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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第五部 その手から零れ落ちるもの
186/243

第186話 ノア編

 大きな滝壺の裏にある洞窟のようにジメジメとウジウジして、腐食した肉から粘っとしたネバネバ細菌を生み出すように周囲を不快にする彼女は誰でしょう?


 そう、私です!!


 私は、ノア。ノア・デモニウム・プリンセプス、18歳、精霊です。


 自分ではヒガシヤマさんとの関係を清算したつもりでしたが、ご覧のようにウジウジネバネバして、猫亜人(ゴロゴロニャー)のアネッテに、グチグチギャアギャアと小言を言われ、その相乗効果により、周囲の人々をげんなりとさせています。


 はい、十分に自覚はあるつもりです。


 そんな私に告白してきたフロランタン、16歳、童貞さんは、ノアの心を揺さぶる程、かっこよく見えました。何処がと言われても、DNAがそう感じさせたのですから、知りませんよ。


 しかし、ノアは、相手をスペックで選んでしまう悪い女なのです!!


 高身長? 高収入? いいえ、違います。


 最低でも、本気の灰狼侍(サムライウルフ)のアウギュスタと剣術が互角、鉄巨兵カリブルヌスジャイアントのラヴレーンチェフの一撃にも潰されること無く耐え、冬狐姫(ヒエムスクィーン)のカルメンシータの吹雪や凍結に裸と笑顔で応え、黒飛竜(ダークワイバーン)のカスのように自由に大空を駆け巡る漢でないと…駄目なのです。

 

 だって、ノア敵が多いんだもん。簡単に死なれては、トラウマレベルMAXですよ。


 と、思っているのですが…。


 ノア・サンビーチから離れ、林の中で…。


 フロランタンのファーストキスを奪っていました!!


 いや、ノアは、無理やりキスされた側だけど、一応…年上のお姉さんだし、経験者だから…奪った側になるのかと…。


 フロランタンは、驚くノアの両肩を掴んで、熱く、熱く、己の想いをノアにぶつける。


「俺、ノアを幸せにしてみせる!」


 うん、幸せになりたいよ…。


 本当に…。


「だから、待っててくれ! 俺は、もっと強くなって…必ず、迎えに来る!」


 へっ? おいおい…。何処へ行く気なんだよ…。


 フロランタンは、踵を返すと全力で走り去っていく。


 いや、リッチャルディ諸島全体は、四大精霊が護っていて…簡単には出られないぞ…。いや、島民を襲うことはないと思うが…。


「ノア、最後まで…しなかったのか」アネッテが林の奥から姿を現しながら呟く。


「何を期待していたのですか? アネッテ…」


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