表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第五部 その手から零れ落ちるもの
184/243

第184話 ヨハネス・ケルヒェンシュタイナー編

 アンブロス王国の最強の騎士であり、どの部隊にも所属しない自由騎士であるヨハネス・ケルヒェンシュタイナーは、着々と開戦の準備を進めていく帝国に対して、どのようにすれば戦局を有利に展開できるか考えていた。


 まず、一番の問題は、名も知らぬヴァルプルギスの夜会のリーダーに支配されていること。


 完全支配とは思考の停止。つまりリーダーが事細かに指示する必用がある。だから、命令に逆らうな程度の軽い支配なのだろう。


 また、そのリーダーが何を考えているのか、計画がまったく見えてこない。


 リーダーの指示は、アンブロス王国の7つの領地の内、3つの領地の独立させること。つまり内戦を誘発させること。そして、国の象徴である白角馬(ユニコーン)を奪取すること。


 まず、ただでさえ強大な戦力を保持する帝国に、唯一善戦できそうなアンブロス王国を内部分裂させる意味とは? リーダーは帝国を支援するのか? 何故?


 ヴァルプルギスの夜会のような個人集団が、全土を統一した帝国に対抗できるのか?


 なるほど…。そういうことか。


 リーダーの英雄スキルか。


 全土を統一する前は、戦術や裏工作に複雑な命令が必用になるが、統一後ならば、単純な命令でも問題がない…か。


 英雄スキルに、数の大小は関係ないからな…。


 リーダーの目的が達成されれば、俺達も…完全支配されるのだろうな。


 面白くない。


 しかし、まずは命令に逆らえんからな。今の命令は、2つだけだ。これを達成して、俺は…。


 そこで俺は、セレスティーヌ・ヴェラーを訪ねた。

 

「本来、国王の使い魔である白角馬(ユニコーン)だが、現国王の資質が足らず使い魔ではない。しかし、人外の力を持つ白角馬(ユニコーン)を操る術は持ち合わせていない。そこでお前に頼みたい」

「何故、私が貴方の手助けをしなければならないのかしら?」

「まぁ、まずは、俺の話しを聞け」


 白角馬(ユニコーン)の奪取の報酬として、ヴェラー領地を治めるエドヴァルド・ヴェラーの暗殺と領主の継承を確約した。また他の2つの領地についても、ヴェラー領地に吸収合併させ1つの領地にすること。


「お前は、白角馬(ユニコーン)を奪え。領地の件、名匠スキルのガキの件は、俺に任せておけ、ガキを捕まえれば、お前の命令は完了し自由になれるはずだ。そして、3つの領地、名匠スキルのガキ、白角馬(ユニコーン)、異端審問官ディオン・シュルツと複数の部下、セレスティーヌ・ヴェラー、そして俺を土産として、帝国に取り入る」


 ヴァルプルギスの夜会のリーダーの危険な考えをヴェラーは、すんなりと理解した。そもそも裏切るつもりだと言っていた。


「組織が、ヴァルプルギスの夜会から、帝国に変わるだけか…」

「贅沢を言うな。完全支配よりはマシだ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ