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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第五部 その手から零れ落ちるもの
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第213話 セレスティノ・ヘルメスベルガー編

 ヴァルプルギスの夜会のリーダーは、奪った英雄スキルにて、精神を支配するスキルを使用できるが、セレスティノには対抗可能なスキルを複数持っていた。


 精神攻撃を阻害する【阻害】スキル、精神力を向上させ冷静さや迷いを打ち消す【向上】スキル、精神攻撃を食らった場合に抗う【抵抗】スキル等だ。


 【強化】スキルで筋力を強化し、【跳躍】スキルで地面を刳りながらダッシュする。そして、【疾風】スキルで更に加速して、【予知】スキルで未来を読み、【特定】スキルや【鷹目】スキルなどでしっかりとリーダーを捉え、【付呪】スキルで強化した剣を【剣術】スキルを使って突く!!!


「ぐっ!?」リーダーは避けきれずに、左肩を削られ声を上げる。


 突きでリーダーの背後に回った俺は、突きの勢いを回転に変え、上半身をひねり剣を水平に回転しながら放つ。


「がっ!」これもリーダは避けられず、背中に大ダメージを与える。


 これが俺の力だ。全てのスキルがSランクであり、攻防一体、物理も魔法も、一切隙がない。


「我が肉体にダメージを与えるとは…人間にしてはよくやる…クククッ」


 リーダーは嬉しそうに笑いながら、一瞬にして傷を治癒した。これは小手調べとは言え、あの程度のダメージでは、ダメージにならないということを意味する。


「褒美だ。受け取るが良い」


 空間を埋め尽くすように、拳サイズの球体がプカプカと浮かぶ。


「我は人間を観察するのが好きでな。遥か昔、シャボン玉で遊ぶ童子共を眺めていた。それが楽しそうで…我は同じことを…兄妹たちにしただけなのだがな…」


 何を言っている!? これがシャボン玉代わりだと!? 一つ一つが各属性のエネルギーを凝縮した精霊爆弾ではないか!! どれか一つに触れただけで、周囲の精霊爆弾を誘爆させ…辺り一面が更地どころか…クレーターのように抉られるぞ!!


「お前は…純粋な…狂人だ!! 生かしておくわけにはいかない…」


 俺は早期決着を望んだ。焦っていたのだろうか? この得体の知れない化物を恐れていたのだろうか? どれだけスキルで武装しようとも…心の恐怖は隠しきれないのだろうか?


「お前は我を狂人と呼ぶが、我が記憶に照らし合わせても、人間は悪魔以上に残酷で恐ろしい。人間は時に、神々も創造し得ない…悪意を生み出す…。さらばだ、セレスティノ・ヘルメスベルガーよ。人間は人間に殺される方が幸せだろう…。お前は何を捨て何を得る?」


 恐怖を体現する…リーダーの表情!? 奴は…一体何を!? まさか…!!!


 リリアナとノアも…周囲を精霊爆弾に囲まれていた。そして、【予知】スキルで観た未来を【特定】スキルで起こり得るのか…確認する。その結果を【演算】スキルと【並列】スキルで、対応策を練る。


 一体どれだけの魂と時間を費やしたのか…。強力な呪いの力が、アンブロス王国から放たれた!?  この呪いの波長は… 魔法都市ヴェラゼンに聳える十一塔の呪術塔の主アーク・ノルドクヴィストが放つ…呪詛の光線(カースドレイ)と酷似していた。


 いや…規模が全く異なる!! くそっ!! ヴァルプルギスの夜会のリーダーも…【予知】スキルに似た何かを持っていたのか!? それも…俺よりも精度が高い何かを!! それで…俺の動きを制限するための…この精霊爆弾か…。


 自分だけなら逃げられる…リリアナを救うには…俺が…犠牲になるしか…。


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