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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第五部 その手から零れ落ちるもの
191/243

第191話 ノア編

 何処へ行くか悩んだノアは、通り過ぎたことしか無いペラルタ王国に目的地を決めた。


 ノアは、猫亜人(ゴロゴロニャー)のアネッテと二人で乗っても問題ないくらいに成長した黒飛竜(ダークワイバーン)のカスの背中から、ペラルタ王国の上空を旋回していた。


「王都はゴミゴミして嫌です。もっと風光明媚な場所にしましょう!」

「ノア。リッチャルディ諸島という超田舎から来たお上りさんだよ? 自然はお腹いっぱい。王都で」

「わかったから! 胸じゃなくて腰を掴んでよ!! くすぐったい!」

「あっ、ごめん。真っ平らだったから…つい…」

「意味が理解らない!!」


 今度は王都上空を旋回して、東西南北何処の門が空いているか確認する。街中に降りるような非常識な人間ではないのですよ!!


「東が空いているけど、西側の方に市場とかあるね。西側にするね」


 カスを急降下させ地面に降り立つ。ちょっと街道に近い場所に下りちゃったから、商人や冒険者たちが驚き逃げ惑う。


「あっ。やっちゃった…」


 お騒がせしてすいませんと、ペコペコと頭を下げるノア。商人の子供たちは、黒飛竜(ダークワイバーン)のカスが、安全だとわかるや否や、勝手に背中に乗り始めた。


「ノア! 私も、レアな猫亜人(ゴロゴロニャー)なのですが…」

「見た目があまり人間と変わらないからね…」


 そんなことをしていると、王国騎士団に囲まれていた。


「お、お前ら…な、何者だ!?」


 へっぽこだな…。でも、低姿勢で丁寧に説明するが許してもらえず。迷惑料をがっつりと取られ、さらに説教まで喰らって解放された。


 何でもメンディサバル帝国に不穏な動きがあるそうで、周辺各国は警戒を強めているらしい。そんなところに、王都上空を飛び回る飛竜がいたら、そりゃ…怒られるよね…。


「酷い目にあったよ」

「ノアが悪い」

「でも、帰りにリリアナに会っていこうかな。ちょっと心配」


 王宮の詰め所から出たノアは、アネッテに手を引っ張られ、グイグイと進む。アネッテめ…。ノアだって、【狼鼻】スキルがあるんだ。君が何処へ向かっているか、手に取るように理解るさ。さらに【鷹目】スキルや【豹耳】スキル、それに【特定】スキルを駆使すれば、市場の屋台に向かっているのがわかった。


 ノアはアネッテから串焼きを一本もらって頬張っていた。隣では、煮込みシチューや、鉄板ステーキ、川魚のフライなど、片っ端から屋台で買ってきて口に詰め込むアネッテがいた。


「孤児院の料理は健康的。だけどアネッテはジャンクフードが好き」


 屋台巡りが終わってご機嫌なアネッテを連れ、ハンターギルドを探すが、見つからない。近くの雑貨屋で孤児院の子供たちにお土産を買いながら、店主に聞いてみる。


「ペラルタ王国にハンターギルドはないよ。ハンターたちはガラが悪いからね。あると治安が悪くなるんだよ」


 えっ!? そうなの? 

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