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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第一部 使い魔店の看板娘
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第19話

 ノインさんのは、毎日白角兎(ホーンラビット)の様子を見に来た。元気になった白角兎(ホーンラビット)は、沢山餌を食べ、失った体力を回復して…逆に少し太ってしまったかも。


「今日まで、クランダル病の症状は出てないね。明日で一週間だ。このままいけば明日、白角兎(ホーンラビット)を返せるね」

「本当ですか!?」


 マーシャルさんから経過観察の報告を受けたノインさんは喜んでいた。


「頑張ったのは、私じゃなくノアさ」

「ち、違います!! 白角兎(ホーンラビット)が、一緒に冒険に行きたいと願ったノインさんのために頑張ったんです!!」


 それからノインさんは、店に魔物を買いに来た新人冒険者アレクさんに、白角兎(ホーンラビット)の治療の事を自慢しつつ、しっかりと『ムーンレイク使い魔店』の宣伝をしてくれた。


「ほう? この店で魔物を購入すれば、アフターケアまでしてくれるのか?」


 新人冒険者アレクさんが間違った認識になったので、マーシャルさんがはっきりと訂正する。


「今回は、この店に落ち度があったからだ。何度も言うが、ここは販売店で治療は素人だよ」

「でも、白角兎(ホーンラビット)が、こんなに元気になったじゃないですか!」


 興奮するノインさんにお手上げのマーシャルさん。


「兎に角、勘違いは困るよ」


 納得した剣士の新人冒険者アレクさんは、デバフ系支援用魔物の紫幻蝶イリュージョンバタフライを購入した。


「幻を見た敵の攻撃先が変わるし命中率や回避率も下がる。けど、絶対じゃないからね。油断は禁物だよ」


 マーシャルさんは、紫幻蝶イリュージョンバタフライとの戦闘時の注意点を重ね重ね言う。


 ◆◇◇◇◇


 ある日の午後。珍しく、立て続けに使い魔が売れ、厩舎から魔物を運ぶノアを見ながらマーシャルさんは言う。


「厩舎のストックが心配だね。折角運んできてもらったけど、今日はもう閉店だ」

「もしかして。市場に使い魔を買い付けに行くのですか!?」

「そうだけど…。残念だがノアは連れて行かないよ」

「ど、どーしてですか!!」

「使い魔の売っている地区に入る許可をノアが持ってないからだよ」

「許可ですか?」

「そうだ。最低でも商人のランクがFが必用だね」

 

 Gランクのノアは、がっくりと肩を落とす。職業、能力、評価は、スキルと違い勇者スキルが適用されないためランクを上げるには地道な努力が必用なのだ。


「あう…。わかりました。厩舎の掃除がんばります」


 使い魔の少ない今こそ、大掃除のチャンスなのだ。


「あまり、使い魔を刺激するんじゃないよ」

「はい! わかっています」


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