第22話
第25話以降、大事件に巻き込まれるストーリー展開で、
かなりのストックが出来るまで書いてしまったのですが、
これはまだ早すぎると思って削除してしまった…。
どうしようかな…。
(ごめんね。タムリン。いつの間にか念話になってた)
(うん。随分と熱く語ってた)
(恥ずかしいぃ。で、間違ってるというのは?)
(えっとね。スキルポイントはスキルを取得するだけじゃなくて、沢山ポイントが必用だけど、スキルや能力のランクを上げられるんだよ)
(そ、そうなの?)
(うん。だけどランクが上がるかどうかは、スキルポイントを使ってみないとわからないの)
(上がらなかったらショックだよね)
(他人が思うよりも本人は絶望的なの。それで自殺する人が結構多いの)
(タムリンはやったことある?)
(ないよー)
(スキルランク高いもんね)
(うん。あとはどれだけ高みを目指すか次第だけど。私は…ここまでで良いかな)
(あっ。お客さんが来た。お仕事の邪魔しちゃってごめんね)
(ううん。楽しかったよ。ノアもお仕事頑張って〜)
「いらっしゃいませ!」と元気よく入店してきた冒険者さんに挨拶する。
「久しぶりだね。元気にしてたかい?」
「あっ! レインさん!!」
レインさんとは、銀溶液に取り込まれる寸前だったときに助けてくれた冒険者のお姉さんです。
「今日はね、ノアの両親に頼まれて、様子を見に来たんだよ」
「えーっ。うちの両親は…。わざわざ、そんなことをレインさんに頼んだんですか!?」
「いや、商業都市サナーセルまで護衛の依頼があってな。そのついでだ」
「そうなんですか。元気ですと両親に伝えておいてください」
「うん? 村言葉から、立派な商人言葉になってるじゃないか!」
「あっ、はい。皆さんに協力してもらって、大分慣れてきました」
「うんうん。頑張ってる証拠だね。しかし…使い魔とは随分と可愛いな」
レインさんは回復役ですが、戦闘も出来る万能タイプらしいのです。それに幼馴染とパーティーを組んでいるので、使い魔とは無縁なのです。
「はい。可愛いのに優秀ですよ。店主のマーシャルさんが厳選した魔物なのです」
「ほう…。確かに多種多様な魔物が取り揃えられている。ノアはどの魔物にしたのだ?」
「えっ。いえ。ノアは…まだ使い魔を持ってません」
レインさんは値札を見ると納得した。
「優秀な分、値も張るのか」
「はい。滅茶苦茶可愛いですけどね」
レインさんは何かを思いつたようにニヤリと笑った。
「なぁ、野生の魔物を捕まえて使い魔にしたら駄目なのか?」
店の奥から出てきたマーシャルさんが代わりに答える。
「いらっしゃい。そりゃ、難しいね。野生の魔物を従属させるには契約が必用だ。それに野生に慣れすぎた魔物は従属に抵抗するからね」
「なるほど。例えば銀溶液なんかを使い魔に出来たならと思ってな」
「そうだね。販売している魔物の代価の半分は、刷り込み用の幼体を探す手間賃だね。かと言って生体の従属契約でも同じぐらいの代価がかかる。結局、野生の魔物を捕まえても、従属契約の代金や、街への申請代、取られる時間などを考えれば、使い魔店で買っても変わらないのさ」
「マーシャルさん。ノアが捕まえたら…ここで飼っても良いですか?」
「ノアがかい? 今言った通り、従属契約代は高価なんだよ?」
「あの…ノアは…【従属】スキル取得してるので!」
「これまたマニアックなスキルを取ったもんだね。また自分で面倒見るなら1、2匹程度なら勉強にもなるだろうし構わないよ」
「なら、決まりだな。今度の休みに、魔物を捕まえに行こう」