第201話 ノア編
左腕の七色に輝く精霊義手を弓に変形させると、火傷をしないように結界で右手を覆い【炎術】により炎矢を召喚する。さらに【弓矢】スキルを発動させ、炎の矢を放つ。
「月弓!!」
同時攻撃をレナータにしかけるが、逆に回避と攻撃を同時に転移魔法によりしかけられる。
「ノアでは私に勝てませんよ!」
背後から巨大な死神の鎌が迫る!
「【結界】!!」
伊達にランクAまで上げてないのだ…!? パシャンッ!? と、結界が鎌で破られる。
「【回避】!! そして、銀溶液のペルペトゥア!!」
灰壁馬の外套内に常に隠れているペルペトゥアが、紐状になりレナータに巻き付く。この一瞬の隙きをつき、ノアは【呼魔】スキルで使い魔達を呼び出す。
「猫亜人のアネッテ、黒飛竜のカス、冬狐姫のカルメンシータ、灰狼侍のアウギュスタ、白浮霊のフェールケティル、鉄巨兵のラヴレーンチェフ!!! 手加減は無用です!! 全力で排除します!!」
ラヴレーンチェフが盾役、アウギュスタが物理攻撃の前衛となり、カスとアネッテが遊撃、カルメンシータが魔法攻撃、フェールケティルが魔法支援、そして、ノアが司令塔となる。
「くっ。禁呪・怒りの炎!!」
「カルメンシータ!!!」
レナータの爆炎とカルメンシータの【凍結】スキル&【吹雪】スキルが激突する。だが、火力は圧倒的にレナータに軍配が上がる。しかし、「カス! アネッテ!!」と、魔術に集中するレナータの本体を狙う。
「甘い!」
レナータは、左手の世界の叡智の杖だけで禁呪を操り、右手の巨大な死神の鎌で、カスとアネッテの同時攻撃を見事に防ぐ。
「負けるな!! 【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】!!!」
何重にも強化スキルを使い魔たちにかけ、能力を底上げする。
「禁呪・厄災封印!!」
爆炎の禁呪を発動中に、別の禁呪を発動した!? ノアの使い魔達が、強制的に封印される。守りを失ったノアは、レナータの巨大な死神の鎌で、首を刎ねられた…。
「大丈夫、死にはしない。ここは私の世界、私の思い通りになる世界。ノア、悪いけど、体をバラバラにするわね。私は、向うの世界で、やらなければならないことがあるの。次に帰ってきたら元通りにしてあげるから、大人しく、世界の情勢を…見ていて。」
世界の情勢をノアが見れるように魔法で映像を空間に映すと、レナータはスッと消え去った。




