」ペルペトゥアに指の骨を折らせた。

「ぐはっ!?」

「何故、ジュディッタを狙った?」

「…」

「ペルペトゥア!」

「ぐはっ!?」

「何故、ジュディッタを狙った?」

「う、裏社会の噂だったんだ…。血脈を守りし者ユースティティアグラナトゥムのが、世界各地で…神だか、王だか、そ、そんな…高貴な血を持つ…子供たちを生み出し、育てていると…」

「その噂の出処は?」

「わからねぇ。酒場で偶然聞いただけだ。ま、街の酒場にいる連中なら、全員が知っている…そんな噂だ…」

「えっと…その噂とジュディッタは、どうして結びつくのですか?」

「噂が独り歩きして…興味を持った情報屋が…調べ始めたんだ。その結果…血脈を守りし者ユースティティアグラナトゥムは古代教会の影の組織だと判明して、酒場で馬鹿騒ぎしていたからな…。俺達は教会に出入りする人間を監視して…教会関係者でもない…不自然に出入りするジュディッタの両親を見つけ出したんだ」


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