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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第五部 その手から零れ落ちるもの
201/243

第201話 ノア編

 左腕の七色に輝く精霊義手(エレメンタルアーム)を弓に変形させると、火傷をしないように結界で右手を覆い【炎術】により炎矢(フレイムアロー)を召喚する。さらに【弓矢】スキルを発動させ、炎の矢を放つ。


月弓(ムーンアロー)!!」


 同時攻撃をレナータにしかけるが、逆に回避と攻撃を同時に転移魔法によりしかけられる。


「ノアでは私に勝てませんよ!」


 背後から巨大な死神の鎌が迫る!


「【結界】!!」


 伊達にランクAまで上げてないのだ…!? パシャンッ!? と、結界が鎌で破られる。


「【回避】!! そして、銀溶液(シルバースライム)のペルペトゥア!!」


 灰壁馬(グレイウォール)の外套内に常に隠れているペルペトゥアが、紐状になりレナータに巻き付く。この一瞬の隙きをつき、ノアは【呼魔】スキルで使い魔達を呼び出す。


猫亜人(ゴロゴロニャー)のアネッテ、黒飛竜(ダークワイバーン)のカス、冬狐姫(ヒエムスクィーン)のカルメンシータ、灰狼侍(サムライウルフ)のアウギュスタ、白浮霊(ホワイトレイス)のフェールケティル、鉄巨兵カリブルヌスジャイアントのラヴレーンチェフ!!! 手加減は無用です!! 全力で排除します!!」


 ラヴレーンチェフが盾役、アウギュスタが物理攻撃の前衛となり、カスとアネッテが遊撃、カルメンシータが魔法攻撃、フェールケティルが魔法支援、そして、ノアが司令塔となる。


「くっ。禁呪(アルス・マグナ)怒りの炎(イラ・インフラマラエ)!!」

「カルメンシータ!!!」


 レナータの爆炎とカルメンシータの【凍結】スキル&【吹雪】スキルが激突する。だが、火力は圧倒的にレナータに軍配が上がる。しかし、「カス! アネッテ!!」と、魔術に集中するレナータの本体を狙う。


「甘い!」


 レナータは、左手の世界の叡智(オルビシフィア)の杖だけで禁呪を操り、右手の巨大な死神の鎌で、カスとアネッテの同時攻撃を見事に防ぐ。


「負けるな!! 【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】【強魔】!!!」


 何重にも強化スキルを使い魔たちにかけ、能力を底上げする。


禁呪(アルス・マグナ)厄災封印(メルム・メルギトゥル)!!」


 爆炎の禁呪を発動中に、別の禁呪を発動した!? ノアの使い魔達が、強制的に封印される。守りを失ったノアは、レナータの巨大な死神の鎌で、首を刎ねられた…。


「大丈夫、死にはしない。ここは私の世界、私の思い通りになる世界。ノア、悪いけど、体をバラバラにするわね。私は、向うの世界で、やらなければならないことがあるの。次に帰ってきたら元通りにしてあげるから、大人しく、世界の情勢を…見ていて。」


 世界の情勢をノアが見れるように魔法で映像を空間に映すと、レナータはスッと消え去った。

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